第10章 たくましき仲間たち

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自立の路を求めて

まだ世界のあちこちで戦争が起きている。色々な見方があるだろうが、日々の報道を見るにつけ、戦争にかかる費用の膨大なのには、あらためて驚かされる。現在、日本の宇宙開発に充てられている国家予算は、国民1人あたりで1年に2,000円くらいである。宇宙科学に限定すれば約200円ということになる。ところがイラクへの米軍の攻撃が開始されると、その援助のためにたった3日で日本国民は1人あたり1万円を負担しなければならなくなった。

そのころ明るいニュースもあった。秋山豊寛の宇宙飛行である。しかし、これとても、TBSという一企業が国を出し抜いたと見られないこともない。ロケットの関係者にとっては、外国の輸送手段に頼らざるを得なかった所に、日本の宇宙開発計画の問題の一端を見る思いがするのである。宇宙関係者から見れば、できれば日本のロケットで打ち上げたかった。

こうした2つの事実を眺めるとき、日本という国の自立という問題が浮かび上がってくる。どうしてあんなに遥か離れた所の戦争にお金を出すのか。どうして日本人を外国のロケットで宇宙へ運ばざるをえなかったのか。

日本の宇宙科学は、ヨチヨチ歩きの1950年代から、茨の路を苦労して切り開いてきた。決して外国の「文化的援助」を直輸入せず、日本の学問状況に合わせた形で世界の学術を吸収して来た。自分の脚でしっかりと歩きつづけること、その後でこそ、真に国際的に対等な立場での国際協力が生まれるものであることを、日本の宇宙科学ほど如実に示しているものは少ないであろう。

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