運用終了ハレー彗星探査機「すいせい」

ハレー彗星探査機「すいせい」は、76年ぶりに地球に接近したハレー彗星の観測を目的として、1985年に打上げられ、欧米露との国際協力観測を実施した。紫外線撮像により、ハレー彗星観測において多くの成果をあげた。

X線天文衛星「ぎんが」 ハレー彗星探査試験機「さきがけ」

「すいせい」は、76年ぶりに回帰したハレー彗星の観測を目的とした国際協力探査計画で、ヴェガ(旧ソ連)・ジオット(ヨーロッパ)・アイス(アメリカ)と協力して、この彗星を観測しました。紫外撮像によるハレー彗星の自転周期、水放出率の変化の測定、ハレー彗星起源のイオンが太陽風に捉えられた様子など多くの成果をあげました。これら6機のハレー彗星探査機群は「ハレー艦隊」と呼ばれました。

機体データ

名称(打上げ前) すいせい(PLANET-A)
国際標識番号 1985-073A
開発の目的と役割 76年ぶりに接近したハレー彗星の観測
打上げ日時 1985年8月19日 8時33分
場所 鹿児島宇宙空間観測所(内之浦)
ロケット M-3SIIロケット2号機
質量 140kg
形状 直径1.4m、高さ70cmの円筒型
本体上部に80cm径の楕円形高利得アンテナを備える
軌道種類 太陽周回軌道
軌道周期 約282日
主要ミッション機器 ・真空紫外撮像装置(UVI)
・太陽風観測器(ESP)
運用停止日 1991年2月22日
運用 打上げ当日14時45分には主管制権を駒場および臼田局に移した後、40日間にわたりレンジング、自動太陽捕捉、スピン制御、軌道決定、姿勢決定、スラスタのチェック/較正、準黄道面垂直、スピン調整、デスパン制御チェック、観測機器(UVI/ESP)のチェック、および高圧電源投入チェックを実施した。11月14日にハレー彗星に向けての軌道修正を行い、1986年3月8日、ハレー彗星の太陽に面した側の15万1000kmまで接近した。その後は太陽風の観測を続けていたが、1991年2月22日に軌道修正追う燃料のヒドラジンが尽き、1992年8月20日、地球スイングバイを実施して運用を終了した。
観測成果 76年ぶりに回帰したハレー彗星の国際協力探査計画で、ヴェガ(旧ソ連)・ジオット(ヨーロッパ)・アイス(アメリカ)と協力して、この彗星を観測した。紫外撮像によるハレー彗星の自転周期、水放出率の変化の測定、ハレー彗星起源のイオンが太陽風に捉えられた様子など多くの成果をあげた。これら6機のハレー彗星探査機群は「ハレー艦隊」と呼ばれた。