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感動的だったファーストライト

「ようこう」の打上げから4日目の1991年9月3日に、搭載した軟X線望遠鏡(SXT)から太陽の初画像が送られてきた。驚くほど鮮明な画像であった。このSXTを開発・担当した常田佐久(現・国立天文台教授)は、ファーストライト(新しい望遠鏡による最初の観測)で取得されたデータからくっきりとした太陽像が浮かび上がったときの感想を、次のように語っている。

──SXTで鮮明な像が撮れました。1本1本のループが鮮明に見え、見慣れていたスカイラブの画像と比べて、別世界のような鮮明な画像でした。打上げ後1ヶ月で最初のムービーが作られ、その刻々変化する太陽の姿は、世界の専門の研究者にも大きな衝撃を与えました。ファーストライトでは、感激もありましたが安心した気持ちの方が強く、内之浦発射場の場内を一人散歩したのを覚えています。ファーストライトの約1週間後、機上の自動機能が予定通り働いて、フレアの鮮明な画像が次々に送られるようになったときが、私が最も感激した瞬間でした。一人感激をしみじみ味わいました。──

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