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停波により運用を終了

「ようこう」は2001年12月15日に南太平洋の上空で金環日食に遭遇したことに端を発し、姿勢制御異常による衛星の回転、衛星電池の充電ができなくなることによる電源消失という事態に陥り、太陽指向姿勢を失った結果、正常な観測ができなくなった。2年以上にわたり復活を試みたが、電池充電の条件が整わず、衛星高度も落ちてきたため観測を断念した。2004年4月23日、このプロジェクトを成功に導いた「ようこう」衛星の前プロジェクト・マネージャー小川原の立ち会いのもと、衛星電波停止のコマンドを送信し、運用を終了した。

「ようこう」衛星は総合試験のノイズ問題に始まり、打上げ直前のBCSの電源リレー、バッテリー温度、第1周目に行ったパドル展開時のマイクロスウィッチアンサー、長期観測の最後に遭遇した金環日食への突入など、いろいろな問題・出来事があったが、それらを一つ一つクリアし、ミッション寿命3年をはるかに超えて、10年3ヶ月という長期にわたる観測で数々の成果を挙げた。

なお、「ようこう」衛星は1991年8月30日打上げ以来、2005年8月30日で14年目を迎え、同年 9月12日、大気圏に突入し消滅した。

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