国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、金星探査機「あかつき」(PLANET-C)に搭載している各観測機器について、定常観測への移行を判断しましたので、お知らせします。観測機器の動作確認や試験観測での最適化といった調整作業の結果、打上げ前に想定した各フィルターを通した感度、画像の分解能などの観測性能を満たしていると確認できたことから、定常観測への移行を判断しました。

各観測機器の定常観測への移行状況は次のとおりです。

1μmカメラ(IR1) 定常観測に移行
2μmカメラ(IR2) 定常観測に移行
中間赤外カメラ(LIR) 定常観測に移行
紫外イメージャ(UVI) 定常観測に移行
超高安定発振器(USO) 定常観測に移行
雷・大気光カメラ(LAC) 調整中

雷・大気光カメラ(LAC)につきましては、高圧電源をオンにして少しずつ電圧を上げながら慎重に調整を行っています。LACは「あかつき」が金星の陰に入る時に運用する観測機器ですので、約10日に1回、1時間程度の運用となっており、調整に時間を要しています。 LACが定常観測に移行しましたら、改めてお知らせします。

中村プロジェクトマネージャからのメッセージ

みなさまのお蔭をもちまして4つのカメラと超高安定発振器の観測を定常状態に移行することが出来ました。ありがとうございます。これからは世界最先端の金星研究のためにデータを継続的に取得してまいります。また、LACも早い時期の定常観測移行を目指して行きます。今後とも日本の金星探査機「あかつき」にご期待ください。