国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG)について、定常運用へ移行させることとしましたので、お知らせします。
打上後、軌道上での衛星システムの機能・性能を確認が完了し、全観測機器の立ち上げが完了したこと、観測計画ツール類の動作が確認できていることから、初期運用フェーズを終了し、定常運用へ移行を決定しました。

「あらせ」の状態は正常で、搭載されている科学観測機器はすべて順調に観測を開始しています。

篠原育プロジェクトマネージャからのメッセージ

 昨年12月20日の打上げから3ヶ月余り、「あらせ」衛星はヴァン・アレン帯における高エネルギー粒子環境を探査するための準備を進めて参りましたが、9つの搭載観測機器を全て順調に立ち上げることができ、いよいよ計画通りの定常観測を開始致しました。

 「あらせ」衛星が定常観測を開始してまもなく、全観測機器が稼働している状態ではじめての磁気嵐を観測しました。「あらせ」がもたらす新たな科学データへの期待の高まる、幸先の良い出だしとなりました。これからは「あらせ」と海外の科学衛星や国内外の関連研究機関が整備してきた地上観測ネットワークと連携して、ヴァン・アレン帯の謎に世界中の研究者とともに挑んで参ります。

 思い返せば1年前には「ジオスペース衛星ERGにあなたの応援メッセージを載せよう!」キャンペーンを通して、多くの方々から暖かい応援メッセージを頂きました。皆様からの応援を励みに「あらせ」衛星による世界最先端の科学成果をご報告できるように関係者一同、頑張って参りますので、今後とも「あらせ」衛星を暖かくお見守りいただければ幸いです。

科学観測機器

ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG)科学観測機器

軌道上での「あらせ」(ERG)外観(CG)

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※1)Principal Investigator 主任研究者 ※2)Co-Principal Investigator 副主任研究者

各観測機器の詳細については、プレスキットおよびERGサイエンスセンターウェブサイトをご覧ください。

ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG)プレスキット
http://fanfun.jaxa.jp/countdown/epsilon2/files/erg_presskit.pdf
ERGサイエンスセンターウェブサイト|プロジェクト
https://ergsc.isee.nagoya-u.ac.jp/project/index.shtml.ja

「あらせ」の軌道(定常運用移行時点)

遠地点高度 約32,000km
近地点高度 約440㎞
軌道傾斜角 約32度
軌道周期 約570分