運用終了試験衛星「たんせい」

「たんせい」は、M-4Sロケットの性能確認、軌道投入後の宇宙環境の研究および衛星の性能試験を目的として、1971年に鹿児島宇宙空間観測所から打上げられた試験衛星である。ロケット、衛星双方とも、豊富な資料を入手することに成功した。

科学衛星「しんせい」 人工衛星「おおすみ」

「たんせい」は、M-4Sロケットの性能確認、軌道投入後の宇宙環境の研究および衛星の性能試験を目的として、1971年に鹿児島宇宙空間観測所から打上げられた試験衛星です。
打上げ後第1周の受信が14時50分40秒から15時9分12秒の間に行われ、軌道に乗ったことが確認されました。その後、内之浦での観測は2月23日15時(第96周)まで実施できました。この間、太陽電池の性能を計測する機器以外の搭載各機器はいずれも正常に作動、37回行ったデータレコーダの再生データから、衛星各部の温度、電源電圧・電流、衛星の姿勢やスピンの状態など、豊富な資料が入手できました。テレメータ、コマンド系の試験も良好に行われました。解析の結果、衛星内部の温度、環境がほぼ予測通りの良好な状態に保たれ、姿勢も安定していたことが確認されました。

機体データ

名称(打上げ前) たんせい(MS-T1)
国際標識番号 1971-11A
開発の目的と役割 M-4Sロケットの性能確認、軌道投入後の宇宙環境の研究および衛星の性能試験
打上げ日時 1971年2月16日 13時00分
場所 鹿児島宇宙空間観測所(内之浦)
ロケット M-4Sロケット2号機
質量 63kg
形状 直径約75cmの球に内接する26面体
軌道高度 990km~1100km
軌道傾斜度 30度
軌道種類 略円軌道
軌道周期 106分
主要ミッション機器 ・テレメータ送信機
・コマンド受信機とデコーダ
・磁気テープ方式データレコーダ等
・衛星表面に6個の反射鏡を備える
・電源として酸化銀-亜鉛電池を搭載
運用停止日 1971年2月23日
運用 打上げ後第1周の受信が14時50分40秒から15時9分12秒の間に行われ、軌道に乗ったことが確認された。その後、内之浦での観測は2月23日15時(第96周)まで実施できた。この間、太陽電池の性能を計測する機器以外の搭載各機器はいずれも正常に作動、37回行ったデータレコーダの再生データから、衛星各部の温度、電源電圧・電流、衛星の姿勢やスピンの状態など、豊富な資料が入手できた。テレメータ、コマンド系の試験も良好に行われた。解析の結果、衛星内部の温度、環境がほぼ予測通りの良好な状態に保たれ、姿勢も安定していたことが確認された。