運用終了太陽観測衛星「ひのとり」

太陽観測衛星「ひのとり」は、太陽硬X線フレアの2次元像、太陽粒子線、X線バーストなどの観測を目的として、太陽フレアX線観測器(SXT)など8つの機器を搭載し、1981年に内之浦宇宙空間観測所から打上げられた観測衛星である。

X線天文衛星「てんま」 試験衛星「たんせい4」

国際的な太陽活動極大期観測プロジェクトに観測データを提供する役目もあった「ひのとり」は、定常観測体制に入った初日に、早くも大きな太陽フレアをとらえ、その後の1ヵ月間に大小41例のフレアをとらえることに成功しました。こうしたX線観測によって、5000万度もの超高温が発生することや、コロナに浮かぶ光速電子の雲などを発見することができました。

機体データ

名称(打上げ前) ひのとり(ASTRO-A)
国際標識番号 1981-017A
開発の目的と役割 太陽硬X線フレアの2次元像、太陽粒子線、X線バーストなどの観測
打上げ日時 1981年2月21日 9時30分
場所 鹿児島宇宙空間観測所(内之浦)
ロケット M-3Sロケット2号機
質量 188kg
形状 対面距離92.8cm、高さ81.5cmの八角柱型
4枚の太陽電池パドルを備える
軌道高度 近地点576km 遠地点644km
軌道傾斜度 31度
軌道種類 略円軌道
軌道周期 97分
主要ミッション機器 ・太陽フレアX線像観測器(SXT)
・太陽軟X線輝線スペクトル観測器(SOX)
・太陽軟X線観測器(HXM)
・太陽フレアモニター(FLM)
・太陽ガンマ線観測器(SGR)
・粒子線モニター(PXM)
・プラズマ電子密度測定器(IMP)
・プラズマ電子温度測定器(TEL)
運用停止日 1991年7月11日
落下日 1991年7月11日
観測成果 国際的な太陽活動極大期観測プロジェクトに観測データを提供する役目もあった「ひのとり」は、定常観測体制に入った初日に、早くも大きな太陽フレアをとらえ、その後の1ヵ月間に大小41例のフレアをとらえることに成功した。こうしたX線観測によって、5000万度もの超高温が発生することや、コロナに浮かぶ光速電子の雲などを発見することができた。