JAXA 宇宙科学研究所長 國中 均

『宇宙科学探査と「おおすみ」』シンポジウムは、過去50年を省みるのみならず、「おおすみ」を礎に次の50年を目指すべく、未来志向のシンポジウムとして企画いたしました。

わずか24kgの「おおすみ」人工衛星から発達し、現在、宇宙科学研究所は水星から木星まで各天体に探査機を配置する「深宇宙探査船団」を構築し、そして46億年の太陽系の歴史を明らかにする事業を進めております。また天文領域につきましても、国内外との共同事業としてγ線、X 線、紫外線、可視光、赤外、マイクロ波、電波を総合し、波長統合した宇宙天文観測網を確立し、138億年の宇宙の歴史を明らかにするといった活動を行っています。

国際協力・協同につきましては、私の思うところ、実力以上に、宇宙科学研究所の研究開発力に期待が寄せられており、お断りするのに苦慮するほど国際共同計画の申し入れがあります。また、15か国が共同で開発しました、国際宇宙ステーションのその先に、月近傍に、人類の拠点を設けるゲートウェイ計画が世界共同プログラムとして発進したところです。

さらに国の宇宙機関以外にも、民間の宇宙活動が大変活性化しております。私どもを取り巻く状況は、すさまじい勢いで変化し、発展しておりますが、引き続き、宇宙科学の全般にご理解をいただき、各実施主体を応援いただければと存じます。
特に、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構ならびに宇宙科学研究所にご高配をいただきまして、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。