10月6日(日)、相模原キャンパス宇宙科学探査交流棟でプラネタリーディフェンス(惑星防衛)についてISASメンバーによるトークショーを開催しました。
ライブ配信アーカイブ:https://www.youtube.com/live/EFxj1FRbdMo
イベント概要:https://www.isas.jaxa.jp/outreach/events/003825.html
国際的に期待されている役割を果たすため2024年4月に発足したJAXAプラネタリーディフェンスチームの活動や、現状分析を報告。
いかに早く、危険天体を検出し、衝突回避の対応を取れるか。
来場&オンラインで参加のお客様は地球接近天体の発見や観測、地球衝突回避策等についての知見があり、人類が滅亡するような小惑星の地球衝突の危機が迫ってはいないことをご存じでありつつ、JAXAでプラネタリーディフェンスチーム活動を盛り上げていくことへのご理解はいただけたと思います。
タカラトミーアーツさんの協力で「こてつくん」も "ちょっくら、プラネタリーディフェンス!" を開始
画像提供:タカラトミーアーツ
https://x.com/spacekotetsukun
2029年4月の13日の金曜日(UTC)に地球近傍に飛来する直径340m小惑星アポフィス(Apophis)。
地球に衝突する危険性は極めて少ないものの、地球のすぐ近く、静止衛星の内側を通過するアポフィスには、プラネタリーディフェンス観点からの注目が集まります。プラネタリーディフェンスでは、必要となればその軌道を変えることになる相手を知ることが大事。アポフィスにランデヴーし、その最接近時前後で継続して観測を行うことでアポフィスの内部構造を知ることが可能です。この知見は、いわば宇宙が用意してくれた実験のデータをちゃんと取得することで獲得するもの、この機会を活用しないと獲得できないものであり、このチャンスを逃すべきではないことを語ります。JAXAでは欧米と連携して探査機によるアポフィス観測を実現することを模索すると同時に、これを契機にプラネタリーディフェンスのための地上観測網を充実させることも考えます。
トークイベントでも紹介した動画の紹介
隕石の衝突回避方法 プラネタリーディフェンス
https://www.youtube.com/watch?v=JnhbLYXCsbo
トークイベントでも紹介した探査機の紹介
<Hera>
ISASが熱赤外カメラの提供や科学研究で参加するESA (欧州宇宙機関) の地球接近二重小惑星の探査計画。NASA のDART計画と連携してプラネタリーディフェンスの技術実証を行うとともに、惑星の形成・進化の過程の理解に迫ることを目指しています。(打上げ予定(ウィンドウ)は10月7日から10月27日)。
Hera
https://hera.isas.jaxa.jp/wp-hera/
Hera探査機は、2024年10月7日23:52 JST(10:52 ET)にケープカナベラル宇宙軍基地Pad 40からFalcon 9ロケットによって打ち上げられました!!
Heraサイエンスチームや関係者は、射点から10kmほど離れたケネディ宇宙センターのバナナクリーク打上観測場所から打ち上げを見守りました。当日の朝に振っていた雨と風は時間とともに弱まり、予定通りに打ち上げが行われました。射点が明るくなったと同時にFalcon 9が上昇していき、30秒ほどで雲の中に消え、遅れて轟音が会場に響き渡りました。現地の大型エキシビジョンに表示されたYoutube画像で第一段切り離し、フェアリング開頭を見届けた後は、多くのHera関係者が互いに抱き合って喜びを表現していました。
打ち上げ日10/7の朝は、横殴りの雨と風が吹いていました。
打ち上げ1時間前には雨と風が弱まり、観覧席には多くのゲストが集まりました。
上昇するFalcon 9ロケット(スクリーン左側の輝点)
打上げ直後の会場は、大勢のHera関係者が喜びを分かち合っていました。
打上げ成功を喜ぶHera所内プロジェクトチームメンバー
Hera 打上げ時には、YouTube相模原チャンネルでトークライブを実施しました。
https://www.youtube.com/watch?v=jWpPbRe0xXA
<はやぶさ2拡張ミッション>
はやぶさ2は2026年7月「トリフネ」と名付けられた小惑星2001 CC21の近接高速フライバイ観測を行います。
はやぶさ2拡張ミッション
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/
2001 CC21 命名キャンペーン 「子ども選定委員」の皆さんとの記念写真
(はやぶさ2拡張ミッションサイト トピックス:「小惑星2001 CC21の名前が「トリフネ」と決まりました」より)
<DESTINY⁺>
DESTINY⁺はふたご座流星群母天体である小惑星(3200) Phaethon(フェートン)を高速フライバイ探査予定。
探査機を正確な軌道でフライバイさせる技術を取得することは、探査機を小天体に衝突させてその天体の軌道を変更する技術に繋がります。
DESTINY⁺
https://www.isas.jaxa.jp/missions/spacecraft/developing/destiny_plus.html
DESTINY⁺チームは、オートバイを使ってDESTINY⁺の高速フライバイ探査のイメージを再現しています。
https://www.youtube.com/watch?v=gmN7VXgPM68
(「高速フライバイ中の小天体を逃さない、それがDESTINY⁺」 そりゃムズカシイと思ったら流石DESTINY⁺チーム)
トークショー後の質問や研究者への囲み取材(サイン会?)も反響が大きく、宇宙科学探査交流棟の閉館予定時間を延長するほどでした。
ご来場、ご視聴の皆様、タカラトミーアーツさん、ご協力ありがとうございました。
強力な若手(っぽい人も含む)スタッフ一同
(2024/10/07)