運用終了回収型衛星 EXPRESS

EXPRESSは、機動的・主体的な宇宙環境利用実験の実施機会を確保し、宇宙環境の産業利用のための技術開発、軌道再投入や回収技術の修得を目的として打上げられた回収型衛星である。予定軌道に乗せることができず、地球3周目で落下した。

宇宙実験・観測フリーフライヤ SFU X線天文衛星「あすか」

EXPRESSは、機動的、主体的な宇宙環境利用実験の実施機会を確保し、宇宙環境の産業利用のための技術開発、軌道再投入や回収技術の修得を目的として打上げられた回収型衛星です。ロケット2段目の不具合のため、予定軌道に乗せることができず、衛星は地球3周目で落下しました。10ヶ月後にアフリカのガーナに落下していることが確認されたため、回収後の解析により、カプセルの耐熱性能や搭載機器の健全性、飛行結果についてのデータを得ることができました。

名称(打上げ前) EXPRESS
開発の目的と役割 ・機動的、主体的な宇宙環境利用実験の実施機会の確保
・宇宙環境の産業利用促進のための技術開発
・軌道再突入、回収技術の習得
打上げ日時 1995年1月15日 22時45分
場所 鹿児島宇宙空間観測所(内之浦)
ロケット M-3SIIロケット8号機
質量 770kg
形状 全長2.2m 直径1m(リエントリーモジュール・サービスモジュール結合時)
軌道離脱用の固体ロケット含む
軌道高度 近地点210km 遠地点400km(予定)
軌道傾斜角 31度(予定)
軌道種類 楕円軌道
軌道周期 90分(予定)
主要ミッション機器 触媒創製実験(CATEX)のための加熱炉等
運用停止日 1995年1月15日
落下日 1995年1月16日
運用 軌道投入後、石油精製用の触媒創製実験を5日間実施し、その約10時間後に固体ロケットモータに点火、リエントリーモジュールが地球周回軌道を離脱して回収される計画であったが、ロケット2段目の不具合のため予定軌道に乗せられず、衛星は地球3周目で落下した。10ヵ月後アフリカのガーナに落下していることが確認され、回収された。(写真:回収された衛星)
回収後の解析により、カプセルの耐熱性能や搭載機器の健全性、飛行結果についてのデータを得ることができた。