運用終了科学衛星「しんせい」

「しんせい」は、電離層、宇宙線、短波帯太陽雑音などの観測を目的として1971年に打上げられた、日本初の科学衛星である。搭載された3つの観測器は南米大陸付近の異常な電離を見出すなど多数の科学的成果をもたらした。

電波観測衛星「でんぱ」 試験衛星「たんせい」

「しんせい」は、電離層、宇宙線、短波帯太陽雑音などの観測を目的として1971年に打上げられた、日本初の科学衛星です。搭載された3つの観測器は南米大陸付近の異常な電離を見出しました。太陽電波観測では短波帯の太陽電波の発生機構を明らかにし、宇宙観測装置も中南米地帯での異常カウントを見出すなど、多数の科学的成果をもたらしました。

機体データ

名称(打上げ前) しんせい(MS-F2)
国際標識番号 1971-080A
開発の目的と役割 電離層、宇宙線、短波帯太陽雑音などの観測
打上げ日時 1971年9月28日 13時00分
場所 鹿児島宇宙空間観測所(内之浦)
ロケット M-4Sロケット3号機
質量 66kg
形状 直径75cmの球に内接する26面体
軌道高度 近地点870km 遠地点1870km
軌道傾斜度 32度
軌道種類 楕円軌道
軌道周期 113分
主要ミッション機器 ・短波帯太陽電波観測器(RN)
・宇宙線観測器(CR)
・電離層プラズマ観測器(ID)
・地磁気姿勢系(GAS)
・衛星内部環境計測器(HK)
・テレメータ送信機(TM-SA)
・データレコーダ(DR)
・コマンド受信機(CM-SA)
・電源(PS)
・衛星タイマ(MS-SA)
・ニューテーション・ダンパ(ND)
運用停止日 1973年6月
運用 軌道に投入された衛星は、内之浦での受信で電離層プラズマ・プローブの展開、太陽電波アンテナの伸展およびニューテーション・ダンパの作動を確認後、運用に入った。電子温度プローブが開頭直後に損傷し、第40周頃からCRのガイガーカウンターの一つが不調になったが、その他の機器は正常に作動した。
観測成果 搭載された3つの観測器は南米大陸付近の異常な電離を見出し、太陽電波観測では短波帯の太陽電波の発生機構を明らかにし、宇宙観測装置も中南米地帯での異常カウントを見出した。