第4章 初期のミューと宇宙科学

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打上げ直前──データレコーダの異常現象

2月18日(当初の打上げ予定日)の電波テストの第1回目の動作チェックにおいて、衛星搭載のデータレコーダに再生コマンドを指令したとき、正規のデータが再生されず、クロック信号だけ再生されるという異常が発生した。

モードチェック後、再び再生コマンドを与えたところ、今度は正常にデータが再生され異常は回復した。メーカーであるOdetics社とも連絡をとりながら緊急の検討とチェックを繰り返し行った結果、問題ないとの結論に達し、打上げに臨んだ。天気などの理由で打上げが延期されたため、入念なチェックができたのも幸いであった。

このとき、小田は、

──データレコーダがなくても世界のアンテナを駆使してデータを取得する。──

とびっくりするようなことを言って実験班を驚かせた。打上げにかける意気込みが、ひしひしと伝わる一言だった。念願のX線天文衛星誕生の喜びの中、「はくちょう」は約90分で地球を1周し、データレコーダに蓄えられた1周分のデータを内之浦上空で約10分間地上に送り続けた。

第3段モータに組み付けられた「はくちょう/CORSA-b」

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