第10章 たくましき仲間たち

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わびとさび

国際会議では、語学力に起因する「ラーメンの指」は数限りなくある。そのフロリダ会議(1988年11月のIACG会議)におけるNASA(米国航空宇宙局)のレセプションでもそんなことがあった。的川泰宣はその時、NASAの国際室に勤務する友人(William Turner)と話をしていた。彼はお父さんもWilliamだったので、自分はBillではなくWillieと呼んでくれと言っていた。

Willieは少し日本語が分かるので、会話は無理だが、日本語の単語は少し知っている。的川の父が宝生流の能の師匠だったこともあって、的川も中学の途中まで謡やら仕舞やらを「やらされて」いたのだが、結局テニスが忙しくなって、この高雅な世界からはおさらばしてしまった。

でも日本文化には大いに興味を持っているから、Willieとの会話で、「日本文化の真髄」といった話題の中で、気がついたら「わび」だの「さび」だのといったことについて、門前の小僧として講釈をしていた。じっと的川の「いい加減な」解説を聞いていたWillie、やがてため息をついていわく、

「日本の文化には底知れない広がりがある。能のような高度な芸術の言葉が寿司にも関連しているのか!」

その時彼の脳裏に浮かんでいたのは、実に「わさび」だったのである。

宇宙開発はさまざまな分野の人々、さまざまな国の人々との協力から成り立っている。それだけ話題のタネには尽きることがない。

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