第6章 M-3SIIの衛星たち

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スウィングバイ

──アポロ計画が開始されたころ、NASAはその軌道制御精度を“1マイル先のハエの頭を射抜く”という比喩で表していました。ハエの頭の大きさを仮に8km程度とすると、この例えは月までの距離約40万kmに対し誤差2kmに相当します。

さて、アポロから20年、「ひてん」の出番です。……日本標準時1990年3月19日午前5時04分09秒、月から1万6,472.4kmの距離に接近した「ひてん」は第1回スウィングバイに成功、最接近計画値との誤差は距離約2km、時間にして1秒以下でした。ハエと同じでは芸がないので、この軌道制御精度を“東京ドームのバックスクリーンを飛んでいるカの目玉をホームベースから射抜く”と表現しました。──(上杉邦憲)

「ひてん」は月の重力と運動エネルギーを活用して、加速スウィングバイ、減速スウィングバイを何度もこなした。その後、GEOTAIL衛星の軌道を模擬した軌道変更実験など、月の重力を利用したスウィングバイ実験も行い、所期の最大の目的を達成した。

「ひてん」第二スウィングバイ以降の軌道

「ひてん/MUSES-A」第二スウィングバイ以降の軌道
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