7月20日、ロケット実験場の所在地である秋田県能代で第3回液体水素シンポジウムが開催されました。能代ロケット実験場は、液体水素に関する実験が思いっ切り実施できる場所としての拡張計画も含め、新しい展開を見せつつあります。液体水素技術を活用して社会を変えていく力を生み出すために、技術開発を支える実験を行い関連する知見を共有する場を提供する方向性を見据えて、今後は実験場を運営していきます。この展開を共に作り出すことに参加していただけるであろう方々に、2月に東大で開催したものがたいへん好評だったことを受けて半年と間を置かずに、集まっていただきました。これに併せて、能代開催ならではの、実験場を実際に視察していただく機会も設けました。
19日 液体水素利用シンポジウム前日の個別相談会
シンポジウムの前日に、実験場のスタッフによる企業向けの個別相談会を実施しました。個別相談会に参加した国内外14社から、今後の実験場利用における様々な要望をお伺いすることができました。
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20日午前 実験場の団体見学会
200名を超えるシンポジウム参加者向けに、実験場の団体見学会を開催しました。参加された皆様は、実験場各所の試験設備と企業成果ポスターを見ながら、実験場スタッフに熱心に質問されていました。また、希望される方々向けに、実験場拡張予定エリアの視察ツアーも実施しました。
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20日午後 シンポジウム
実験場長からの新しい展開への覚悟が示された後に、秋田県、能代市の実務担当者から地元自治体における関連構想の説明がなされました。パネル討論では「液体水素をキーワードに能代でやっていきたいこと」という議論が産官学の実務者レヴェルでなされた後に、それらのボスにあたる方々から「水素能代での産官学連携の在り方」に関するコメントが出されました。特に、秋田県・能代市がどうあってほしいかということと水素能代を推してこととの整合性が確認できたことはよかったと思います。さらに、大樹町でスペースポートを運営される方からの応援コメント、秋田大の人材育成活動において水素能代を活用していくことへのコメントもありました。
シンポジウム後には地元企業が保有する技術を説明するポスター展示がありました。能代実験場の利用中に何かの対策を施す必要が生じた際には、地元業者に依頼することができればサイクル速く回すことができます。能代へのアクセスに手間がややかかることのデメリットを消し、能代にある実験場ならではの特長、すなわち、思いっ切り実験を行う環境を享受することができます。
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能代市のご協力により、水素シンポジウムは能代花火大会と同じ日に開催することができました。さらに、市が管理する元料亭「金勇」において、木都能代ならではの雰囲気に包まれつつ、主要関係者が昼食を取りつつ交流する機会を作っていただきました。
(2024/07/30)
(秋田空港にて)