ダストプラズマ研究プロジェクト

このページでは、ダストプラズマ研究プロジェクトの紹介を行います。 ダストプラズマとは聞きなれない言葉かもしれません。 ですが、プラズマという言葉は近年プラズマテレビ等で使わるようになり、耳にする機会が 増えていると思います。 ダストプラズマは、このプラズマの中に微粒子 (典型的には数〜数十 μm程度) を混入さ せたものです。 自然界に存在するダストプラズマとしては、馬頭星雲等の暗黒星雲、わし星雲等の散光星 雲、原始惑星系円盤、彗星の尾、土星の環等の惑星環等が挙げられます。 このため、ダストプラズマ研究は、宇宙におけるこれら自然現象の理解のために長年行われ てきました。

ところが 1986 年に、Ikezi 1) により、ダストプラズマ中で微粒子が規則的に 配列し得るとの理論的予測がなされました。 この微粒子が規則的に配列した状態をクーロン結晶と呼びます。 この予測を契機として、実験室でクーロン結晶を観察しようと世界中で努力がなされました。 そして 1994 年に、世界のあちこちの研究室で観察に成功しました 2−5)。 ところが、地上で観察されるクーロン結晶は、重力の影響により、プラズマを生成するため の電極付近に形成される遮蔽 (シース) 領域に浮遊・保持されてしまいます。 このため、結晶構造は大きく歪み、真の結晶形態を観察することが地上では不可能です。 従って、微小重力環境が極めて有効に作用する現象であると言えます。

クーロン結晶の真の形態を観察するために、また粒子間の相互作用をより深く理解するために、 ドイツとロシアは共同で PKE (後に PKE-Nefedov と呼ばれるようになります) と呼ばれる宇 宙実験装置を開発し、国際宇宙ステーション (ISS) に搭載しました。 PKE は 2001 年 3 月から2005 年 7 月まで運用され、数多くの変化に富むデータを得ること に成功しました。 しかし、彼らがボイド (Void) と命名した、微粒子が存在しない領域が多くの条件下で形成 されてしまい、クーロン結晶の真の形態を得ることはできませんでした。 この点を改善すべく、ドイツとロシアは共同で、PK-3 Plus と呼ばれる第二世代宇宙実験装置 を開発し、2006 年 1 月より ISS で運用を行っています。

日本の研究チームも、PK-3 Plus の国際研究チームに 2006 年 12 月に、PK-3 Plus 利用国際 共同ミッションとしてダストプラズマ研究プロジェクトが承認され、PK-3 Plus を利用する微 小重力実験に適した実験条件の検討を続けています。 観察したい物理現象は、荷電粒子系の臨界現象で、岡山大学の東辻教授の モデル 6−8) に基づいた微小重力実験条件の検討を行っています。 以下では、この現在進行中の国際共同ミッションについて説明しますので、知りたい内容につ いてボタンをクリックしてください。

1)  H. Ikezi, Phys. Fluids, 29, 1764 (1986).
2)  J. H. Chu and Lin I, Phys. Rev. Lett., 72, 4009 (1994).
3)  H. Thomas, G. E. Morfill and V. Demmel, Phys. Rev. Lett., 73, 652 (1994).
4)  Y. Hayashi and K. Tachibana, Jpn. J. Appl. Phys., 33, 804 (1994).
5)  A. Melzer, T. Trottenberg and A. Piel, Phys. Lett. A, 191, 31 (1994).
6)  H. Totsuji, J. Phys. A: Math. Gen., 39, 4565 (2006).
7)  H. Totsuji, "Non-Neutral Plasma Physics VI", Workshop on Non-Neutral Plasmas 2006, eds. M. Drewsen et al., AIP, p.248 (2006).
8)  H. Totsuji, Phys. Plasmas, 15, 072111-1 (2008).
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