8月14日~15日に秋田県能代市にある能代ロケット実験場(実験場)にて特別公開が開催されました。

実験場特別公開は「のしろ銀河フェスティバル」の一環として平成23年から行われているイベントで「宇宙のまち」である能代市の各所(実験場、サイエンスパーク子ども館、イオン能代店、能代エナジアムパーク)で8月8日~9日及び14日~16日にわたって開催されました。

特別公開の今回のテーマは「実験場をもっと身近に」として、場内の施設紹介や様々な体験イベント、講演会などを開催しました。

【宇宙学校スペシャル】

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(左) 井元隆行イプシロンロケットプロジェクトマネージャ  (中央) 伊藤隆研究開発マネージャ  (右) 来場者からは開発課題などディープな質問

宇宙学校スペシャルでは、実験場で行っている研究開発をテーマとして、固体ロケットモータ分野(固体系)から井元隆行プロジェクトマネージャ(プロマネ)、再使用ロケット(RV-X)から伊藤隆研究開発マネージャが講演しました。

固体系の講演を行った井元プロマネからは、イプシロンロケットについて、開発の経緯や実験場での試験内容、2023年に発生した試験中の爆発の状況や打ち上げ再開に向けた取組などの説明がありました。

質疑応答では、
来場者: 固体ロケット固有の開発課題はなにか。
井元プロマネ: 液体燃料ロケットは途中で燃焼を停止させて、状況を確認することが可能だが、固体ロケットは燃焼を開始すると途中停止ができないため、燃焼中の不具合状況が再現できない点がある。
などのやりとりがありました。

続いて、RV-Xの開発を担当した伊藤隆マネージャから、RV-Xの能代での試験内容、開発段階で困難であった点や飛翔試験結果などの説明がありました。また、自身が今まで経験した観測ロケット打ち上げでの飛行安全の緊迫した経験なども語られました。

質疑応答では、
来場者: RV-Xの飛翔試験の際に上部から放出されている煙はなにか。
伊藤マネージャ: 気化した水素を放出している。液体水素や液体酸素は気化するとタンクの内圧が上昇してしまうので、一定圧力を維持するためにガス化したものを放出している。水素は上部から、酸素は側面から放出し、安全に放出している。
などの質問と回答がありました。

【南地区施設公開・水素ガス着火デモンストレーション】

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(左) 水素ガス着火デモに向けて準備中の様子  (右) 安全な場所から着火デモを実施

4月に運用を開始した実験場南地区では、我が国最大規模の液体水素を用いることができる実験施設の紹介だけでなく、水素ガス着火デモとして、安全な距離から爆発音を体感してもらう実演を行いました。

【固体系試験設備紹介・RV-X実機公開】

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(左) RV-X実機を前に開発担当者が解説  (右) 燃焼試験で行う推力測定を水ロケットで体験

固体ロケット関連エリアでは、試験施設の紹介のほか、7月に飛翔試験を実施したRV-X実機の展示や地上燃焼試験に不可欠な推力(=飛ぶ力)を水ロケット使って体験するイベントを行いました。

【液体水素系実演コーナー】

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(左) 液体窒素を使ってマイナス196度を実体験 (右) 窒素ガスを使ってペットボトルロケット操縦を体験

液体水素試験エリアでは、液体窒素や窒素ガスを用いて、極低温での物質の変化を実体験や液体窒素を利用した水ロケット打ち上げ体験、窒素ガスを利用したガスの圧力調整体験などのイベントを行いました。

【フリースロー大会】

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(左) 地面に描かれた「能代」からフリースローをする堀田選手 (右) 来場者の方々も選手と一緒にフリースロー体験

能代市は「宇宙のまち」であるとともに「バスケのまち」でもあります。

昨年度に引き続き、秋田ノーザンハピネッツから堀田尚秀選手、岩屋頼選手が来場し、来場者の方々と「スペースシュートチャレンジ~宇宙へ届け!フリースロー大会~」として、地面に描かれた日本地図の能代や相模原などのJAXA事業所からフリースローを行いました。

【運用管制体験】

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(左) エンジン担当になりきって、液体水素注入開始 (右) 管制担当として、正確なカウントダウン

毎年人気の運用管制デモは、今回はRV-Xの飛翔試験をシミュレーションしました。エンジン担当や管制担当などになりきって、臨場感ある体験を行いました。

【このほかのコンテンツ】

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(右) 宇宙科学ミッションの最新情報を紹介 (左) MMXやフォボスになりきって、MMXミッションをわかりやすく紹介

このほか、日本全国に点在するJAXAの事業所を紹介するツアーや宇宙科学ミッション紹介として、2026年度打ち上げ予定の火星衛星探査計画(MMX)の模型や11月に水星周回軌道投入予定の水星磁気圏探査機(みお)などの紹介パネルが展示を行いました。

また、サイエンスパーク子ども館では出張企画として、「速く向かってそ~っと帰って!MMXサンプルリターンリレー」を行い、MMXが目指す火星衛星「フォボス」からのサンプルリターンをボールリレーで楽しく学びました。

【まとめ】

市街地から離れた場所にある実験場であるにも関わらず、2日間合計で約600人の方にお越しいただきました。来場されたお子さんも体験イベント中心のコンテンツに楽しく参加いただけたようです。

ここでしか聞くことができない現場での人間味溢れる話など、宇宙に興味のある方々にも聞き応えのある講演になったと思っています。

筑波宇宙センターなど大きな事業所での特別公開とは雰囲気が異なる、じっくり、ゆったりと体験や交流ができる宇宙とバスケの町にある能代ロケット実験場特別公開に次回来場をお待ちしています。

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(2026/08/26)