運用終了X線天文衛星「ぎんが」

X線天文衛星「ぎんが」は、ブラックホール・中性子星・超新星・活動銀河核・ガンマ線バーストなどの宇宙X線源の観測を目的とした衛星である。運用中、4世紀ぶりに現れた大マゼラン雲に超新星が出現し、その超新星の出す宇宙X線の観測に成功した。

磁気圏観測衛星「あけぼの」 ハレー彗星探査機「すいせい」

X線天文衛星「ぎんが」は、ブラックホール・中性子星・超新星・活動銀河核・ガンマ線バーストなどの宇宙X線源の観測を目的とした衛星です。1987年に打上げられ、打上げ後の2月23日、4世紀ぶりに大マゼラン雲に超新星が出現、8月にこの超新星が出す宇宙X線の観測に成功しました。また、超新星残骸、暗黒星雲内部の高温プラズマ、連星で発生したフレア、セイファート銀河中心核の変動、クエーサーのスペクトルなどを観測・発見しました。

機体データ

名称(打上げ前) ぎんが(ASTRO-C)
国際標識番号 1987-012A
開発の目的と役割 ブラックホール・中性子星・超新星・活動銀河核・ガンマ線バーストなどの宇宙X線源の観測
打上げ日時 1987年2月5日 15時30分
場所 鹿児島宇宙空間観測所(内之浦)
ロケット M-3SIIロケット3号機
質量 420kg
形状 1m×1m×1.5mの直方体
4枚の太陽電池パドルを備える
軌道高度 近地点530km 遠地点595km
軌道傾斜角 31度
軌道種類 略円軌道
軌道周期 96分
主要ミッション機器 ・大面積比例計数管(LAC)
・全天モニタ(ASM)
・ガンマ線バースト検出器(GBD)
(LACは英国レスター大学、GBDは米国ロスアラモス研究所との国際協力により開発)
運用停止日 1991年11月1日
落下日 1991年11月1日
運用 当初は搭載された星姿勢計(スターセンサー)による自動姿勢制御を行う計画であったが、軌道上での恒星の自動同定が困難であることが判明したため、軌道上での姿勢の保持はジャイロのデータのみを使って行われた。
観測成果 打上げ後の2月23日、4世紀ぶりに大マゼラン雲に超新星が出現、8月にこの超新星が出す宇宙X線の観測に成功した。また、超新星残骸、暗黒星雲内部の高温プラズマ、連星で発生したフレア、セイファート銀河中心核の変動、クエーサーのスペクトルなどを観測・発見した。