初夏の風に誘われて、宇宙への一歩を踏み出そう!
梅雨入り前のさわやかな青空が広がった6月最初の週末。
大阪・関西万博にあるスイスパビリオンでは、スイス・ベルン大学とJAXAとの特別イベント「月から彗星へ、宇宙をおさんぽ!」が開催されました。
家族連れから宇宙ファンまで、幅広い層の来場者が集まりました。ベルン大学をはじめ、東京大学、京都産業大学、JAXA宇宙科学研究所の研究者が一堂に会し、来場者と一緒に宇宙の不思議を探る一日となりました。
大阪・関西万博 スイスパビリオン
宇宙探査の最前線を知る特別トーク
イベントの冒頭にはトークセッションが開催されました。
~スイスと日本、国境を越えた宇宙協力~
スイス・ベルン大学からマーティン・ルービン博士が来日。JAXAとの共同ミッションにおける国際連携の重要性が語られ、1969年アポロ11号のベルン大学実験の紹介から、最新の長周期彗星探査計画「コメット・インターセプター」計画まで、スイスの宇宙探査の歴史と未来が語られました。
ベルン大学/コメット・インターセプター 質量分析計「MANiaC」研究主宰者マーティン・ルービン氏のトークセッションに熱心に耳を傾ける参加者
京都産業大学 河北 秀世教授からは、彗星の基本的な構造や成り立ちについての説明、長周期彗星探査計画「コメット・インターセプター」が彗星がやってくるのを宇宙で待ち伏せして実施するとてもユニークな探査機であること、等の説明がありました。
京都産業大学 理学部 宇宙物理・気象学科 教授/コメット・インターセプター サイエンスリード 河北 秀世氏
藤本所長からは、ESAとJAXAの国際協力ミッションや、長周期彗星探査計画 「コメット・インターセプター」の開発経緯等を紹介しつつ、JAXAが取り組んでいる「地球防衛」(プラネタリーディフェンス)との関係など、冗談を交えつつ語り、会場は笑いに包まれていました。
小型月着陸実証機(SLIM)を紹介する藤本所長
30分余りのスペシャルなトークセッションの後、参加者の皆さんにはワークショップを体験して、彗星の仕組みやJAXAの惑星探査計画等の理解を深めていただきました。
彗星ってなに? つくって、さわって、学べるワークショップ
本物そっくりの彗星をつくるワークショップ。ドライアイス、水、塵、そしてなんと"醤油"を使って、彗星の構造について学びました。彗星の研究者から手ほどきを受けながら、彗星の構造を楽しく学びました。
マーティン・ルービン氏みずからも参加者とともに彗星づくりをレクチャー。
マーティン・ルービン氏からの直接の指導に、参加者は真剣なまなざしで耳を傾けていました。
VRで月面を探検!変形型ロボットSORA-Qも大人気
JAXAが開発した変形型月面ロボット「SORA-Q(ソラキュー)」の操作体験も大盛況!
球体から変形し、走行・撮影する月面ロボットに、子どもも大人も夢中になりました。
さらに、VRゴーグルを装着して月面を歩く没入体験では、「まるで宇宙飛行士みたい!」との声もあがりました。
障害物を避けながらSORA-Qを操縦。月面に着陸した小型月着陸実証機SLIMの写真を撮影するミッションに挑戦!
SORA-Qはタブレットで操作。
VRで月面体験をする参加者。月面にある探査機を目の前で見ているような体験ができました。
直接、研究者に話を聞ける貴重な90分のイベントに、参加した方々から活発に質問が飛び交い、研究者との距離が研究者との距離がぐっと縮まる時間となりました。
「研究者の話を直接聞けて刺激になった」、「SORA-Qが可愛くて、操作も楽しかった」などの声も聞かれ、親子連れから学生、研究者志望の若者まで、多くの来場者が宇宙に一歩近づいた一日となりました。
(2025/06/27)