国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成28(2016)年9月5日(月)午前3時52分に、成層圏オゾン・二酸化窒素の観測を目的として、平成28(2016)年度第二次気球実験の1号機を連携協力拠点である大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積10,000㎥(直径29.8 m)、フィルム厚3.4μmの薄膜気球で、毎分およそ270mの速度で上昇しました。

気球は、放球2時間45分後に大樹航空宇宙実験場東南東約40kmの太平洋上において高度45kmに達しました。その後気球および制御機器部は、大樹航空宇宙実験場東南東約50kmの海上に緩降下しました。

放球時の地上気象状況は、天候:霧雨、風速毎秒1.0m、気温:摂氏18度でした。

なお、第二次気球実験での実施を予定していた大気球実験B16-03「気球VLBI実験」は、気象条件が気球飛翔運用に適さなかったため、平成28年度の実施を見送ることとしました。

本実験をもちまして平成28年度第二次気球実験は終了となります。ご協力いただいた関係者の皆様に深く感謝いたします。

参考

これまで用いられてきたフィルター式光学ゾンデ(気象観測機器)と異なり、オゾンに加えて二酸化窒素、BrO、OClOなども観測できる可能性を有する小型分光器を用いた小型・軽量の光学オゾンゾンデを開発しました。このゾンデを超薄膜気球で高高度まで飛翔させ、上部成層圏オゾンの年々変動を明らかにし、同時にオゾン破壊に関わる二酸化窒素を観測します。

以上

BS16-05号機を放球する様子の写真

BS16-05号機の放球