8月17・18日、のしろ銀河フェスティヴァルのコンテンツのひとつとして能代実験場の特別公開が開催され、ISASメンバーも支援に駆けつけました。

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真夏の能代です。本州北端に近いのですが涼しくなかったです。台風がどうなるか、ちょっと心配でした。

風力発電はエネルギーの町・能代の象徴ですが、実験場も液体水素技術の発展を支える役割を通じて能代のブランディングに貢献し、いつもお世話になっていることへのお返しをしたいと考えます。

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まずは宇宙学校の1時限目、(ISASメンバーでもある)能代実験場長・小林による「水素と未来の宇宙ロケット」で、環境にもやさしい水素ロケットの話。質問はブラックホールから宇宙人まで幅広く、ISASメンバー全員で全力対応。

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宇宙学校の2時限目「SLIMってそういうことだったのね」にはSLIMの成功を支えた伊藤琢博と道上啓亮が登壇して本音トークを展開、月ピンポイント着陸を成功させたSLIMとは推進系のミッションであったのだと語りました。「燃費が良いこと。念のために多めに燃料を持って行くこと。どちらも正しいこと。が、どちらもアリだと、着陸の時に機体が重すぎて脚がもたないかもしれない。」 そういうことに苦労していたのね。

吉光センセーだったら、SLIMは小型ロボットが大活躍したミッションだったと語ったのでしょう。実際、昨年の銀河フェスティヴァルでは、小型ロボットLEV-1の試験モデルを能代子ども館に持ち込んでデモしたのでした。

宇宙学校の後には、SORA-Qの操縦体験会を開催しました。タカラトミーさん、ご協力ありがとうございます。

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メインパイロットはSORA-Q搭載カメラの画像が映る画面を見て操縦してください。
お父さんは全体の様子を俯瞰してパイロットにアドヴァイスすることでサポートしてください。

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障害物を避けながら奥にあるSLIM模型の近くまで行き、SLIMのカッコいい写真を撮ってね。

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おおっ!上手に操縦して良いポジションとカメラ・アングルを確保することができました。

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なので、カッコいいSLIMの姿を撮影することができました。

なお、SORA-Q操縦会場の背景に使っている月面タぺストリーは、実際にSLIMの画像航法カメラの試験に使ったものです。壁には宇宙イラストレータthgraceさんの作品が掲示されています。

能代実験場特別公開の一部の様子は、村上豪チームが能代に駆けつけてオンライン配信しました。

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簡易スタジオをセットアップ中の村上豪・配信チーム長。

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絶景を背景にスタートした能代ロケット実験場特別公開のライブ配信。能代ロケット実験場の現地でこそ体験できるミニミニ宇宙実験の様子をライブで配信しました。ロケットエンジン燃焼試験の模擬運用体験や水素着火実験など、緊張感たっぷりの様子もYouTubeで感じとることができます。

8月18日、のしろ銀河フェスティヴァルに参加する能代市子ども館プラネタリウムでの講演会にSLIMメンバーが登壇、講演会後にSORA-Q操縦体験会を開催しました。つまり、昨年はLEV-1、今年はLEV-2が参上したということです。

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まるでカフェでの対談のような雰囲気での、SLIMメンバーによる本音トーク。道上は、宇宙の仕事をしたくて高校の途中から勉強にマジ取り組み始めたらしいです。伊藤は、細かいことにも気づく性格からの丁寧な仕事が彼のSLIMへの最大の貢献だったと語りました。

投影されている画像は宇宙イラストレータthgraceさんによるSLIM解説。

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「こちらは板張りの床なので、実験場での絨毯の場合よりも滑りが大きい」とのコメントもありました。実際、両会場ともに来ていただいた方を何名もお見掛けしました。講演会は対談形式で内容はその場の雰囲気で変えたし、ローヴァー走行条件も異なっていたので、二日続けて同じことで退屈だったということは無かったかと。

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能代市子ども館館長の千羽さんと。JAXA相模原キャンパス交流棟にあったRVTは、生まれ故郷の能代で大事にされています。

(2024/08/22)