国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2023年7月9日(日)午前5時31分に、新型大気圏突入カプセルの飛行試験を目的として、7月8日に実施したBS23-07に引き続いての実験として、2023年度気球実験のBS23-09号機を、連携協力拠点である大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張時直径約11mのゴム気球で、毎分およそ400mの速度で上昇しました。

ゴム気球は、放球50 分後に大樹航空宇宙実験場東方約50 km の太平洋上において高度約20km に達しました。供試体は大樹航空宇宙実験場東方約90 km の海上に緩降下しました。

放球時の地上気象状況は、天候:晴れ、風速毎秒1 m、気温:摂氏17度でした。

※実験概要
将来の宇宙開発において、高頻度な宇宙輸送システムや深宇宙探査を実現し自在性を増すためには、大気圏突入技術の発展が必須である。その一つとして、深宇宙からのサンプルリターンを実現するための新型サンプルリターンカプセルが提案されています。これは軽量、大型、低弾道係数の薄殻円錐型エアロシェルであり、パラシュートを必要とせず地上まで降下できることが大きな特徴の一つです。この新しいコンセプトのカプセルの実現に必要な技術要素の一つとして、カプセルの動的な空力安定性の理解を、とりわけ、カプセルとしては低速な亜音速領域にて深めることが挙げられます。2022 年には、小型軽量なカプセルを小型気球で飛揚し通常のパラシュートと同程度の速度で降下させる実験を行うことで、カプセルの空力データの取得および飛行試験プラットフォームの構築に成功した。その成果を踏まえ、本実験では、重心、慣性モーメントなどの特性を変更したカプセルを用いて新たに2回の飛行試験を行い、設計パラメータがカプセルの空力データに与える影響を評価するとともに、小型気球を用いた高頻度実験のスキームを実証します。

※RERA: Rubber balloon Experiment for Reentry capsule with thin Aeroshell (ゴム気球を利用した新型大気圏突入カプセルの低速領域の自由飛行試験)

放球されたゴム気球 BS23-09号機 (クレジット:JAXA)

放球されたゴム気球 BS23-09号機 (クレジット:JAXA)