「入感!」
豪州の回収班から発せられたこの短い一言が管制室に響いた瞬間、カプセルが所定の機能を果たしてミッションの成功に至ったことを確信し、喜びと安堵の気持ちで飛び上がりました。多くの人々に応援を受けた前人未踏のミッションの最後の関門にてバトンを渡されることの重圧は、帰還の日が近づくにつれ日増しに大きくなり、本当に苦しい思いもしましたが、相模原でカプセルと6年ぶりに対面した際には、この仕事に携われた喜びを噛みしめることができました(カプセル担当の特権!)。帰還したカプセルは、6年間52億キロの旅の末、秒速12 kmの超高速で大気圏に再突入、表面温度が約3000℃に達するような過酷な環境に晒されながら、その内部は打上げ前と見分けが付かないくらい綺麗で、サンプルをしっかり守ってくれたことに本当に感動しました。皆様にもぜひご覧いただきたいと思っています。