軌道決定チームの任務は、地上パラボラアンテナによる電波計測で「はやぶさ2」の軌道を正確に把握し、カプセルを豪州に向けて正確に誘導する事でした。JAXAの軌道決定チーム、定常運用をサポート頂いている富士通チーム、NASA/JPLの Shadownavigationチームの3者が各々独立に開発した3つの異なるソフトウェアで計算した軌道を比較しあう事により、リスクを最小とする体制をとりました。解に僅かな差異があった場合には原因を探るために三者でとことん議論を尽くし一つの解を選択しました。地球から1,700万km離れた10月22日の第1回軌道調整(TCM-1)の時点で数km程度あった軌道決定誤差は、地球に近づくにつれ小さくなり、11月30日の最終軌道決定解に基づいて実施された最終軌道調整(TCM- 4)の結果、予定されたリエントリ点(カプセルが地上からの高度200kmに到達した時の位置)から僅か120mの地点にカプセルをリエントリさせる事ができました。