国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、X線分光撮像衛星(X-Ray Imaging and Spectroscopy Mission: XRISM)に係る協力に合意し、平成30年10月2日、ドイツのブレーメンにてJAXA理事長 山川宏と NASA長官 ジム・ブライデンスタインにより了解覚書が取り交わされました。

JAXA理事長 山川宏、NASA長官ジム・ブライデンスタイン 署名の様子

今回取り交わした了解覚書の中で、JAXAとNASAは、ASTRO-Hで培った協力関係をXRISMミッション全体にわたってさらに強化する事で合意しました。JAXAは2016年4月に運用を断念したX線天文衛星(ASTRO-H)について、徹底した原因究明と再発防止のための対策を講じました。XRISMはこの再発防止策に基づき、プロジェクト業務の大幅な見直しのもと計画されたプロジェクトです。従来の30倍以上の分光性能を持つ分光撮像装置を用いて、「宇宙の構造形成と銀河団の進化」、「宇宙の物質循環の歴史」「宇宙のエネルギー輸送と循環」を研究するとともに、「超高分解能X線分光による、新しいサイエンス」を開拓する事を目的としています。

また、主な観測装置である軟X線分光撮像装置の開発にJAXA・NASA・欧州宇宙機関(ESA)が貢献するほか、観測されたデータを処理する地上設備の開発においてもJAXAとNASAが協力し、それぞれのデータセンターを通じて、世界の科学者に観測データを提供します。