目  次

. 概  要	 1
 1.沿  革	 1
 2.設置目的	 1
 3.宇宙開発体制	 2
 4.組織及び運営	 5
  a.組織・運営	 5
  b.組織図	 7
  c.職員数	 9
  d.おもな職員	 9
  e.予 算	 11
 5.研究所の位置・敷地・建物	 12
. 研究活動	 14
 1.総合研究	 14
 2.研究系の研究活動	 24
  a.宇宙圏研究系	 24
  b.太陽系プラズマ研究系	 32
  c.惑星研究系	 41
  d.共通基礎研究系	 55
  e.システム研究系	 61
  f.宇宙輸送研究系	 77
  g.宇宙推進研究系	 84
  h.宇宙探査工学研究系	 93
  i.衛星応用工学研究系	 108
  j.対外協力室	 119
  k.鹿児島宇宙空間観測所	 120
  l.宇宙科学企画情報解析センター	 121
  m.臼田宇宙空間観測所	 123
  n.宇宙基地利用研究センター	 125
  o.次世代探査機研究センター	 126
  p.技術部・観測部	 130
 3.科学研究費補助金による研究及び各種共同研究等	 135
  a.科学研究費補助金による研究	 135
  b.宇宙科学実験用設備を用いた共同利用研究	 136
  c.所内教官申請による共同研究	 139
  d.受託研究	 141
  e.民間等との共同研究	 142
  f.奨学寄附金の受入	 143
 4.シンポジウム等	 146
 5.国際協力	 147
 6.おもな研究設備	 162
 7.研究施設	 181
  a.鹿児島宇宙空間観測所	 181
  b.能代ロケット実験場	 188
  c.三陸大気球観測所	 190
  d.宇宙科学企画情報解析センター	 192
  e.臼田宇宙空間観測所	 193
  f.宇宙基地利用研究センター	 195
  g.次世代探査機研究センター	 195
 8.技術部・観測部	 197
  a.技術部基礎技術課工作班	 197
  b.技術職員研修委員会の活動	 198
 9.図  書	 199
. 教育活動	 207
. 研究成果の発表の状況	 213
 1.刊 行 物	 213
 2.所外の学術雑誌などに発表のもの	 215
 3.特権権等	 307


 第18号科学衛星「のぞみ」(Planet-B)は,1998年7月4日に鹿児島宇宙空
間観測所より,M-V-3号機により打ち上げられた.表紙の写真は,パーキング
軌道上で月スウィングバイを行ったときに撮影した月のクローズアップ写真に
「のぞみ」の図を重ねた合成写真である. 
 「のぞみ」は,火星周回軌道を目ざし,火星上層大気の構造・運動,特に太
陽風との相互作用の研究をミッションとする.また,我が国初の惑星探査衛星
であり,工学的にも,様々な新しい技術を開発して,惑星探査に必要な諸技術
を確立することも狙っている. 
 「のぞみ」は,打上げ後,5カ月半ほどの間は,遠地点が月の軌道を越える
長楕円のパーキング軌道を回り,その間,月スウィングバイを2回行って増速
した.1998年12月20日に地球スウィングバイを行い,同時にメインエンジンを
噴射して,地球の引力圏を離れ,火星に向かう軌道に投入された. 
 今後,太陽の周りを3周した時点(2002年2月),さらに半周した時点
(2003年6月)の2回,地球スイングバイを実施する.火星到着は,2004年の
1月を予定している. 
 「のぞみ」は,打上げ時の重量が540kgのスピン型の探査機で,14種類の観
測機器を搭載している.国際共同研究として,アメリカ,カナダ,スウェーデ
ン,ドイツ,フランスの5カ国の観測機器や部品を搭載している. 


 再使用ロケット実験機・離着陸実験
 将来の宇宙輸送システムの研究について工学委員会の下にワーキンググルー
プを構成し,革新的な推進システムをはじめ種々の可能性が検討されている.
この中でロケットエンジンを使った完全再使用型飛翔体の工学技術実証のため
に,現在の観測ロケットの規模で繰り返し飛行ができるシステムを提案し,こ
の飛翔機会を通じてロケットの性能の向上と効率的な再使用性の確立をテーマ
として研究を加速することを目指している.今年度は基礎開発段階として小型
の実験機を試作し,ロケットエンジンを用いた離着陸能力の検証と,ロケット
飛翔体を繰り返して飛行させて運用する場合の技術課題の抽出を目的として実
験を行った.実験の結果,ロケットの「着陸」,「再使用」および「繰り返し
飛行」など,これまでの使い捨て型のロケットでは得られない貴重な経験を積
むことができ,今後の開発研究の第一歩とすることができた.