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新しいことずくめの「ぎんが」

「ぎんが/ASTRO-C」

「ぎんが/ASTRO-C」

熱真空試験装置に運び込まれる「ぎんが/ASTRO-C」

熱真空試験装置に運び込まれる「ぎんが/ASTRO-C」

「ぎんが」は、活動銀河核の観測を行うことを目的に、高感度観測装置を搭載した高信頼性の衛星とすることを目指して開発が進められた。この衛星の総重量は420kgで、太陽電池の発電能力は最大500ワット。電源系、データ処理系、姿勢系および姿勢制御系、通信系、観測系の各機器で構成されている。

科学衛星として初めて三軸制御が採用され、三軸方向に配置されている磁気トルカは指向方向制御、スピン速度制御等に使用された。Z軸方向に搭載されたホイールは衛星側面に搭載された観測装置をZ軸回りにゆっくり回転させて天空を走査して観測するためにも使用された。特に、大型化と観測の精密化に伴って、CCDスターセンサー、CCD太陽センサー、磁気トルカー、磁気バブルメモリーが新たに開発された。電源の大改造やジャイロの改修の結果、信頼性の高い、世界一の性能のX線衛星が誕生した。星追尾機能を有したスタートラッカによる姿勢の決定精度は、実に0.01度という凄さであった。

ジャイロのドリフトはスターセンサーから得た星の位置によって補正。初めて本格的なデータレコーダーとして搭載した41.9メガビットのバブルメモリーは、140kbps以下の任意の速度で再生でき、従来と異なって可動部がないため姿勢の外乱がないという利点を持っていた。

通信系では、コマンド送信波として従来のVHFに代わってSバンドを使用。観測器は、大面積比例計数管(LAC、英国と協力)、全天X線監視装置(ASM)、ガンマ線バースト検出器(GBD、米国と協力)の3種類となった。

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