第6章 M-3SIIの衛星たち

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肝を冷やした打上げ時のアンテナ追尾

軌道に乗った「ひてん」は正常で、内之浦の非可視中には衛星に組み込まれたプログラムによってスピンダウン制御と太陽捕捉制御が行われ、1月25日、内之浦の第1可視でその制御が正常に行われたことが確認された。スピン数は25rpm、スピン軸の太陽方向に対する角度は89.0度であった。その後の準備的オペレーションはすべて順調で、3月19日の第1回月スウィングバイに向けて、1月25日から軌道修正が開始された。

この打上げ時には、新設されて間もない内之浦の直径20mのパラボラアンテナが使用された。そのため事前の入念な打ち合わせを経て、打上げに臨んだ。打上げ直後は正常に追尾したが、第2段点火と同時にその炎による電波減衰のためロックオフし、衛星を見失った。オペレータの懸命の再捕捉オペレーションにもかかわらず捕捉できず、微弱な電波はキャッチしていたが、衛星状態が確認できず消感してしまった。

「ひてん」を待ち受ける衛星班の面々

「ひてん」を待ち受ける衛星班の面々

その後、NASAの受信局で衛星からの電波を受信し正常であることが確認され、安堵した。この追尾失敗は新設20mアンテナの実衛星による追尾練習不足など原因はいろいろあるが、その後打ち上げられた衛星ではこの経験が生かされ、ほぼ完ぺきな追尾がなされるようになった。

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