自然科学研究機構 国立天文台
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所

太陽観測衛星「ひので」が捉えた最強磁場を持つ黒点

太陽観測衛星「ひので」が捉えた最強磁場を持つ黒点。連続光による姿(上)とその磁場強度(下)。寒色から暖色にかけて高い磁場強度を表し、特に赤で示された場所に 6000ガウス(600 ミリテスラ)を超える磁場が存在している。
© NAOJ/JAXA 

 国立天文台の岡本丈典 特任助教と桜井隆 名誉教授は、太陽観測衛星「ひので」の可視光望遠鏡による観測データから、太陽観測史上最大となる6250ガウス(625ミリテスラ)の磁場強度を持つ黒点を発見しました。これは一般的な黒点磁場の2倍の強さであり、さらには強磁場を示す領域が黒点内の暗くない部分(暗部以外)に位置するという特異な性質を持っています。これまでにも暗部以外で局所的に強い磁場が観測されることは時々ありましたが、その成因については全くの謎でした。今回、「ひので」の5日間に渡る安定した連続観測により黒点の発展過程が詳細に捉えられ、その結果、この強磁場は黒点暗部から伸びるガスの流れが別の暗部を強く圧縮することで生じていると結論付けました。この成果は、高い解像能力で長時間安定して磁場測定を行うことのできる「ひので」でなければ成し得ないものです。今後、黒点形成・進化メカニズムや、それに伴うフレアなどの活動現象を理解する上で新たな視点をもたらすと期待されます。

詳細は、国立天文台・ひので科学プロジェクトのウェブサイトに掲載されています。

発表媒体

題目:Super-strong Magnetic Field in Sunspots
著者:岡本丈典、桜井隆(国立天文台)
掲載誌:The Astrophysical Journal Letters, 852, L16 (2018)

本研究は、JSPS 科研費 JP16K17663・若手研究B・岡本丈典、JSPS 科研費 JP25220703・基盤研究S・常田佐久 の助成を受けたものです。