JAXAが主導する日欧米協同の火星衛星探査計画MMXの、第9回となるサイエンス会議が11/18-20に開催されました。開催地はアメリカ東海岸のメリーランド州にある、ジョンズ・ホプキンズ大学応用物理学研究所(Applied Physics Laboratory; APL)で、初となるアメリカ開催です。世界中から、150人以上の科学者・MMX関係者が集まりました(オンライン含む)。APLはMMXに搭載される、ガンマ線・中性子線分光計(MEGANE)を開発している研究所です。

会場のAPLのローレルキャンパス。少し北のニューヨークでは初雪が観測され、東海岸の朝は寒々としていました。

会場建物内ではAPLが提案・開発した、NASAの土星衛星タイタン探査計画の着陸探査機ドラゴンフライの1/2スケールモデルが、クリスマスツリーをバックに飾られていました。

サイエンス会議では、MMXの運用・計画ワーキングチームおよび、各観測機器チーム、そして5つのサイエンスワーキングチームから進捗状況の報告がありました。また、APLの近くに位置するNASAゴダードスペースフライトセンターの参加者から、OSIRIS-RExミッションで得られた小惑星Bennu試料に関する最新の知見の講演もありました。MMXも、はやぶさ、はやぶさ2、OSIRIS-RExと同様に宇宙からサンプルを持ち帰るミッションであることから、過去のミッションで蓄積されてきた多くの知見を活用することの重要性が語られていました。

とある日のランチの様子。話題は、フォボスの起源といったサイエンスのみならず、お気に入りのジブリ映画から次のサッカーワールドカップ、そして飼っているペットまで広がりました。MEGANEの主任研究者であるDavid Lawrenceさんは、ペットとしてヤギを2頭(!)とニワトリを20羽(!)飼っているとのことでした。

最終日の夜は、サイエンス会議をホストしてくれたAPLのDavid Lawrenceさんがホームパーティに招いてくださり、ペットのヤギにも会えました。ご家族総出のあたたかいおもてなしに感謝いたします。
筆者はMMXサイエンス会議の第6回から参加していますが、回を経るごとに探査機および搭載科学ミッション機器の完成度が向上し、着実に運用計画が具体化していく様子を目の当たりにしてきました。2026年度打ち上げまで残り一年を切り、開発メンバーはもちろん、科学者の参加者の間にも「いよいよ」という期待感が高まってきていることが、コーヒーブレイクでの立ち話など端々から感じられたのは対面で参加できたことの収穫のひとつです。この会議の翌週にはサンクスギビング休暇、そしてその後はクリスマスが控えており、空港は休暇ムードでしたが、MMXは今後もたゆまずに打ち上げまで必要なスケジュールをこなしていく計画になっています。今後の続報に、ぜひご期待ください!
(2025/12/12)
