第6章 M-3SIIの衛星たち

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カプセル、ガーナにて発見

ところが、まったく意外なことにその11ヶ月後、「EXPRESSカプセル、ガーナで発見」のニュースが届いたのである。

カプセルは、同国タマラの北100kmの山村の畑に無事着地していた。カプセルの表面に何やらロシア文字が書いてあるので、初めのうちこそ弾頭ではないかと疑われていたが、もともとこの地には「空から降ってきたものに触れると幸福になれる」という言い伝えがあるらしく、神様からの贈り物として村人たちに大事に扱われ、タマラ空軍基地にほぼ無傷で大事に保管されていることが判明した。古来からの言い伝えに従い、よい伴侶を求めてカプセルの傍らで昼夜お祈りをした青年や、幸運を求めてそっと手を触れてみる多数の村人たちのエピソードなども伝えられた。

──ドイツに戻ってきたカプセルからは、再突入、回収技術に関して貴重な成果を得ることができ、日独関係者は“ちょっと救われた”。ドイツ側担当メーカーERNO社は、村に小学校を寄贈し、謝意を表した。──(雛田元紀)

──ソ連崩壊に伴う国際的な財政援助という配慮から、ロシア製の回収カプセルを使うことになったまではよかった。ところが、変な使い方をして責任者が罰せられると嫌だというわけで、ロシア側の担当者は打上げロケットの性能や飛翔環境、ミッション上のカプセルの位置付けなどについて、細かい点に至るまで徹底的に質問してきた。これにいちいち説得的な資料を示しながら対応することは大変だった。──(安部隆士)

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