第5章 M-3SIIロケットとハレー彗星探査

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真っ黒な雪だるまの登場

そのほぼ一週間後の3月14日、ESAの探査機ジオットが最接近の15秒前、核から1,500kmの所で放った捨身のショットが地球に届き、画像データは消えた。そして最接近の2秒前、1秒間に120個くらいのダスト(塵)と衝突したため画像以外のデータも途絶えたが、25秒後に再び地上局とのリンクは回復した。画像は依然としてだめだったが、プラズマ機器も質量分析計もデータは正常。

それから半日後、ハレーの実際の色の写真が公表された。人類が初めて見るスーパー・スターの素顔が、薄いコマのベールの向こうに神秘的な姿を現わしている。黒い! ハレーの核は「黒い雪だるま」だった。カメラ主任のケラーは「ハレーの核は、長さ15km、幅7kmと10km。太陽系の最も暗い天体と同じくらい暗い」と発表した。

ヴェガもジオットもその接近観測によって、大筋においてホイップルの「彗星核は汚れた雪玉」説を裏付けた。ただしハレーの核は予想に反して大変「黒い」雪玉だった。推定反射能は4%。これは太陽系の天体の中では最も黒く、土星の衛星イアペトスや天王星のリングに肩を並べる。数十回に及ぶ太陽への接近であぶられ尽くし、「雪だるま」の表面から殆どの揮発性成分が蒸発・昇華して、ハレーの表面はビッシリと黒いダストに覆われるに至ったらしい。この真っ黒な表面が太陽熱をタップリと吸い込む。ヴェガ1号の赤外観測から得られた表面温度は予想(200K)よりも100度以上も高かった(300~400K)。

「ジオット」が撮像したハレー彗星の核

「ジオット」が撮像したハレー彗星の核

「ジオット」が撮像したハレー彗星の核

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