第5章 M-3SIIロケットとハレー彗星探査

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深宇宙通信用の大型アンテナ

周りには誰もいない宇宙。ハレー探査機が地球を旅立った後、話相手になってくれる唯一の友は地上の大型アンテナである。日本にはまだない。人里離れ、航空路から遠く、都市雑音が少ない所──系電波の交信に絶好の場所として白羽の矢が立ったのは、長野県の臼田であった。

山を削り、谷を埋め、突貫工事が続けられた。

八ケ岳山麓に直径64mのアンテナがその雄姿を見せたのは、ハレー探査試験機MS-T5の打上げをあと2カ月ちょっとに控えた1984年10月末のことだった。「星の町ウスダ」が誕生したのである。 

──臼田のアンテナは、考えてみれば直径を70mくらいにしておけばよかったなと思いますよ。当時“前例がない”といってアメリカ最大の64mと同じに抑えただけですから。ところが直後にアメリカは3局の直径を70mに拡大して日本に迫り、その後最新の技術で最高性能の34mを作り上げました。それにしても、このアンテナの価値はいくら強調しても足りないくらいです。──(林友直)

臼田宇宙空間観測所の64mアンテナ

臼田宇宙空間観測所の64mアンテナ

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