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ベルン大学におけるMMX国際アウトリーチ連携イベント

2026年6月8日、スイス・ベルン大学において、JAXA宇宙科学研究所(ISAS)とベルン大学との国際アウトリーチ連携のキックオフイベントとして特別セミナーが開催されました。

ベルン大学では、火星衛星探査計画(MMX)に関連する研究や国際連携活動が進められており、また、2025年6月には大阪・関西万博のスイスパビリオンにおいてJAXAとの共同イベント(「月から彗星へ、宇宙をおさんぽ!」)を実施しました。今回のイベントは、こうした交流を発展させ、アウトリーチ分野における新たな連携の第一歩として企画されたものです。会場には、ベルン大学や周辺研究機関の研究者・学生に加え、在スイス日本国大使館の桜井博之一等書記官も参加されました。オンライン参加者を含めると100名を超える参加者が本セミナーに集い、大盛況となりました。

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左:美しいベルンの街並み、中:セミナーが開催された歴史を感じるベルン大学、右:在スイス日本大使館の桜井一等書記官と藤本ISAS所長

セミナーは、ベルン大学Center for Space and Habitability(CSH)のAudrey Vorburger准教授の司会により進行されました。冒頭では、ベルン大学学長Virginia Richter教授およびベルン大学Center for Space and Habitability(CSH)所長のBrice-Olivier Demory教授より挨拶が行われ、今後の連携を象徴するものとして、藤本正樹ISAS所長からベルン大学へMMX探査機1/48サイズの模型が贈呈されました。

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左:ベルン大学学長Virginia Richter教授のご挨拶、右:藤本ISAS所長からVirginia Richter学長へMMXの模型贈呈

講演セッションでは、Raphael Marschall博士よりベルン大学における宇宙科学研究や国際連携の取り組みについて紹介が行われました。続いて、小嶋智子ISAS主任研究開発員が、ISASにおける小惑星帰還試料のキュレーション活動と、それらを活用したアウトリーチの取り組みについて紹介しました。Martin Jutzi博士からは、火星衛星フォボスの起源と進化に関する研究成果とMMXに関連する研究について紹介が行われました。最後に、藤本正樹ISAS所長による講演「JAXA's Way of Space Science」では、JAXAの宇宙科学ミッションの歩みやMMX計画、国際協力の重要性について紹介されました。

講演後の質疑応答では、JAXAからの講演に対し、MMX試料のキュレーションに向けた準備や、海外と日本におけるアウトリーチ活動について質問が寄せられました。また、ISASが日本の宇宙開発の中で果たしてきた役割や今後の発展に関する質問も挙がりました。研究内容だけでなく、研究機関の在り方や社会との関わり方への関心の高さがうかがえました。

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・ベルン大学 Center for Space and Habitability(CSH)によるイベントレポート(英語のみ):「JAXA's Way of Space Science with Masaki Fujimoto」
・ベルン大学 CSH公式LinkedIn(英語のみ):「JAXA's Way of Space Science and the Japan-Swiss Space Collaboration」(LinkedIn post)

セミナー終了後には、屋外のカフェスペースでティータイム形式の交流会が開催されました。ベルンの穏やかな気候のもと、セミナー参加者が自由に交流し、講演会とはまた異なるリラックスした雰囲気の中で親睦を深める機会となりました。当日は晴天に恵まれ、遠くにはアルプスの美しい山並みが広がり、スイスらしい風景の中で交流を楽しむことができました。

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左:ベルン大学から望むアルプスの景色、右:セミナー後のティータイム

交流会に続き、JAXAからの訪問メンバー向けにベルン大学の研究施設を巡るラボツアーが実施されました。ツアーでは、Comet InterceptorやExoMars Trace Gas Orbiterなどへの観測機器開発を例に、ベルン大学がこれまで様々な宇宙ミッションにどのような形で貢献してきたのかについて紹介を受けたほか、研究者との意見交換も行われました。研究設備や開発中の技術を実際に見学することで、ベルン大学が宇宙ミッションに果たしている役割への理解を深めるとともに、今後のアウトリーチ活動についても活発な情報交換が行われました。研究とアウトリーチの両面で互いの経験や知見を共有できる、大変有意義な機会となりました。 

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上段・下左:ベルン大学のラボツアー、下中・右:ベルン大学と連携のある天文観測施設「Space Eye」の見学

今回の訪問は、研究面での協力に加え、宇宙探査の魅力や成果を社会へ伝えるアウトリーチ活動においても、新たな連携の可能性を感じる機会となりました。ベルン大学との交流を通じて、研究とアウトリーチの両面で今後の協力関係への期待が一層高まる訪問となりました。

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国連で地球防衛に関するサイドイベントを開催 (ウィーン)

〜 RAMSESミッションを軸にしたグローバル連携 〜
2026年6月11日、花が咲き乱れ、春の気配が残るオーストリア・ウィーン。ウィーン市内中心部から地下鉄で数駅の距離、ドナウ川を少し超えた先にあるウィーン国際センターにおいて、国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)本委員会の開催タイミングに合わせたサイドイベント「地球防衛・イン・アクション:RAMSESに関する国際協力」を欧州宇宙機関(ESA)、イタリア宇宙機関(ASI)、および国連宇宙部と協力して開催しました。

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ウィーン中心部からドナウ川を越えて国連へ。国連COPUOSには110か国が加盟。毎年2月・4月に小委員会、6月に本委員会が開催。

地球防衛分野における協力の新たな展開

JAXAとESAは2026年5月7日、地球防衛(Planetary Defense)分野における協力を強化するための協力覚書(MOC)および、小惑星アポフィス探査計画「RAMSES」ミッションに関する協力協定に署名しました。今回のサイドイベントは、この協力の節目を捉え、国際社会に向けてその意義を発信する場として企画されました。

イベントの冒頭では、海部篤在ウィーン国際機関日本政府常駐代表特命全権大使が開会挨拶を行い、地球防衛が人類共通の課題であることを強調しました。続くパネルディスカッションでは、藤本正樹ISAS所長、パウロ・マーティノESA-RAMSESプロジェクトマネージャ、ロマーナ・コフラー国連宇宙部地球防衛担当職員、テオドーロ・ヴァレンテASI総裁が登壇し、それぞれの立場から取り組みと展望を紹介しました。

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大盛況のサイドイベント。登壇者からはジョークや笑い声も。

RAMSESミッションとアポフィス接近

議論の中心となったRAMSESミッションは、2029年に地球に接近する小惑星アポフィスを対象とした国際探査計画で、2028年に打上げるべく準備を進められています。本ミッションでは、地球接近天体 の詳細探査を通じて、将来の地球防衛に資する科学的・技術的知見の獲得を目指すことを目的としています。JAXAは、RAMSES探査機に搭載する薄膜軽量太陽電池パドル(thin film lightweight Solar Array Paddle:SAP)および熱赤外センサ(Thermal Infrared Imager:TIRI)の提供に加え、H3ロケットによる打上げを通じて本ミッションに参画し、ESA/JAXA共同ミッションとしてアポフィス探査を実現します。

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パウロ・マーティノESA-RAMSESプロジェクトマネージャの発表スライド

国際枠組みとの連携強化

本イベントでは、地球防衛に関する国際的な枠組みとの連携の重要性も改めて確認されました。国連宇宙部が事務局を担う国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)および宇宙ミッション計画アドバイザリーグループ(SMPAG)は、小惑星の発見・追跡観測や衝突回避策の検討を国際協力の下で推進しています。

国連宇宙部からは、地球防衛が特定の国や機関にとどまらない、国際社会全体で取り組むべき課題であることが強調されるとともに、JAXAとESAによるRAMSES協力がこれら多国間の枠組みを補完し、強化するものであるとの認識が共有されました。

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ロマーナ・コフラー国連宇宙部地球防衛担当職員はSMPAGの事務局を担っています

国際協力モデルとしての期待

パネルディスカッションおよび質疑応答では、情報共有や共同ミッション、政策的枠組みの整備を通じた国際協力の必要性が繰り返し指摘されました。参加者は、RAMSESミッションが地球防衛分野における国際連携のモデルケースとなることへの期待を共有しました。また、2029年のアポフィス接近に向けて、科学的取組に加え、国際的なパートナーシップの構築やアウトリーチ活動の重要性も指摘されました。

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写真右:2026-2027期のUNCOPUOS議長でもあるテオドーロ・ヴァレンテASI総裁

COPUOS本委員会においても、アーティ・オラマイニ国連宇宙部長が、IAWNやSMPAGによる活動、さらにRAMSESミッションへの貢献について言及しており、地球防衛に関する国際的な関心の高まりがうかがえます。

本イベントは、宇宙科学と国際協力が密接に結びつく地球防衛分野において、今後の方向性を示す重要な機会となりました。ISAS/JAXAは、引き続き国際社会と連携しながら、人類の安全確保に資する宇宙科学ミッションを推進していきます。

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写真右上:サイドイベントの開催実現に一緒に尽力してくれたジャン・シャルル・ビゴESA東京事務所長にも感謝!

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約2週間のCOPUOS開催を受けて、国連は宇宙展示で大賑わい

(2026/07/22)