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衛星打上げロケット

M-4S M-4S M-3C M-3H M-3S M-3S2 M-V Epsilon

日本初の人工衛星「おおすみ」は、1970年、東京大学宇宙航空研究所のL(ラムダ)ロケットによって打ち上げられました。この成功をもとに科学衛星打上げ用に開発されたM(ミュー)ロケットのシリーズは、その後改良を重ね、現在の本格的な惑星探査機打上げ用ロケットM-V(ミュー・ファイブ)に至っています。

初代のM-4Sは4段式で尾翼とスピンによって姿勢の安定を保ち、重力ターンによる軌道投入が行われました。

2代目のM-3Cは3段式で2・3段目が強化され、2段目にTVC(推進方向制御)装置とサイドジェット装置が装備されて軌道突入の精度が格段に向上しました。

その1段目を長くして運搬能力を高めたのがM-3Hです。これはM-3Cと同世代と考えていいでしょう。

3代目のM-3Sでは1段目にTVC装置を導入し、軌道精度の向上と打上げ条件の緩和が実現しました。

4代目のM-3SIIは、M-3Sの1段目以外を新規に開発して性能向上を行ないました。

第5世代のM-Vでは、これらのMロケットの開発の歴史によって培われてきた技術を集大成し、宇宙科学の要請に応えるべく大幅な大型化を達成しました。M-Vロケットは4つの地球周回天文観測衛星と、火星探査機「のぞみ」、小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げ、全段固体で惑星探査までやり遂げることのできる「世界で最も素晴らしい固体燃料ロケット」として高く評価されましたが、諸般の事情により、2006年9月のM-V-7号機をもって開発が中止されました。

現在JAXAでは、M-Vの後継機となる新型の固体燃料ロケット「イプシロンロケット」を開発しています。イプシロンロケットでは、ロケットの知能化という史上初の試みにより低コスト化・打上げシステムの簡素化を実現します。

衛星打上げロケットの歴史(★:現在運用中のミッション)

西暦 ロケット 打ち上げた衛星 重量(kg) 軌道
種類 高度(km) 傾斜
角(度)
1963年 M(ミュー)ロケットの開発研究に着手
1966年 L-4S-1 ※第2段分離の異常のため第3段が異常飛翔し、衛星にならなかった。
1966年 L-4S-2 ※最終段が点火しなかったため、衛星にならなかった。
1967年 L-4S-3 ※第3段が点火しなかったため、衛星にならなかった。
1969年 L-4S-4 ※第3段に上段が追突し、衛星にならなかった。
1970年 L-4S-5 日本初の人工衛星「おおすみ 24 楕円 350/5,140 31
1970年 M-4S-1 ※第4段目点火以降のシーケンスが作動せず、衛星を軌道に乗せられなかった。
1971年 M-4S-2 試験衛星「たんせい 63 略円 990/1,110 30
1971年 M-4S-3 日本初の科学衛星「しんせい 66 楕円 870/1,870 32
1972年 M-4S-4 電波探査衛星「でんぱ 75 楕円 250/6,570 31
1974年 M-3C-1 試験衛星「たんせい2号 56 楕円 290/3,240 31
1975年 M-3C-2 超高層大気観測衛星「たいよう 86 楕円 260/3,140 32
1976年 M-3C-3 ※制御系の故障によって、衛星を軌道に乗せられなかった。(CORSA)
1977年 M-3H-1 試験衛星「たんせい3号 129 楕円 790/3,810 66
1978年 M-3H-2 オーロラ観測衛星「きょっこう 126 楕円 630/3,970 65
1978年 M-3H-3 磁気圏観測衛星「じきけん 90 長楕円 220/30,100 31
1979年 M-3C-4 日本初のX線天文衛星「はくちょう 96 略円 545/577 30
1980年 M-3S-1 試験衛星「たんせい4号 185 略円 521/606 39
1981年 M-3S-2 太陽物理学衛星「ひのとり 188 略円 576/644 31
1983年 M-3S-3 X線天文衛星「てんま 216 略円 497/503 32
1984年 M-3S-4 中層大気観測衛星「おおぞら 207 楕円 354/865 75
1985年 M-3SII-1 ハレー彗星探査試験機「さきがけ 138 太陽周回    
1985年 M-3SII-2 ハレー彗星探査機「すいせい 140 太陽周回    
1987年 M-3SII-3 X線天文衛星「ぎんが 420 略円 530/595 31
1989年 M-3SII-4 ★磁気圏観測衛星「あけぼの 295 長楕円 275/10,500 75
1990年 M-3SII-5 工学実験衛星「ひてん 196 月スイングバイ    
1991年 M-3SII-6 太陽観測衛星「ようこう 390 略円 520/795 31
1993年 M-3SII-7 X線天文衛星「あすか 420 略円 525/615 31
1995年 M-3SII-8 ※2段目の不具合のため予定軌道に乗せられず、衛星は地球3周目で落下した。10ヵ月後アフリカで発見され、再突入実験の参考試料となった。(EXPRESS
1997年 M-V-1 電波天文観測衛星「はるか 830 長楕円 560/21,000 31
1998年 M-V-3 日本初の火星探査機「のぞみ 540 長楕円(火星周回) 太陽周回  
2000年 M-V-4 ※1段目の燃焼異常のため最終速度が足りず、衛星を軌道に乗せられなかった。(ASTRO-E)
2003年 M-V-5 小惑星探査機「はやぶさ 510 太陽周回    
2005年 M-V-6 ★X線天文衛星「すざく 1,700 570 31
2006年 M-V-8 ★赤外線天文衛星「あかり 952 円(太陽同期) 700  
2006年 M-V-7 ★太陽観測衛星「ひので 900 円(太陽同期) 630 97.8

日本の宇宙開発の歴史[宇宙研物語]