第10章 たくましき仲間たち

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タバスコと木魚

1978年9月、「じきけん」を打ち上げたM-3Hロケット3号機の発射オペレーションの最中、9月11日のことである。内之浦に出張してきている55歳以上の「お年寄り」に対し、コントロールセンターにご集合を願う呼びかけがあった。該当者は10名。すべてコントロールセンターに赴いた。行ってみて驚いた。正面に大きく「祝・不老長寿」の横断幕。「若手」も大勢集合している──あ、敬老の日か。誰かが気がついた。

列席の「お年寄り」に若手代表から恭しく大福餅が配られた。期せずして一斉に、

──敬老の日、おめでとうございます!

フライト・オペレーション中に敬老の日(東京大学鹿児島宇宙空間観測所)

フライト・オペレーション中に敬老の日(東京大学鹿児島宇宙空間観測所)

照れくさそうに大福を頬張る10名。実においしそうな顔、顔、顔。やっとみんなが食べ終わるかに見えたタイミングに、「うわっ」と一人の教授が大福を吐き出した。「何だ、これは?」…………中には注射器でタバスコが注入されていたのである。

と突然、場内のスピーカーから、ポク、ポク、ポク、……木魚の音が流れてきたのである。首謀者はその後、当時の所長からきついお叱りを受けたことは言うまでもない。

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