国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が平成17(2005)年7月10日に打ち上げたX線天文衛星「すざく」(ASTRO-EII)は、目標寿命である約2年を超えて観測運用を行いX線天文学に関する多く成果を上げてきました。しかし、平成27(2015)年6月1日(月)以降、衛星の動作状況を知らせる通信が間欠的にしか確立できない状態が続いており、復旧運用を行ってきました。

その後、通信、バッテリ、及び姿勢制御の状況から、JAXAでは科学観測を再開することが困難な状態であるとの判断に至りましたのでお知らせいたします。

今後は、運用終了に向けた作業を実施していきます。

X線天文衛星「すざく」(ASTRO-EII)について

内之浦宇宙空間観測所からM-Vロケット6号機で打ち上げられた我が国5番目のX線天文衛星です。目標寿命を超えて観測を継続する一方、近年では劣化したバッテリの使用方法を工夫しながら運用を続けていました。

約10年にわたる運用により、「すざく」は、広いX線エネルギー(波長)範囲にわたって世界最高レベルの感度を達成するなど優れた観測能力を実証し、銀河団外縁部に至るX線スペクトルを初めて測定する等、宇宙の構造形成やブラックホール直近領域の探査等において重要な科学的成果をあげています。