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2022年度

種子島出張(2023年3月23-31日)

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7年ぶりの種子島出張に行ってきました。相模原にて徹夜の打ち上げリハーサルに参加した後、仮眠して、そのまま新幹線+ジェットフォイル(写真1枚目)で種子島入り。我々の XRISM 衛星は、3月上旬に JAXA 筑波宇宙センターから種子島宇宙センターに輸送され、いよいよ射場作業が始まりました。まず最初に行うのは、近くの宝満神社(2枚目)の神主による安全祈願祭。ちゃんと衛星プロジェクトのガントチャートにのっています。次に、衛星組み立て棟にて、外観検査と電気試験を行います。今回の出張は、Resolve 装置の冷却試験を行い、観測性能を確認することが目的です。2019年12月に新居浜で行った初回から数えて12回目の冷却試験で、これまでずっと試験をともにしてきた NASA や JAXA、大学関係者、製造メーカーのメンバーも続々島入り、2週間の試験を実施します。この後、建屋を移りながら、衛星をロケットフェアリングへ収納し、推薬を充填し、ロケット結合棟(3枚目)にてロケットに搭載して、いよいよ打ち上げに臨みます。打ち上げ直前に、13回目かつ最後の冷却を行いますが、そのために再び種子島を訪問する予定です(つ)。
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試験が順調に進んで休みが1日できたので、持ち込み自転車で種子島一周(いわゆる「タネイチ」)を敢行。時計回りに160km走破しました。特に東海岸沿いがオススメ。安納いもで有名な安納の集落も通ります。上から順番に(1)南東部の竹崎展望台からみた種子島宇宙センター。左端がロケット結合棟です。(2)南端の門倉岬。ポルトガル人が銃を持ち込んだところ。左端の山の向こうが種子島ロケット発射場。(3)西海岸。東シナ海に面する。左側堤防の上が屋久島。(4)北端の喜志鹿崎。右側に内之浦ロケット発射場が見えるハズ(写真が切れてしまった)。(5)東海岸。太平洋に面した亜熱帯の森。右端に増田局(打ち上げ直後の管制に使う)のアンテナが直立している。
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卒業・論文アクセプトお祝い会 + 歓迎会 (2023年3月17日)

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修士1年の望月です。今回は海老沢研究室の久しぶりの?お祝い会です。では、お祝い内容を発表します。辻本先生の論文アクセプト(前にも祝ったかもしれないです)、御堂岡さんの博士号取得&卒業、富永さんの就職内定お祝い、大間々さんのJ1820論文アクセプト&就職内定お祝い、長塚さんの卒業、栗原さんの修士号取得&JATIS論文アクセプト、(ファラデー)柏崎さんの学部卒業お祝い&歓迎、小川さんの歓迎です。多い! ゲストはLiteBIRDの研究をされているマツダさん、小栗さんです。
場所は、1年に1回登場する伝説の焼き肉屋さん、はせ川です!場所は少し遠いですけど、やはり行く価値のある美味しいお店でした。

お祝い内容のない僕は今回の会の幹事になりました(次は僕がお祝いされる番だ!)。

(もち)
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ブラックホールジェット・降着円盤・円盤風研究会 (2023年3月1日-3月2日)

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写真1:今回の会場の東北大学
写真2:おいしい牛タン

修士1年の望月です、今回はブラックホールジェット・降着円盤・円盤風研究会 2023 に参加してきました。 久しぶりの研究会ですね笑
この研究会では、ブラックホールの周りに存在している円盤(降着円盤)と、その円盤から物質が吹き出ている現象(円盤風)と、 ブラックホールの上下方向から出る強い放射(ジェット)の3つに絞ったテーマを扱っています。 かなりニッチな分野ですね笑。 幅広い天文学を扱う研究会よりも、この研究会はテーマが狭く深いので、発表後の質疑応答やその後の議論がとても有益でした。

これで私が行ってきた活動銀河核Mrk 766の研究は(たぶん)一区切りつきました。これからは、XRISM衛星の研究を進めていきたいと思います。天体解析だけではなく、装着の研究も行うことができる、そしてそれを強みにして、天体解析ができることが本研究室の特徴の1つだと思います。そろそろ研究室訪問の時期だと思うので宣伝しときました笑。

牛タン美味しかったー
(もち)
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XRISM衛星見学会(2023年2月20日)

写真  学部四年の柏崎です。筑波宇宙センターで開催された、XRISM衛星の見学会に参加しました。
 今回は普段XRISM衛星の開発に関わっていない宇宙研の学生や、来年度から宇宙研に所属する学生のため、 辻本先生が見学会を主催してくれました。 私は卒業研究でXRISM衛星に関する研究を行いましたが、その衛星を間近で見れたのはとても感動しました。 卒論発表の前日で行く前はちょっと気分が下がってましたが、とても楽しくすべてが吹き飛びました。 XRISM衛星の打ち上げが、益々楽しみです。(かし)

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XRISM衛星 最終電気試験 つくば出張(2023年2月5日-14日)


長きに渡った筑波での衛星試験もいよいよ最終段階ということで、これまで試験に参加してきた望月くん、栗原くん、富永が最後のつくば出張に行ってきました。今回は最終電気試験でした。Resolve装置のみでのサブシステム試験があり、衛星を組み上げ、熱真空試験、振動試験などしてきましたが、そのあと衛星がきちんと動くかどうかの最終確認のための試験です。これをクリアすると、XRISMはついに種子島にお引っ越しです。とは言ってもまだやることはあって、種子島で(本当の)最終試験を行ってから、打ち上げを待ちます。海老沢研究室の学生は新居浜、つくばでの試験に多く参加してきましたが、種子島での試験には都合上参加できません。ということで、重要な証拠写真としてクリーンルームで衛星とツーショットを撮って、、、きたのですが、試験場を公開することは規則上難しく、この日誌にアップできないことが何とも残念です…! 衛星が無事に種子島に到着し、来年度の打ち上げ、観測がうまく行くように、相模原から祈りたいと思います。…達成感満載の日誌を書いていますが、XRISM的にはやっとスタートかもしれませんね。宇宙の高温プラズマについて、どんな新しいことがわかってくるのか、海老沢研究室メンバーの研究テーマも、XRISM/Resolveデータの活用に向けて進行中です。(とみ)
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論文アクセプト&就職お祝い会兼忘年会(2022年12月23日)

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写真1:忘年会参加者集合写真
写真2:Chrisさん達との議論会
写真3:手作りシュトーレンに手を伸ばすChrisさん

 海老沢研究室忘年会2022がしゃぶしゃぶ温野菜にて執り行われました。 辻本先生のweekend astronomy論文アクセプトと長塚さんの就職先決定祝いということで、 「厳選牛とイベリコ豚コース」食べ飲み放題です。どちらもおめでとうございます! また、今回はゲストとして、Durham大学からChris Done先生とそのポスドクの都丸さん、 海老沢研究室OGの楠さんの3名がいらしてくださいました。
 宇宙研を訪問してくださったChrisさんと海老沢先生は旧知の仲らしく、忘年会の前に 研究室の学生一人一人と議論する時間をとってくださいました。自分はコロナ禍に入学組だったので、ここ最近になって ゲストが訪問してくることが多いのはまだまだ新鮮な気分です。でも、研究交流はいいものですね!  楠さんは海老沢研を卒業後、株式会社アイネットに就職され、現在は宇宙研でも進められている、 ある宇宙プロジェクトの電源系などに従事されているとのことでした。 来年D1になる身としては民間での働き方の話がとても興味深かったです。また、図らずも 楠さんと都丸さんは学部時代同じ研究室の同期だったらしく、世界の狭さを感じた会でもありました。
 今年もあっという間に終わってしまいました。来年はいよいよXRISM打ち上げですね、ワクワク。 2023年、皆様にとってもよい一年になりますように。(みき)

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連星系・変光星研究会2022(2022年12月16日)

写真 岡山は交通の便がよく、何度も行く機会があります。鉄道で乗り換えなしで行ける県庁所在地の数が最も多いのは、東京に次いで岡山でしょう(全部で18都府県)。先週LiteBIRD global f2f meeetingで岡山に行ったばかりですが、連星系・変光星研究会2022で再び岡山に行きました。この研究会は毎年持ち回りで、今年は岡山理科大にホストしていただきました。実は4年前に参加したときも岡山県美星町でした。とてもよい街です。
さて、この研究会は、その高いレベルで世界的に有名な日本のアマチュア天文家と研究者が集まる稀な研究会です。僕も、3年かけて空き時間にこつこつやった天文学の研究 (自分では weekend astronomy と呼んでいる) の発表をしました。連星の中心課題である連星進化の理解に重要な話(と思っている)をして、非常に盛り上がってよかったです。久しぶりに対面での天文学の研究会に参加しましたが、やはり対面での議論はオンラインと生産性が違いますね。次から次へとアイデアが湧いてきます。幅広いトピックについて有意義な議論ができてよかったです。ちなみに、岡山理科大は恐竜学で有名だそうです。学内に恐竜博物館(写真)があり、学生さんが研究で化石をクリーニングをしている様子も見られます(つ)。
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XRISM Meetinginつくば(2022年12月12日-12月15日)

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写真1:今回の会場のつくば国際会議場
写真2:会場の様子

修士1年の望月です、今回はXRISM Science Team Meeting #5 & XRISM core-to-core Multiwavelength Workshop 2022に参加してきました。

お前出張行きすぎだろ!と思ったあなた、その通りです。 これを最後にしばらくオフシーズンに入ります。

この研究会ではXRISM衛星の現状報告と打ち上がったらこんなサイエンスができるよ!というのを共有し、議論する場として開かれました。 XRISMによる観測によってどういう研究が期待されているのか、今までの研究の背景から勉強することができました。 ただ英語での研究会なので正直難しかったです。多分ちゃんと理解できたのは自分の研究と関係あるとこだけですね…。でも自分の興味を再確認できた気がします。

学生がほぼ参加せず、会場には研究者(ここではポスドク以上という意味)がほとんどで、しかも海外から来られた方が大半でした。(こういう状況だとは想像していなかった) あまりにも接点がなく、顔も名前もわからない状態だったので、あまりコミュニケーションをとることができませんでした。 海外の方はなかなか対面で会う機会も少ないですし、事前に参加者の人を調べて名前と顔と何の研究やっているかくらい調べて行くべきでした。 まだ学生以外の人との仲良くなりかたや距離間がつかめていないですが、次の研究会ではもっとコミュニケーションがとれるようになっていきたいと思います。

と、いうように最終日の前日にホテルでこの文章を書いたのですが、あれまだ1日あるじゃんということに気付き、最終日は積極的に話しかけて少しはコミュニケーションをとることができました。(よかったよかった)

(もち)
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LiteBIRD Face-to-face meeting(2022年12月5日-8日@岡山)

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12月は海老沢研究室メンバー出張祭りということで、今週はLiteBIRDプロジェクトメンバーが集まって進捗を報告、議論するFace-to-face(通称F2F) meetingが岡山で開催されました。 過去2年間はZoomを用いてScreen-to-screen(S2S) meetingとして開催されていましたので、実に3年ぶりの対面開催です。当研究室からは海老沢教授、辻本准教授、D2富永が参加しました。 また、まだ正式に研究室に所属しているわけではありませんが、来年度から研究室メンバーになる現四年生、柏崎さん(横浜国立大学)、森口くん(関西学院大学)も初出張として参加してくれました。2人は海老沢研究室でLiteBIRDがやりたい!と強い意志を持って(?)海老沢研究室を志望していたので、国際プロジェクトの実際の会議に参加してより実感が湧いたのではと思っています(真偽の程は分かりません笑)
初日はPIの挨拶やプロジェクトステータスといった(科学的ではないという意味で)政治的なセッションと、サブグループの取りまとめ役から、各グループがどのような目的を持ってF2Fを進めていくか、というイントロ的なセッションがありました。海老沢教授はScience Ground Segment(SGS; データ処理センターは何をするのか、どのような分業体制にするのか、など)、辻本准教授はredundancy policy(機器の冗長系を設計するための基本理念、具体的な設計案など)について、それぞれ代表でお話しされていました。
初日はポスター発表とサマリートークもあり、私は岡山大学と共同で進めている宇宙放射線の影響評価に関する研究について、最新結果を発表しました。ポスターの前でUS PIのAdrian Lee氏に質問されたときはここ最近で一番緊張しました(おそらく、理事長や社長に平社員が質問される感覚です笑)! また、コーヒブレイクタイムには、これまで共著者として論文を執筆したり、私の論文にコメントをくれていたGiuseppe Puglisi氏、Guillaume Patanchon氏、Tommaso Ghigna氏、Damien Rambaud氏、Tijmen de Haan氏らと久々に対面でお話をしました。特にDamienは、デジタル信号処理を行う基盤(ボード)の製作をされている方で、我々が提案したアルゴリズムを実装する、という連携プレーが必要なのですが、なんと今回初めて対面でお会いしました。「これで君がどんな人なのか分かったから、これからコミュニケーションがもっと取りやすくなる」と言われた時には、私もとても安心しました(私もどんな人なのか分かっていませんでしたし…)。
海老沢研究室メンバーの次なる大舞台は三日目のパラレルセッションで、ある部屋では辻本准教授と私がデジタル信号処理についてプレゼンし、別の部屋では海老沢教授がデータアーカイブについてプレゼンしました。 興味のあるセッションがパラレルになってしまうと、ゴソゴソと部屋を移動しながら聞きたい話をかいつまんでいく必要があります。特に、最新のシミュレーション手法についての発表は海老沢研究室メンバーにとって今度重要になるもので、四年生2人の修士論文でも使わそうだな、と思いました。
最終日はサマリーセッションということで、初日に講演したサブグループの代表が、三日間の議論を総括するという時間でした(よくできたプログラムだなあ)。 今回のF2Fは研究発表はもちろん、人と繋がりを持つ大変貴重な機会になったと感じています。 LiteBIRDはまだまだ開発事項が残っていますが、打ち上げまでの時間が迫ってきているのだとも感じました。私が海老沢研究室に来て四年目になり、そのうち半分の時間はLiteBIRDに費やしてきたと思います。こういった会議に参加し議論するたび、プロジェクトに貢献できている感覚があり、とても楽しいです(もちろん辛いことも多々…)。いろんな人の時間の積み重ねが衛星を作るのだなと思うと、やはり衛星開発の醍醐味はこれだと思うし、辛かったことは良い思い出になりますね。
毎晩違うメンバーでご飯を食べに行き、研究はもちろん日本文化についてお話ししたりして、これまでのF2F、S2Sで一番充実した会議になったと感じています。この感覚を更新できるよう、相模原でまた研究に励みます! (とみ)

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富永さん、日誌にちょっと便乗させて。僕はいろいろなプロジェクトに参加してるけど、LiteBIRDは国際的なプロジェクトで、日本、ヨーロッパ、 北米をつなげて毎週テレコンしてるから、特に大変なんだな (日本では23時から!)。でも、テレコンではなかなか決まらないことが、対面で顔を見ながら集中して議論すると、 サクッとまとまるから、気持ちいいねえ。僕の仕事はLiteBIRDからデータを受信して、それを解析して科学成果を出すまでの国際的なScience Ground Segmentの提案とりまとめ。 どの国もプレゼンスを示したいし、競争も激しいし、政治的な駆け引きも意地もあるから、これがなかなか一筋縄ではいかないんだな…。しかし、何とか「和を以て貴しとなす」心で協力して、人類の叡知を結集して、宇宙の誕生の謎を解明したいものだねえ。あと10年くらい後に、LiteBIRDが世界で最初に宇宙インフレーションの証拠を発見していることを願って…。僕は生きてる間に、どうやってこの宇宙が誕生したのか、どうしても知りたいんだ!
しかし、リアルな国際会議はいいものだねえ (三年ぶり!)。今回はだいぶフランス語会話の実践練習ができたぞ (もうすぐ仏検二級の二次面接試験!)。 さて、夜は岡山で飲むなら成田家へ!と言うことで、名物の鳥酢(250円)で一杯。 岡山駅周辺だけで何軒もあって、二日続けて二軒も行っちゃいました。(K.E.)。

AGN国際学会in鹿児島大学(2022年11月30日-12月2日)

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写真1:鹿児島大学。南国感がある。
写真2:桜島。迫力がある。
写真3:黒豚のラーメン。豚トロという名前でこれがすごく美味しい。2日連続で食べた。
写真4:黒豚のしゃぶしゃぶ。言わずもがな美味しい。
写真5:ライチの香りがする焼酎。本当にライチの香りがするが、これは芋から作られる香りなんだとか。

修士1年の望月です。今回はTracing the SMBH growth: outlook beyond the HSC-SSP, and future collaborationsという国際学会に参加するために鹿児島大学に行ってきました。

この学会のトピックはハワイのマウナケアにある可視・赤外線のすばる望遠鏡のHSC(Hyper-Suprime-Cam)を使った活動銀河核のサイエンスについてです。私の研究はすばる望遠鏡を使ったものではないですが、活動銀河核はX線だけではなく幅広い波長で観測できるため、多波長観測の新たな可能性を知るべく参加しました。また、この研究会では機械学習(主にクラスタリング)もメイントピックの1つとなっており、これについても勉強することができます。

私は初の国際学会での発表であったため、かなり緊張しましたが、無事に発表することができました。心配の質疑応答も何とかなりました笑。 アドバイス頂いた方々ありがとうございました。

学会では、”交流”も大事なことで、様々な人と(飲み会を通じて)仲良くなれました。これも対面学会の醍醐味。鹿児島は焼酎、黒豚がとても美味しくて良いところでした笑

p.s. 英語もっと勉強します… (もち)
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XRISM 貢献者表彰されました(2022年11月16日)

写真 今回が初めての XRISM プロジェクト貢献者表彰(2022年3月までのサブシステム試験期間での貢献が対象)に、Resolve 装置への貢献で当研究室の大学院生がたくさん表彰されました。おめでとうございます。全員、XRISM オリジナルジャケットを着用して記念撮影です。学生個人表彰部門では、ゲートバルブX線透過窓の較正で御堂岡くんが、X線イベントの相対時刻較正で大間々くんが、検出器と衛星バス系の電磁干渉で栗原くんが受賞しました。学生個人表彰は、Resolve装置開発テーマの論文を主著者で発表、というかなり高い基準です。全部で4人しかいないのですが、そのうち3人がうちの研究室ということで喜ばしいことです。また、富永さんと望月くんは、サブシステム試験へ何度も参加して、コマンド運用などを担当してもらい、団体表彰されました。他の皆さんも含めて、今後も活躍を期待しています(つ)。
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論文アクセプト・ウェルカムパーティ in 味ん味ん(2022年9月29日)

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9/29 に富永さん論文アクセプト&柏崎さん・森口くん・丹波さんウェルカムパーティを開催しました。場所はいつもの焼き肉「味ん味ん」です!(そろそろはせ川行きたい。。。)今回はこの日に見学に来ていた学生も招待して15人の大人数でのお祝いです。お祝いは久しぶりな気もしますが焼肉は美味しいですね。研究のことだったりそれ以外のことだったりあちらこちらで話が盛り上がっていました!次のお祝いされる側で参加したいです(T.O.)
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日本天文学会(新潟大学) その2 (2022年9月13日-15日)

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写真左:新潟駅前でコイン入れたら日本酒が出てくるぽんしゅ館
写真中央:海鮮の盛り合わせ
写真右:砂浜で花火

修士1年の望月です。今回は秋の天文学会に行ってきましたー。 コロナのせいで大学3年生から今までオンラインでの発表だったので、久しぶりの現地での発表はかなり緊張しましたね...。ただ、発表が始まったら堂々と発表できたのかなと思います!

天文学会の雰囲気はというと、思ったより厳かというわけではなく、私服で時間制限(9分+3分質疑)のなかで淡々と発表を行なっていく感じです。自分の専門外の発表は難しいですが、色々な研究成果を聞けるので楽しいです。

なんと言っても楽しいのは、色々な人と交流ができることです!今回は懇親会がないので、発表のセッションが終わった後に話かけたりして、たくさん知り合いができました。宇宙研以外の学生とお話すると、研究や進路で同じ悩みを共有できたりして、良い刺激をもらうことができました。お昼は、学食で友達の数珠繋ぎの様な感じで10人くらいで食べたりもしました。

また、新潟は食べ物が美味しいので、夜は毎日飲んで交流を深めました(遊んでました)。研究は楽しいことばかりではなく、地味なことの繰り返しでもありますが、なんらかの成果を出して、研究発表をし、様々な人と交流できることはいいですね。

新潟出張最高でしたー (もち)


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日本天文学会秋季年会(新潟大学) その1 (2022年9月13-15日)

さて、3年ぶりの現地開催の天文学会年会です。もうみんなリモート研究会の簡便さに慣れちゃって、 現地参加者は少ないかな、と思いきや、 想像以上にたくさんの現地参加者が! 僕も含めてみんな、もうコロナとリモートにはウンザリしちゃってるんじゃないかな?

今回は史上初のハイブリッドの天文学会年会でした。開催に向けて、天文学会と新潟大学の担当の方々は、 大変なご苦労をされたと聞いています。しかし、初めてにしてはトラブルも僅かで、現地でもリモートでも 発表・議論でき、ある意味、未来を先取りした理想的な研究会になったと思います。 今回の年会開催に尽力されたすべての関係者の皆様に感謝するとともに、敬意を表します。

今回は私自身の発表はなく、気楽に聴講し学会を楽しませて頂きました。当研究室の大学院生の発表は以下の通り:
D3 御堂岡 (活動銀河核) 「NLS1銀河 IRAS 13224−3809における輻射圧駆動部分吸収体の発見
D2 富永 (観測機器:電波) 「 Geant4を用いたLiteBIRD衛星における宇宙線の影響評価
D2 大間々(コンパクト天体) 「相互相関関数を用いたMAXI J1820+070 のタイムラグ解析
M2 栗原(観測機器:X線・γ線) 「 XRISM衛星搭載極低温検出器における電磁干渉の影響評価
M1 望月 (活動銀河核) 「活動銀河核Mrk 766が示す幅の広い鉄K輝線構造の起源」

分野と発表内容の多様性が、当研究室の研究対象の幅の広さを示してますね~。みんな良い発表でした。 何度も何度も発表練習したからね。

さて、コロナ渦でポスターセッションも懇親会もなく、ちょっと寂しい感はありましたが、 夜の古町あたりはなかなか趣がありました (江戸時代から賑わってた街なんですね)。 新潟で本格的なドイツビールが飲めるとは! 日本酒は「はでっぱの香」が良かったね。 新潟名物、するめの天ぷら(する天!)とか、栃尾の油揚げとかも美味しかったです。 現地参加の大学院生のみんなも、新潟出張を楽しんだかな?続きの出張報告をよろしく~。 (K.E.)


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D2の夏(2022年8月30日)

こんにちは、D2の富永です。 研究室日誌はいつも出張などのイベントがある時にしか更新していないので、たまには日常生活のことも書いてみようかな、と思います。 大学院生って研究ばかりしているイメージかもしれませんが、何かとやることがあったりします。 今年の8月は個人的にいろんなことに首を突っ込んでいたので、なかなか充実した夏を過ごすことができました。

研究としては、SPIEでの発表が終わり、LiteBIRD関連は一度お休みして、天体解析に復活していました。これまでの解析をまとめながら、ちょっとずつ論文を書いています。こちらは週に一回1時間、海老沢教授と辻本准教授とミーティングをして進捗報告や相談をしています。

8月初っ端は大きなイベントとして、きみっしょんがありました。これは、宇宙研が高校生向けに毎年夏に行っているプログラムで、宇宙研に所属する大学院生が運営をしています。高校生たちは1週間(この二年間はオンラインで)缶詰でミッションを考えます。正式名称は「君が作る宇宙ミッション」です。私はM1の時からこのスタッフをしていて、M2, D1は運営のコアメンバーをしていました。今年は平社員に戻って、ゆっくり楽しませていただきました。今年は期間中に開催される院生講義の講師としてもお声がけをいただきました。30分でたくさん伝えたいことがあったので、時間ギリギリになってしまいました(が、きっと色々と伝わったと思います)。もうスタッフも4年やってきましたが、来年はそろそろ隠居かなあ(笑)
きみっしょんにスタッフとして参加すると、理学から工学まで、幅広い学年の学生と知り合えることが結構なメリットだと思っています。


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(写真左) 7階の清水研究室(太陽関係の研究室)のM2吉田さん(左)とM1清水さん(右)にエレベータホールでバッタリ出会って、清水さん作成のきみっしょんTシャツで記念撮影しました!
(写真右) 院生講義のスライドをチラ見せ


また、実験室のお引越しをしました!この日誌にもたびたび登場している小栗さんと冬から冷凍機を使ってLiteBIRDの読み出しに関する実験を進めていく予定なのですが、実験場所を有効に使うため、重力波グループが使っていた6階の実験室の一角と、我々がいた4階の一角の場所を交換するという大移動でした。 6階には山崎研究室の実験室があり、冷凍機(うるさい)を使用するので、精密さが必要な重力波グループのレーザー実験は離し、冷凍機実験たちを固めてしまおうというのも移動の理由でした。

と同時に、LiteBIRD関係の研究室でJAXAのインターン生を受け入れていたので、ちょこちょこ実験の見学に行ったり、放射線問題についての講義を1時間2コマ担当しました。去年も似たような講義をさせてもらいましたし、実はJAXA職員さんの新人研修でも講演したことがあります。もう慣れたものです(笑) 個人的には、学年が上がるごとにこういった講演の数は増えているように思います。 お任せしていただけるのは大変光栄なことですね!

最後に、Artemis1に相乗りしていく日本の二つのCubesat・OMOTENASHIEQUULEUSの広報記録のお手伝いをしてきました。 特別公開の実行委員がきっかけで知り合った、水星探査計画BepiColomboのプロジェクトサイエンティスト・村上先生にお誘いいただいて、プロジェクト運用を記録するタスクフォースチームの一員として、動画・写真撮影をしてきました(かっこよ!笑) これは単に写真を撮りたかったのではなく、運用の雰囲気を知っておきたかったから、というのが一番の参加理由です。 X線天文衛星も昔は学生に運用当番の機会があったのですが、最近では完全に企業さんにお願いしており、運用に立ち会う機会は無くなってしまいました。 宇宙研では「はやぶさ2」の運用補佐としてRA業務ができますが、定常運用と打ち上げ直後のクリティカル運用ではやはり雰囲気が違います。 残念ながら打ち上げは延期になってしまいましたので、日程が決まり次第、また運用室にお邪魔することになりそうです。 (私が撮った写真がJAXAやプロジェクトのTwitterに使われるかもしれません笑)


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(写真左) インターン用のスライドもチラ見せしておきます
(写真右) 打ち上げ予定日だった8月29日の夜は運用室に入り浸っていました。JAXA staff腕章をもらってニコニコしてます


今年の8月はそんなこんなであっという間に終わってしまいました。 急に涼しくなってきて、もう秋なんだな、という感じがします。 来月は天文学会ですね。当研究室からもたくさん発表を出しますので、日誌での続報をお楽しみに。(とみ)
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第52回天文·天体物理若手夏の学校(2022年8月23日-8月26日)

第52回天文·天体物理若手夏の学校に参加してきました!これは主に大学院生が4日間に渡って研究発表するミニ天文学会のようなものです。

参加者は天文学の研究をしている学生ですが、専門分野が違う人に自分の研究分野を理解させるようにスライドを作るのはやっぱ難しいですねー。でも研究室の皆さんに助言を(かなり)もらって、良い発表ができた気がします。質問もたくさんきました!最後に授賞式があり、コンパクト天体の分科会のなかで3位にもなりました笑

他の研究室の学生と交流できたのもよかったです。特に3年生の時に参加した宇宙線研究所のスプリングスクールで一緒だった人たちに会えて嬉しかったです。

今年は残念ながらオンラインになってしまいましたが、次の発表の天文学会は現地参加予定なので楽しみです。(もち)


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H-IIAロケット47号機、種子島到着(2022年8月25日)

XRISM 衛星の打ち上げに使用するH-IIAロケット47号機が今月上旬に早くも種子島に到着し、いよいよ約10年に1度の大イベントが近づいてきました!今回は小型月着陸実証機 SLIM との dual launch になります。これまで参加したプロジェクトの衛星打ち上げは、2005年7月10日のすざく衛星打ち上げ(固体燃料ロケット M-V 6号機で内之浦から)と 2016年2月17日の ASTRO-H 衛星打ち上げ(液体燃料ロケット H-IIA 30号機で種子島から)があります。次回は、H-III ロケットを用いた LiteBIRD 衛星の打ち上げになるでしょうか。

すざく衛星の時は、偶然にも、当研究室立ち上げ直前の海老沢さんと一緒に、欧州南天天文台での観測のためチリに滞在中でした。ASTRO-H 衛星の時は、SXS 装置の打ち上げ運用に深く参加しており、打ち上げ1週間前までは種子島で最終調整、その後内之浦に移動して初期運用を行いました。機器の電源をオンして打ち上げるのを hot launch、オフして打ち上げるのを cold launch と言い、ほとんどの観測装置は cold launch です。しかし、SXS 装置、及び今回打ち上げる XRISM 衛星搭載 Resolve 装置は、保持する超流動ヘリウムの消費を少しでも抑えるため、打ち上げ直前に機器をオフして、直後のロケット上昇中に気化したヘリウムの排気を開始するというほぼ hot launch の、時間制限の極めて厳しい絶妙の運用を行います(その論文がこちら)。したがって、自分たちが完成させた観測装置ながら、実はその打ち上げの様子を眺める機会はないのです(あとで YouTube で見ます)。打ち上げを挟んで24時間体制の運用が数週間連続で続き、重要な判断を即時に行う局面が何度もあります。

衛星の方は、別途種子島に海上輸送され、種子島宇宙センターでロケット結合されます。現在 XRISM 衛星は筑波宇宙センターで試験中です。衛星試験最大の山場である熱真空試験の実施中で、この日誌にある通り、当研究室の学生さんも活躍中です。Resolve 装置の論文でも、当研究室の学生さんが多数謝辞に乗っています。自分たちが貢献した観測装置を搭載したロケットの打ち上げを経験する機会は一生モノなので、ぜひ満喫してほしいです。(つ)

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XRISM 衛星 システム試験 (7) つくば出張(2022年8月18日-22日)

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写真左:辻本先生にご馳走になった珍来の期間限定セット
写真右:XRISM衛星ミニチュア模型

8/18 から 8/22 まで、前半栗原、後半望月で熱真空試験に参加してきました。 主な仕事は、チャンバの中にいる衛星の状態を表すデータを定期的にチェックするお手伝いです。 今までの試験では、会う機会がなかったXtend(Resolveに加えて、XRISM衛星に乗るもう一つの装置)チームの方もいて、 新鮮に感じました。最近は長文傾向があるこの日誌ですが、たまには短く(笑)。 (みき)

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国際学会SPIE@カナダ・モントリオール出張(2022年7月16日-25日)


忘れもしない、M1も終わりかけの3月26日、神奈川県知事からの発表を受けて、宇宙研6階で職員さんたちが慌ただしくざわめきだし、翌週から宇宙研に来てはいけないという噂を聞きつけました。私はM1の頃、週に2回本郷へ通いつつ、CirX-1とMAXI J1348の天体解析をしていましたが、この頃ようやく修士論文に向けてLiteBIRDの宇宙放射線問題に取り組み始めていました。まさかそれから二年半、海外出張の機会が完全に無くなることになろうとは、その時は思いもしませんでした。

今回のSPIEは私にとって初めての現地での国際学会でした。飛行機に10時間以上乗って寝不足になる、その感覚さえも、懐かしくて楽しみでした(記憶以上に狭くてとてもしんどかったけれど笑)。 コロナ禍ということで、渡航に係る書類準備が少し大変でしたが、それに勝る期待に胸を膨らませつつ、後輩たちと一緒に宇宙研でポスターを印刷したものです。


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(写真左)Air Canadaで12時間の空路でした

(写真右)モントリオールの空港で待ちぼうけしている栗原くん


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(写真)飛行機からの雲海と、機内食シリーズ


今回の出張は、当研究室からだけでなく、LitBIRD, XRISMに関わる職員・学生が数多く参加しました。カナダ初日は調整日ということで、時差ボケをなおすべくゆっくり寝るつもりでしたが、なんと朝5時に目が覚めてしまいました…。が、同じ状況に陥ったらしい学生が他に3人も(笑)。LINEのメッセージで関本研究室M2の中野くんから「誰か起きてますか?」と連絡がくるや否や、当研究室M2の栗原くんと、愛媛大学D1の今村くんも起きてしまったらしく、四人で朝のお散歩に出かけました。ちょっとおしゃれな朝食を食べて、会場の下見をしたり、ふと教会に立ち寄ったり、モントリオール大聖堂に行ってみたり。充実した初日を過ごしました。

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(写真)お散歩の成果。スーパーの陳列がいかにも外国!という感じで、思わず写真を撮ってしまいました。ご飯は結構美味しかったです。


さて、肝心の学会発表では、2時間のポスターセッションの間中ひっきりなしに聴衆が訪れてくれて、とても話し甲斐がありました。今回は、昨年から岡山大学と共同研究している、Geant4を用いたLiteBIRDに対する宇宙放射線の影響評価の研究結果を発表しました。LiteBIRDのメンバーだけでなく、他のCMB観測プロジェクトに関わる人や、Athena衛星プロジェクトのメンバーとお話ししました。特に初めて対面で会うLiteBIRDメンバーの方々から「お前がMayuか!論文見たよ」と言っていただけたことが感激でした。印刷しておいた名刺や資料をできる限りばら撒いて、名前を売っておきました(笑)
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(写真)会場での様子。宇宙研の他の参加者も立派にポスター発表しました!


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(写真)左から、富永、栗原くん、関本研M2中野くん、関本研D3高倉さん、愛媛大D1今村くん、JAXAマツダさん

学会中は他のセッションを聞くことはもちろん、交流会も数多く行われました。同世代の博士課程女性学生とも多く知り合え、個人的にも励みになりました。


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(写真)ボストン大学のCatと仲良くなり、昼休みに学会会場近くで開催されていたPOUTINE FEST(カナダの名物料理の屋台がたくさん出ていました)に行ってきました。


準備から発表まで、緊張も含めてとても大変な国際出張ではありましたが、またぜひ参加してみたいです。でもやっぱり、日本は落ち着くなあ。(とみ)
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XRISM 衛星 システム試験 (6) つくば出張(2022年7月19日)

みんなから引き継ぎ、XRISM衛星システム試験 第6弾です。 前回参加時 (2019年12月) はつくばではなく、SHIの新居浜工場でResolve装置単体の試験でした。 今回はResolveが搭載済のXRISM衛星全体の試験だったため、プロジェクトが着実に進んでいることを実感しました。

今回1日だけ参加させていただいたのは、XRISM試験において特別な日だったからです。 宇宙での熱的環境、真空環境を模擬するため衛星丸ごとバカでかいチャンバに入れて熱真空試験をするのですが、まさに搬入の瞬間を見られるのがこの日だったわけです。 試験のため衛星に繋いでいた機材を全て切り離し、XRISM衛星は土台ごとゆっくりと動き始めました。 誇張なしでアリくらいゆっくり慎重に全長8m以上の衛星を移動し、直径13mもの大きなチャンバに1時間以上かけて搬入されました。 衛星プロジェクトに長年関わっている方々も、チャンバへの搬入は初めて見ると言っている方が多く、とても貴重な機会をいただいたなと思いました。

今回、つくばには前日から前乗りで行ったので、空き時間に牛久大仏を訪問しました。牛久大仏はつくば駅から車で30分ほどのところにある全長120mの世界一背の高い大仏です。 この大仏は内部に入ることができ、エレベータで胸の位置くらいまで昇ることができます。85mから眺める景色はなかなかでしたが、大仏の中から見ているのかと思うとなんかクスッときました。(御)

追記:JAXA公式のデジタルアーカイブスにXRISM衛星運搬中の写真が公開されたため、この日誌にも載せておきます。移動時のタイムラプスも公開してますのでぜひご覧ください。プレビューから動画視聴可能です。
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XRISM 衛星 システム試験 (5) つくば出張(2022年7月16日-7月18日)

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修士1年の望月です。XRISM 衛星のシステム試験に参加するため、つくば宇宙センターに行ってきました。

今回私が参加した試験では、前回参加したときの同様に、Resolve装置を50 mKまで冷やす試験でした。ただ、今回私はXRISM衛星の夜当番を行なってきました。衛星試験は夜になったら電源切っておしまい、また明日から、というわけにはいかず、夜も電源をつけ続けなくてはいけません。特に、今回のような冷却する試験では、冷やすために時間がかかることもあり、夜間においても衛星の状態について管理する必要があります。そこで、私は2日間に渡る夜勤で、衛星のモニタリングを行なってきました。衛星打ち上げまでは誰かが夜勤を行なっていることを改めて痛感し、衛星試験の大変さを感じました。

P.S. 夜勤は辛かった。画像は夜勤前に食べたカレー。(もち)


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海老沢研メンバー、臼井研メンバーから惑星科学を学ぶ会 (2022年7月8日)

「イノベーションは異なる分野がぶつかりあうところで起きるのだ」、というのは、古今東西、様々なビジネスや研究開発の事例を調査して得られた真理らしい。 まあ、確かにそうかなー。そう思って、数年前、そんなことを研究室日誌に書いたこともあるけど。

さて、今日は宇宙科学研究所内の異分野のぶつかり合いです。当研究室のD2、富永さんが企画した「海老沢研メンバー、臼井研メンバーから惑星科学を学ぶ会」の報告です。 実際、同じ研究所にいるのに、僕は惑星科学のことは全然知らないなー。研究室間の壁、と言うか6階(宇宙科学)と5階(惑星科学)の間の厚い床が壁になってるかも。 その壁をぶち破らないと、イノベーションは起きないなー。

では、会場は最近淵野辺にオープンした本格的なナポリピッツァの店で。 僕は以前、ナポリで何軒もピッツァリアの梯子をしたくらいだけど、このお店の石窯焼きピッツァは美味しいぞ!店長、また使わせていただきますね。 最後の写真も撮ってくれてありがとう!

さて、海老沢研メンバーが、臼井さんはじめ、惑星科学の専門家に質問するために準備していた質問

  1. 生命は地球で誕生したのか、あるいは宇宙で誕生したのか?どう思いますか?
  2. 最初の地球外生命はどこで見つかると思いますか?たとえば、火星、木星や土星の衛星、あるいは系外惑星とか?
を質問する時間は全くなく(笑)。しかし、カジュアルな会話の中から、たくさんの発見やアイデアの芽がありました。富永さんはジョージアのタマダの役目をしっかり果たしてくれました。 こうやって、お酒を飲んで食事をして、リラックスした雰囲気の中で情報交換するというのは、それが貴重な機会だからこそ、 古今東西、人類が何千年もやってきたことなんだろうね。  コロナ渦で、2年以上そういう機会がなかったから、人と人が対面で会って、カジュアルに話をすることの重要さをますます実感するねー。(K.E.)
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ヨーロッパ出張その4(2022年6月26-7月1日)

最後の訪問地はバレンシアです。ここではヨーロッパ全体の天文学会であるEAS2022に参加しました。元々オンライン参加を予定していて急遽対面参加となったので発表登録は間に合わず聴講のみでの参加となりました。参加者は2000人ほどとこれまでで最も大規模な会議で、15部屋ほどでパラレルセッションがあり、部屋にたどり着くのが大変でした。

この会議期間中、体調が悪く会議に参加できない日がありました。帰国の航空機離陸72時間以内にPCR検査を受ける必要があるため元々予約していたのですが、体調悪かった翌日がPCR検査の予約日だったため、コロナ陽性かもしれないとドキドキでした。結果的に陰性だったため本当に安心したのですが、まだまだ海外渡航はリスクが大きいなと感じました。海外出張する方はコロナ陽性になった際にしっかり対応してくれる海外旅行保険への加入と陽性を想定した事前準備をしておくと良いと思います。 (御)
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ヨーロッパ出張その3(2022年6月23-25日)

イギリスから再びスペインに戻ってきて、今度はバルセロナ大学を訪問しました。ここではAGNのX線研究に詳しい岩澤さんと議論しました。岩澤さんは学位取得後ずっとヨーロッパで研究をしており、特にヨーロッパの研究者の間で強く支持されているブラックホール理論モデルの専門家です。今回の訪問で、そのモデルについて元々気になっていたことを伺うことができました。やっぱり日本語での議論は深い話ができるのでいいなと思った一方で、もっと英語を練習しないとなーと再認識する場にもなりました。

休日にはずーっと行きたかったサグラダファミリアに行ってきました。最寄り駅から出た途端ドーンとサグラダファミリアがそびえ立っていていて、その存在感に圧倒されました。聖書を建物全体で表現しようと構想し、死後100年後にようやく完成するような緻密な設計をやり遂げたガウディはやはりとんでもないですね。

他にはFCバルセロナのホームスタジアムであるカンプノウの見学ツアーに参加しました。カンプノウと今回訪問したバルセロナ大学のキャンパスは徒歩5分ほどです。FCバルセロナの歴史が詰まった博物館を見学した後、いろんな席からスタジアムを見下ろすことができます。お世辞にもあまり上手とは言えないおじさん達がカンプノウでサッカーの試合をしていて、何者なのかとても気になりました。(御)
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ヨーロッパ出張その2(2022年6月18-22日)

イギリスのDurham大学を訪問し、Chris Done教授と議論しました。海老沢研のOBで現在京大にいる水本さんもタイミングを合わせてDurhamに来てくださっていたので、一緒に議論することができました。Chrisはブラックホール研究の第一人者で、これまで僕が全く考慮してなかった角度からのコメントを色々いただきました。帰国次第試してみたい解析が増えたのは大きな収穫でした。

休日には水本さんとダラムから2時間ほど電車に揺られスコットランドの首都エディンバラに観光に行きました。スコットランドといえばスコッチウイスキーですよね。ということでスコッチ博物館に行ってきました。ウイスキー樽を模したアトラクションに乗ってウイスキーの製造方法を学び、スコットランド5地方それぞれのウイスキーの特色を教えてもらった後、最も好みに近い地方のウイスキーを1杯試飲することができ、とても幸せな時間でした。

ダラムではハリーポッターのロケ地であるダラム大聖堂とダラム城の見学をしました。小さい頃少なくとも5周以上は本を読んだくらいハリーポッター好きなので、なかなかテンション上がりました。いつかロンドンのキングスクロス駅も行ってみたいなあ。(御)
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ヨーロッパ出張その1(2022年6月13-17日)

3年ぶりに対面での国際学会に行ってきました。3週間かけてマドリード、ダラム、バルセロナ、バレンシアを訪問したので、全4回のシリーズもので報告しようと思います。

成田から丸一日の長旅の末、ようやく到着したのはスペインの首都マドリードです。着いて早々、気温が40度もあり、異国を感じました。マドリード郊外のESACにてXMM-Newton Science Workshop -Black hole accretion under the X-ray microscope-に参加し口頭発表をしてきました。ESACはJAXAでいうISASのようなESAの天文学研究所です。 発表内容には多くの方が興味を持ってくれ様々な質問を受けました。議論したかった方々とも全員喋ることができ、とても有意義な1週間でした。

連日朝から晩までESACにいたのでマドリード観光はあまりできませんでしたが、研究者仲間とバルでタパスをつまんだり、一人で市場に行ったりして楽しみました。 この時期のスペインは22時くらいまで明るいので、昼間から飲んでるかのような背徳感を味わうことができました。 スーパー等でのアルコール購入は22時以降禁止されているらしいので、ホテルで1杯したい方はお気をつけください。(御)
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岡山大学出張その2+関西学院大学訪問 (2022年6月22-30日)

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(写真上段左)team cosmic ray! 左から、インターン生のClementino, Samantha, 富永
(写真上段右)インターン生Louisの誕生日パーティーに参加しました。他にもフランスからのインターン生が来ていました!(初対面でもノリでどうにでもなった)
(写真下段)岡山後楽園と吉備津神社観光

〜研究編〜
D2富永が二度目の岡山大学出張に行ってきました! 7月中旬に開催される国際学会SPIEで「Geant4を用いたLiteBIRD衛星における宇宙線の影響評価」についての研究結果について、共同研究者であるSamantha Lynn Steverさん、石野さんと議論することが目的でした(このお二人はもうおなじみですね)。 3月の一度目の訪問では、基本的なシミュレーション方法を確立することが目的でしたが、その後3ヶ月ほど相模原で色々な解析を進め、得られた結果を直接共有、議論し、学会発表の方向性を詰めました。 他にも、フランスから二人のインターン生が滞在中で、そのうち一人が宇宙線についての研究をしていたので、情報共有を行いました。

が、実はこの1週間、怒涛の締切と準備があり、なかなかハードな日々を過ごすことになりました…。
SPIEでは発表内容を査読なしの論文(proceedingsと呼ぶ)として事前提出することが求められているのですが、LiteBIRDグループでは提出前にグループ内で原稿のチェックがあり、共著者以外の人からのコメントをいただくinternal reviewという制度が存在します。頂いたコメントには、論文のレフェリーに対応するのと同じように返事を書き、対応する必要があります。 このコメントを6/15に受け取っていて、対応の締め切りがちょうど6/22だったのです。6/21の夜中になんとか完成させ、岡山大学へ向かう新幹線の中で最終調整と学会用のポスターを作成。東海道新幹線はいつも静岡が長く感じられますが、この日は集中していたのか、いつの間にか新大阪でした。岡山駅からはお決まりの「ももちゃり」で大学まで行き、早速ポスターの内容について相談。大体オッケーをいただき、余裕を持って学会に事前提出することができました。LiteBIRDのinternal reviewでも改訂したproveedingsが無事承認され、学会への締切である6/29には余裕を持って提出することができました。次に、6/24のLiteBIRD LFT (日本が担当している低周波望遠鏡のこと) teleconという会議で研究内容を発表することになっていたので、その資料を作成。こちらはプロジェクトメンバーだけが参加する会議なので、基本的な内容は省き、プロジェクト上重要な点に重点をおいた発表をする必要がありました。30分程度英語での発表なので、6/23に準備を済ませ(ぎりぎり…)、何度かホテルでも練習しました。発表も無事終え、たくさん質問をいただき、中でも重要な指摘についてはSPIE proceedingsに加筆し、原稿をアップデートすることができました(締切前なら何度でも改訂できますし、実は締切後も改訂できたりします…)。 出張の後半は、Planck衛星時代に宇宙線研究で活躍されたGuillaume Patanchonさんが岡山大学にいらっしゃったので、研究の話をしたり、Samanthaと今後の研究の方針を相談しました。また、6/30に関西学院大学神戸三田キャンパスを訪問し、研究内容のセミナーを開催することになっていたので、こちらの準備も行っていました。岡山最終日の6/29には一連の成果を辻本さんに報告し、実家のある大阪へ移動しました。
さて、大阪から電車とバスで2時間程度の関西学院大学神戸三田キャンパスには、理系学部の研究室が多数あるのですが、松浦研究室平賀研究室は宇宙研との関係も浅からず、お二人は海老沢さんや辻本さんとも面識があるようでした。松浦研究室に所属する4年生の学生さんがLiteBIRDに興味があり、来年から連携大学院制度を使って宇宙研で研究したい、ということだったので、リクルーター(?)として派遣されたのです。セミナーを聞きにくるのはせいぜい10人くらいかな、と思っていたら、周囲の研究室の四年生から教授まで、40人程度が聞きに来てくれました!大学の講義室で教壇に立ち講演するのは、M1の時に対面で開催された天文学会以来で、少し緊張しましたが、聴衆の顔が見える状態でお話しするのはやはりとても楽しかったです。たくさんの質問をいただき、1時間の講演時間をきっちり使い切りました!今回の講演の元々のターゲットであった4年生の方は、来年9月から当研究室に所属することが決まったそうです。日誌で紹介できるのが楽しみです。

〜英語編〜
岡山大学滞在中はSamanthaの居室に居候していたので、会話は英語。そして学生部屋に行っても、インターン生がいるので会話は英語。岡山って本当に日本だったっけ?というくらい日本語を話しませんでした…。が、やはり慣れというのは重要なようで、数日経つと、日本語よりも先に英語が出てくるくらいに英語脳になっていたと思います。研究以外にも、Work and Lifeバランスや、女性の研究環境について、Samanthaとたくさんの雑談をしました。一番面白かった会話を一つ紹介させてください。「もう疲れたから家に帰るね(I’m so low energy, so…)」「家に帰ってゆっくり休んで(Please deposit energy)」というものです。我々はLiteBIRD衛星の焦点面に宇宙線が蓄積するエネルギー(deposit energy)がノイズとしてどう影響するかを研究しているので、センス抜群のワードチョイスだと思いました笑
今回改めて実感したことは、日本語で完全に理解できていなければ、英語では伝えられない、ということです。そして逆も然り。自分の頭の中でしっかりとしたイメージがあれば、知っている単語を使ってどうにかこうにか相手に伝えることができます。そのため、普段よりも深い思考をした1週間になったと感じました。

〜お遊び編〜
せっかく岡山に来たのにどこにも行かないのは勿体無い、ということで、週末に後楽園に行ってきました。また、桃太郎線(吉備津線)に乗って、桃太郎伝説の発祥である吉備津神社に行ってきました。とても天気が良く、これぞ日本の夏!というような景色をたくさん見ることができました。吉備津神社には長い回廊があり、階段を登りながら紫陽花を楽しめるような場所もあって、とても良いリフレッシュになりました。 また、インターン生のLouisの誕生日会にも参加させてもらいました!「チーズの味が違う(これはチーズではない)」「Japanese sakeは美味しい」などなど、楽しい異文化交流でした。
(とみ)
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XRISM 衛星 システム試験 (4) つくば出張(2022年6月13日-15日)

半年ぶりにつくば出張に行ってきました。今回わたしは衛星の状態を監視するために垂れ流しになっているデータを監視するという役割で参加させていただきました。その監視の傍ら Resolve で取得されるX線イベントについたタイムスタンプ(時刻情報)を較正するためのデータ解析を行いました。

Resolve 検出器は36のピクセルで構成されています。飛来したピクセルやX線のエネルギー、前後のイベントの時間間隔に依存してタイムスタンプに系統的な誤差が乗ってしまいます。私の Resolve における仕事は、タイムスタンプの精度を要求性能以下にする較正直線の係数を求めることです。高精度なエネルギー分解能と精密な時間分解能を持ったデータは今後ますます重要度が増してくるように思います。それをささえる技術や原理を理解しつつ、貢献できることは宇宙研に所属する学生ならではだと思います。

今回はじめて宇宙で実際に観測を行うXRISM衛星と対面することができました。宇宙研が一般公開している交流棟に来たことがある人は知っているかもしれないですが、宇宙で観測を行う衛星はその表面は金色の膜で覆われています。これは宇宙線から衛星を守るためのものなのですが、端から見たらそれはまるで、小学生が夏休みの自由工作の仕上げに周りに金色の折り紙を貼り付けた作品のようにも見えます。私は、衛星を見るたび、最先端の技術が詰まった人類の夢を載せた衛星は子供の純粋な興味を体現したように思え、とても感慨深い気持ちになるのです。

なんかポエムぽくなってしまいましたが、アルコールがそうさせたことにして締めさせていただきます。(T.O)

P.S. すみません。石焼ラーメン食べたのですが暴れるスープに夢中になってしまい写真を撮るの忘れてました。ノーピクチャーでフィニッシュです。


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XRISM 衛星 システム試験 (3) つくば出張(2022年6月8日-11日)

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写真左:望月君紹介のラーメン
写真右:最終日の夜に食べたトッポッキ

XRISMシステム試験第三弾。 衛星EMC試験に当研究室から栗原、辻本先生(試験には日常的に“入り浸ってる”そうですが…笑)が参加しました。 他にもLite BIRDチームから常連のお二人(小栗さん、松田さん)+長谷部さん(IPMU)、愛媛大のD1である今村さんがいらしてました。
昨年の磁場干渉試験(cf. 210727, 210914の日誌)の際には、Resolve装置+MTQで実験しましたが、今回はその他の衛星機器も含め、衛星に積まれた状態でMTQを駆動しました。 先代のASTRO-Hに比べて、そこまで強いノイズは見えず…(もちろん、衛星にとっては良いことなんですけどね!笑)
その他、今回は4日間の参加ということで、いろんな思い出?があった気がします。 検出器の"First light"を見ることができたり、リアクションホイール(外乱トルクをためておく車輪。これを捨てるのがMTQの役目)が回る音が聞けたり、熱真空試験(次回の訪問?)の会場を覗いたり。 また、宇宙での日照、日陰時の運用を模擬した際には、各軸3本のMTQがフル稼働しているデータもとれました。
今回はこのへんで。ぼくと入れ替わりで筑波へ来た、大間々さんにバトンタッチしようと思います。(みき)

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XRISM 衛星 システム試験 (2) つくば出張(2022年5月31-6月5日)

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修士1年の望月です。XRISM 衛星のシステム試験(cooldown)に参加するため、つくば宇宙センターに行ってきました!

今回私が参加した試験では、XRISM衛星の中に今回から初めて搭載されたResolve装置を50 mKまで冷やす試験でした。Resolve装置はX線マイクロカロリメータという検出器が搭載されており、この検出器は温度上昇によってX線のエネルギーを見積もる検出器です。そのため比熱をできるだけ小さくする必要があり、極低温にすることでエネルギーの感度を上げています。また、冷やす過程も常温から一気に冷やすことはできず、何段階にも分けて冷やします。今回参加することで、その冷やす過程を実際にみることで理解が深まり、有意義でした。さらに、X線の較正源を検出器に照射する過程も見ることができました。私はこの照射されたエネルギーの較正の研究をしているので、実際に動いているものを見て、モチベーションが上がりました!

試験が早く終わった日に筑波宇宙センターと産総研の展示を見学したり、ホテルの近くの石焼きラーメンを食べたり、(初めて)一人焼肉もしてしまいました。石焼きラーメンおいしかったー。 よく試験に行く、栗原さんと富永さんと大間々さんにも勧めてしまいました。

出張もつくば宇宙センター自体も初めてで、緊張しましたが、楽しかったです。次は今村さん(愛媛大)と栗原さんが試験に参加します。(もち)


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Yokohama Crazy Night Encore (2022年5月27日)

えっと、横浜あたりでは、僕がフチノベで働いてるって言うと、それはどこ?って顔する人もいるけど、それほど辺鄙なところでもないよ。淵野辺発18時04分の横浜線に乗れば、直通で関内に18時51分には着くし。今日は19時から関内駅前のいつものビストロ酒場で、職場の若い仲間たちを集めて、計10人で予約してるよ。僕らがお店に入るといつもオッと迎えてくれる顔馴染みのソムリエは、今日はお休みみたいだけどね。

僕の若い仲間たちを紹介しよう。長塚君は2月に無事に修士論文を終えて、ウォルフ-ライエ星という、ちょっと変わった星に関する投稿論文がちょうどアクセプトされたところ。おめでとう!なんとか公務員試験にも合格して、来年から良い仕事をゲットしたいね。御堂岡君も、厄介なレフェリーとのやり取りでは苦労したけど、NGC5548という有名な超巨大ブラックホール天体についての投稿論文がやっとアクセプトされたところ。昨年結婚もされて(!)、今は必死で博士論文に取り組んでいるけど、終了後は某IT企業に既に就職が内定しているそうで。こちらもおめでとう!どちらの論文でも、昨年までJAXAの招聘職員だった菅原君には大変お世話になりました (大学院生を指導する義務はないのにね)。特にウォルフ-ライエ星の専門家の菅原君がいなければ (僕は素人だし)、うちの研究室からウォルフ-ライエ星に関する論文を二本も出せなかっただろうなあ。お陰様で、うちの研究室は『恒星から超巨大ブラックホールまで』幅広く研究対象にしてます、と宣伝できるようになったよ。どうもありがとう!菅原君は昨年から某宇宙ベンチャーに就職して、実社会でバリバリ活躍してるけど、コロナ下で今まで就職祝いができなかったから、ここで一緒にお祝いすることにしましょう。というわけで、今日は三人には僕が奢ります。乾杯!!

さて、100年に一度のパンデミックも、いよいよ終わりの始まりみたいだね。横浜の街も賑わいを取り戻してきて、今宵はこのビストロ酒場も大賑わい。人類誕生以来、パンデミックは何度も何度も起きてきたわけで、そのたびに人類は必ず生き延びてきた(そうじゃなきゃ僕らは存在しなかったわけだし)。今回の新型コロナパンデミックも、最初はいろいろゴタゴタしたけど、結局はmRNAワクチンの発明のおかげで(今年のノーベル生理学賞を取るんじゃないかな?)、過去のパンデミックに比べれば、被害の拡大も防げて比較的短期間で収束しつつあると言えるんじゃないかな。人類の科学と技術の勝利だ!

科学は必ず進歩し、人類の繁栄と幸福に間違いなく寄与するのだ、と一人の科学者としては信じたいところだけど。天文学の研究の仕事に就いて、大学院で教えて、若い仲間たちと宇宙の神秘を少しずつ明らかにしていくことを、じっくりと楽しんで。週末はこうやってリラックスして、横浜で楽しく飲んで騒げることを、とても幸福だとは思うけど。しかし、たった今、世界で起きていること、科学が進んでいるはずの国がやっているトンデモないこと、それによって苦しめられている人たちのことを思うと、どうしても心の底から楽しめる気分にはなれないかなあ…。

科学者として、何か力になれることはないだろうか、とも思うけど、難しい問題ほど簡単には解決できない。僕たち天文学者の仕事は、宇宙がどうやってできて、地球ができて、生命がどうやって誕生したかを、少しでも明らかにすること。それによって、人類は宇宙と世界と生命の尊さに少しずつ気づいていって、奇跡的に生まれた小さな星の上に奇跡的に誕生した生命を、もうちょっとだけ大切にしようかな、なんて思うようになるかも知れない。それにはまだ何百年もかかるかもしれないけど…。まあ、人類ガンバレ、もうちょっとだ。これまで100万年間、パンデミックにも氷河期にも巨大太陽フレアにも負けず、なんとかここまで頑張って生きてこられたのだから…。

いつもはおとなしい大学院生たちも、今日はみんな良く食べて飲んでお喋りするね~。飲み放題コースにして良かったよ。ツマミが足りないから、400gの名物ビフテキも二皿追加注文したけどね。これも僕の奢りだよ。Yokohama Crazy Night Encore。爽やかな5月の横浜の夜に、もう一度、乾杯。 (K.E.)
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XRISM 衛星 システム試験 (1) つくば出張(2022年5月12,13日)

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(写真:試験とは全く別の話題ですが、XRISMのnoteがあるみたいですね! よかったら見てみてください!)

 今年度1発目の出張日誌は、栗原が担当します。辻本先生、LiteBIRDチームから小栗さんと松田さん、と一緒に XRISM 衛星のシステム試験(通信系総合)に参加してきました。組みあがった衛星とは初めてのご対面。 これが宇宙へ行くのかと思うと、改めてすごさを感じました。

 システム試験の皮切りとなる通信系総合試験では、受信・送信時の電波強度や使用周波数帯域などが適切であるかを 確認していきます。衛星バス系を担当するNECさんがリードする横で、ぼくたちEMI(電磁干渉)組は (邪魔しないように気を付けながら)、通信系機器が放射する電波が検出器上部でどれほどの大きさになるのか、 データを取得しました。 (2月に行われたサブシステム試験では、検出器上部から模擬信号を入れ、検出器の応答を見たのでした。 つまり、両方合わせて評価すると、通信系機器 → 検出器への影響が推測できるわけです。) ただ、今回はResolve検出器は動いていませんでした。 これらが実動するのが次回、今後の日誌にご期待ください。

 P.S. 今までつくば宇宙センターに入る際には、都度入口で申請をして入構カードを借りる必要がありました。 今回から、(よく来る人として?)写真付きのIDカードをいただけたことが、ちょっぴり嬉しかったです! (みき)

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望月さん入学 (2022年4月1日)

東京理科大学から望月さんが東大修士課程学生として、進学しました。(K.E.)


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