ベルンの「日本祭り」にJAXA・ベルン大学が参加
2026年9月12~13日、スイス・ベルン歴史博物館において「Nihon Matsuri - Japan Festival」が開催されました。ベルン歴史博物館が主催する本イベントには、ベルン大学とJAXAも共同で参加し、宇宙科学や宇宙探査を紹介するブース展示や講演を行いました。
今回の参加は、2025年の大阪・関西万博や、2026年6月にベルン大学で開催した火星衛星探査計画(MMX)国際アウトリーチ連携イベントなどを通じて深まってきた、ベルン大学とJAXAの交流の延長線上にあるものです。

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宇宙科学を通じて広がる日本とスイスの交流
会場では、飯島俊郎在スイス日本国大使ご夫妻と藤本正樹 ISAS所長が言葉を交わし、JAXAの宇宙科学や、打上げを約1か月後に控えた火星衛星探査計画(MMX)について話題が及びました。大使ご夫妻からはMMXへの高い関心と期待が寄せられ、さらに、宇宙科学を通じた日本とスイスの今後の連携についても話題が広がりました。
また、2025年の大阪・関西万博でベルン大学とJAXAの交流に大きく関わった、元在日スイス領事・Swissnex in Japan CEOで、現在はスイス連邦教育・研究・イノベーション庁(SERI)の科学顧問を務めるFelix Moesner氏も、ご夫妻で来場されました。万博をきっかけに生まれた交流が、その後のベルン大学との連携、そして今回のJapan Festivalへとつながっていることを感じる機会となりました。

左上:Moesner氏ご夫妻(左から2・3人目)、右上:藤本ISAS所長とMoesner氏、左下:(左から)藤本所長、小嶋智子ISAS/JAXA主任研究開発員、飯島大使、Raphael Marschallベルン大学教授、桜井博之在スイス日本国大使館一等書記官、右下:飯島大使ご夫妻の見学
日本とスイスの宇宙科学を紹介
午後には講堂において、「JAXA's Way of Space Research」と題した講演が行われました。
飯島大使によるご挨拶に続き、ベルン大学のMarschall教授から、日本とスイスが関わるさまざまな宇宙ミッションについて紹介が行われました。MMXや長周期彗星探査計画 Comet Interceptorなどを例に、ベルン大学とJAXAをはじめとする日本との宇宙科学分野でのつながりが紹介されました。
続いて、藤本所長がJAXAの宇宙科学について講演しました。講演では、日本と欧州が協力して進める宇宙科学ミッションや、地球接近小惑星アポフィス探査計画 RAMSESをはじめとする国際協力の取り組みを紹介するとともに、ベルン大学との連携についても触れました。

左上:飯島大使によるご挨拶、右上: Marschall教授によるスイスと日本が関わる宇宙ミッションの紹介、左下:藤本所長による講演、右下:会場入口階段まで人が溢れるほど大盛況だった会場
宇宙を身近に!ベルン大学×JAXAブース
屋外のMuseum Parkには、ベルン大学とJAXAによる共同ブースが設けられました。
ブースでは、MMX探査機の模型をはじめ、RAMSESやComet Interceptorなど、日本とベルン大学が関わる宇宙ミッションを紹介。ベルン大学の研究者やPhD学生が来場者に研究やミッションについて熱心に説明しました。
さらに、身近な材料を使って科学を体験するKitchen Scienceの実験など、子どもから大人まで楽しみながら科学に触れることのできる企画も行われました。
ブースでは、本物の隕石試料も展示されました。実物の隕石を間近で観察できる展示には多くの来場者が足を止め、研究者の説明に熱心に耳を傾ける姿が見られました。隕石は貴重な地球外物質ですが、地球に落下した後は大気や水など、地球環境の影響を受けています。一方、探査機によって地球へ持ち帰られるリターンサンプルは、地球由来の汚染を避けた状態で回収・管理することが基本です。ブースでは、リターンサンプルの科学的価値を損なわないよう、JAXAのキュレーションでは汚染管理を最優先に試料を取り扱っていることも紹介しました。本物の隕石を実際に目にしながら、隕石とリターンサンプルの違いや、宇宙から試料を持ち帰って研究するサンプルリターンミッションの意義について知ってもらう機会にもなりました。
そして、JAXAが次に挑むサンプルリターンミッションが、火星衛星フォボスからの試料帰還を目指すMMXです。打上げを約1か月後に控えたこの日、MMXへの関心も高く、多くの来場者がミッションの説明に耳を傾けていました。遠く離れたスイスでも、MMXの打上げを楽しみにし、応援する雰囲気が感じられました。

ベルンで日本文化を楽しむ一日
Japan Festivalの会場では、宇宙科学だけでなく、さまざまな日本文化を楽しむ企画が行われました。
在スイスの日本人や日本文化に関心を持つ多くの来場者で賑わい、けん玉やお箸を使ったゲームなどの体験コーナーのほか、おにぎり、ラーメン、和菓子、メロンパンなど、日本食の屋台も並びました。
屋外では、剣道や武道、日本のポップミュージックや三線の演奏なども披露され、一日の最後には盆踊りも開催されました。親子そろって浴衣姿で参加する来場者の姿もあり、その名の通り「日本祭り」を楽しむ賑やかな一日となりました。
当日は天候にも恵まれ、会場からは遠くアルプスの山並みを望むことができました。芝生の上で日本食を楽しみながらくつろぐ人々の姿も多く見られ、ベルンの美しい景色と日本のお祭りが一緒になった、印象的な光景が広がっていました。

ベルン大学とJAXA、次の交流へ
2025年の大阪・関西万博をきっかけに深まったベルン大学とJAXAの交流は、研究者間の協力だけでなく、宇宙科学の魅力を社会へ伝えるアウトリーチ活動にも広がっています。
今回のJapan Festivalでは、宇宙科学に普段接する機会の少ない一般の来場者にも、MMXをはじめとするJAXAの宇宙科学や、日本とスイス・欧州との宇宙分野での協力を紹介することができました。
そして、いよいよ約1か月後にはMMXの打上げを迎えます。ベルンで出会った多くの方々から寄せられた期待とともに、MMXの新たな旅が始まります。

飯島大使とベルン大学アウトリーチチームの皆さんとともに
ベルン大学 Center for Space and Habitability(CSH)によるイベントレポート(英語のみ):UNIBE & JAXA @ Nihon Matsuri: The Grand Japan Festival 2026
写真:A. Schneeberger、S. Krummenacher、小嶋智子
(2026/10/16)
