第6章 M-3SIIの衛星たち

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姿勢制御チーム──疲労の中での満足感

無事衛星軌道に投入した後、太陽電池パドル展開までの初期姿勢制御作業は緊張の連続だった。まずは、ヨーヨーデスピナによってスピンを落とし、磁気トルカーと地磁気センサーで歳差運動を抑えた後4台のリアクションホイールを起動し、角運動量を機軸と直角方向に移し、衛星をフラットスピン状態になる軸変更制御を行った。

この軸変更動作を行う前に、太陽角と通信条件から大きなマヌーバーを伴う衛星スピン軸を変更する必要が生じた。定常運用姿勢制御のための運用ソフトは自動化され整備していたが、初期運用のクリティカル・フェーズの姿勢制御コマンドは手作業で作る必要があり、作業者にとって大きな負担になった。

チーム一体になり懸命の努力で、太陽電池パドル展開に必要な姿勢条件に衛星姿勢を向けた後、無事太陽電池パドル展開が行われた。この間、緊張と連続作業のためメンバーの1人が貧血を起こすハプニングもあったが、大事に至らず、皆で大変な作業が無事成功裏に終了した満足感に浸った。

当時、姿勢制御を担当したNECの前田健は語っている。

──大変しんどい作業で疲れましたが、衛星主任の田中靖郎先生から『無理をかけました』と、ねぎらいの言葉を頂き感激しました。──

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