JAXA 宇宙科学研究所 海老沢研究室へようこそ
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2018年度

イタリア ローマ出張(2019年1月23-25日)

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半年に一回開催されている LiteBIRD 衛星計画の設計会議。日本・北米・欧州各国が参加する計画で、各機関の持ち回りですが、今回はイタリアの番ということで、ローマのイタリア宇宙機関 (ASI) で開催されました。出国前に子供を寝かして羽田発の深夜便で慌ただしくローマ入り。無理がたたったのか体調を悪くして、研究会以外はあまり活動できませんでしたが、最終日は早朝にローマ市内を歩き回りました。写真左はコロッセオ。研究会の後にはローマ大学物理学科にも寄りました。エンリコ=フェルミやエミリオ=セグレなど、ノーベル物理学賞受賞者を排出した由緒ある大学です。写真はフェルミのノート(つ)。
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連星系研究会(2018年12月7-9日)

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岡山県美星町で開催された連星系・変光星・低温度星研究会2018に参加しました。日本のアマチュア天文家のレベルは世界一流で、特に変光星の分野の貢献が著しいことがよく知られていますが、この研究会はアマチュアとプロが交流する稀な研究会です。毎年開催され、これまで参加したいとずっと思っていたのですが、今回ちょうどネタがあったので初めて参加しました。山村の廃校跡を使って合宿形式の研究会のため、密にコミュニケーションが取れ、今後の研究テーマもできて、非常によかったです。左の写真は、日本のアマチュア天文の大家の一人、板垣さんが本業で売っているせんべい。研究会で出る茶菓の定番です。3日の日程でしたが、美星天文台、及び、谷を越えた向こうにある新設の京大「せいめい」望遠鏡(中写真)、共同利用の役割を終えた岡山 188cm 望遠鏡(右写真)のツアーもあり、大変盛りだくさんな研究会でした(つ)。
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新M1富永さん歓迎会(2018年11月8日)

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京都大学の富永さんが東京大学の大学院試験に合格され、来年度から海老沢研究室の仲間になることが決まりました。おめでとうございます!ということで最近はまっている海鮮居酒屋「遊喜や」さんに行ってきました!ここのオススメは何と言っても新鮮、デカ盛りの刺身&寿司!毎週通いたいくらい美味しく、富永さんにも歓迎の意を伝えられたのではないかと思います。
人気店ということもあり7人席に我々9人が少しギューギューになりながらの宴会でしたが距離感のおかげもあってかプライベートの話にも花が咲きました。
この研究室では論文が受理されると海老沢先生がご馳走してくれるので、美味しいお酒を楽しみに研究に励もうと思います!(御)
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フランス ストラスブール出張(2018年9月1日-5日)

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ストラスブール天文台は、世界中の天文学者に SIMBADAladin などの研究に不可欠のサービスを提供することで有名です。同天文台で開催された研究会に参加しました。カシオペア座γ星という天体は、W の真ん中に位置する普通の2等星ですが、X線では異常に明るくて青くその理由が30年来の謎となっています。この天体についての我々の最新結果を話しました(折よく、研究会中に論文が受理されました)。ストラスブールは、神聖ローマ帝国の都市として繁栄し、中世を通して世界で最も高い建物であった大聖堂にその威容を見ることができます。中には有名な天文時計があります。その後、仏独間で数奇な歴史を経て、いまは欧州連合の象徴となっています(つ)。
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フランス ツールーズ出張(2018年8月30-31日)

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欧州の長い夏休みが終わるのを見計らって、フランスへ出張に出かけました。最初の訪問地は、南仏ツールーズ。ここには、フランスの宇宙機関 (CNES;左写真) やエアバスなど、欧州の航空宇宙産業の一大集結地です。フランスは、多数の科学衛星をまとめてきた宇宙観測の輝かしい歴史があります。特に宇宙背景放射観測のプランク衛星搭載高周波望遠鏡は、我々の LiteBIRD 衛星計画で最もよい参照となる技術を用いています。その開発拠点である IRAP (フランスの宇宙研のようなところ) に2日間滞在し、プランク衛星を作り挙げたエンジニア達と技術的な議論を行いました。これらの技術者は、そろそろ引退する年代。人類の貴重な知識を伝承すべく、一念発起して帰国後からフランス語の学習を開始(でも、習得するまですごく時間がかかりそう...)。ヨーロッパの人は朝が遅いようで、ガロンヌ川沿いの早朝の散歩はとても気持ちいいです(つ)。
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気球VLBI実験@北海道大樹町(2018年8月4日-8月7日)

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2度目の北海道出張に行きました。VLBIの放球日は決まっていなかったのですが、別の地上実験をすることは可能ということで突然呼び出されたため、慌てて飛行機をとって出発しました。関東は酷暑が続いていたため、帯広空港に降り立った時はその涼しさに感動しました。しかし大樹町に到着するとむしろ寒くて薄着で来たことを後悔しました。
1日目は地上実験の準備、2日目の夜に実験を行いました(写真1枚目)。8月にホッカイロを使うことになるとは思っていなかったです。実験をしながら放球を待つことになっていたのですが、3日目には気球グループのメンバーが全員集められ「今年は風が悪く、全グループ放球は不可能」とのことで急遽撤収が決まりました。
放球が見られなかったのは非常に残念ですが、このVLBI実験を通して計画力やプログラミング能力がかなり身についたという点で得られたものが多かったと思います。修士論文になるようなデータは取れたと思うのでこれから頑張って書きます。撤収時にゴンドラで首を切るトラブルもありましたが無事に帰宅しました。VLBIグループとしては来年も挑戦したいとのことなので、次こそは良い風が吹くことを願っています。(写真2枚目は組立室裏からの景色)(下向)
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天文夏の学校@豊橋(2018年7月22日-7月25日)

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先日、M1の御堂岡が天文夏の学校へ参加してきました。夏の学校とは全国から大学院生が集う場であり、主に2つの目的で毎年開催されています。一つ目は、発表に慣れていない修士の学生に発表の機会を持たせ、経験を積ませることです。僕は現在論文執筆中の「Wolf-Rayet星の光度変動」について発表したのですが、発表会場がとても広く、ドキドキしました(写真左)。
2つ目は毎晩開かれる飲み会を通じて、同年代の研究仲間との親睦を深めることです。実際、様々な大学の学生と仲良くなれたので、今後の学会等での再会が今から楽しみです。また京大時代の友達にも久々に会え、有意義な時間となりました。

最終日は午前中に解散になったので、豊橋名物「カレーうどん」を食べに行きました(写真中)。実はこのカレーうどん、うどんの下にとろろご飯が入っており、二度美味しい仕様となっております。昼食に麺にしようかご飯にしようか迷ったアナタ、是非、豊橋にお越しください!
満腹になった後はやっぱり動物園ですよね?ということで東大の同期と共に行ってきました「のんほいパーク」(写真右)!「のんほい」とは豊橋付近の方言で、「のん」は同意を求めるときに、「ほい」は人に呼びかけるときに使われるそうです。例えば「ほい!おばあさん、明日はのんほいパークに行こうかのん?」、、、こういうことです。
何はともあれ、この充実した4日間で得た仲間と経験を糧に、今後も研究に励んで行こうと思います!(御)
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気球VLBI実験@北海道大樹町(2018年6月8日-7月2日)

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北海道大樹町にて気球VLBI実験に参加しました。この実験は気球を成層圏まで飛ばし、電波干渉計を展開可能かどうかを調べることを目的としています。将来的には数マイクロ秒角の分解能を実現することを目標にしています(これにより、ブラックホールの直接撮像が可能かもしれない)。今回は地上において、大樹町の気球に搭載してある電波望遠鏡・地上局と、本州の各地上局(水沢・臼田など)を相関させてフリンジを検出する実験が行われました。 JAXA/ISASの他にも国立天文台や大阪府立大学の方が現地で実験に参加しました。現地のメンバーは6、7人でしたが、本州の地上局の方々も含めると15人近くの方が実験に携わっています。(実験が終わるまでメンバーの詳細については部外秘とのことです。)

6/8の早朝に自宅を出発し、午前中にとかち帯広空港に到着。6月でもコートを着ていないと耐えられないくらい寒く、北海道にいることを実感しました。VLBIチームでレンタカーを借りて、広大な自然の中を海に向かって30〜40分ほど走ると大樹宇宙実験場に到着しました。実験場には遠くからでも目立つような巨大な格納庫があり、近くで見ると圧巻でした。この実験場があるからか大樹町は「宇宙の町」としてアピールしているようです(観光地はそんなにない)。気球ゴンドラの組み立てや地上実験は組立室で行っていました(写真左)。最初の10日間ほどはVLBIチームだけでしたが途中から別の気球グループも入ってきて賑やかになりました。

私はこの実験で気球の姿勢制御のためのStar Tracker(STT)開発に携わっています。大樹町では主に撮影・解析プログラムの作成やSTTの性能評価実験を行っていました。STTの実験は夜しかできなかったため、非常に寒い環境で中々過酷に思えました(写真真ん中)。しかし撮影・解析プログラムを走らせられる準備は整いました。自分の書いたプログラムが成層圏で走ると思うとワクワクします。

毎年夏に行われているこの実験は今回で3回目であり、風や天気の影響で放球は未だなされていません。「もう次はない」と言われているため今回で放球できることを願っていたのですが、7月下旬まで良い風が吹く見込みがないとのことで残念ながら一旦撤収してきました。7月下旬に放球を見られることを強く願っています。

帯広周辺はご飯が美味しく、食事が楽しみの一つでもありました(写真右)。帯広名物の豚丼・牛トロ丼と大樹町名物の大樹チーズサーモン丼が特に美味しかったです。(下向)


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重力波望遠鏡KAGRA訪問(2018年5月29日-6月1日)

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先月、初めての出張として岐阜県、神岡にある重力波望遠鏡KAGRAを訪問してきました!神岡は小柴先生、梶田先生がノーベル賞を受賞したことでも有名なニュートリノ観測装置のスーパーカミオカンデなど様々な研究施設が集積している地域です。これらの施設は地上のノイズを避けるため神岡鉱山の地下深くに作られています(そのため、なかなかアクセスは悪く4時半起きで始発に乗って向かいました)。重力波といえば一昨年アメリカのLIGOで初検出が発表されたこともあり近年の宇宙物理学のホットトピックとなっています。僕は現在進めているウォルフライエ星の研究と並行して重力波研究にも興味を持っているため、テーマ探しも兼ねて勉強しに行かせていただきました。

現地に着くとさっそくコントロールルームが目に入りました(写真左)。写真からもわかるように壁一面に様々なモニターがありとてもワクワクしました。こんなすごいところで何ができるのだろうかと少し不安だったのですが初日からKAGRA坑内に入り作業をすることができました(写真右:かぐらトンネル入り口)。自分たちで組んだ回路をKAGRAにインストールしに行ったのですがこれがKAGRAの一部として動くと思うと感慨深かったです。 その後も初めて学ぶことが多々あり、研究室に入ってから最も濃い一週間となりました。4日間常に海外の方とも作業をしていたのですが意思疎通がうまくいかず歯がゆい思いをすることもあったので、英語も含めこれからもっともっと勉強していこうと思います。(御)
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Rutherford Appleton Laboratoryで研究会出席(2018年5月15-17日)

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イギリスのRutherford Appleton Laboratory (RAL)で開催された、PV2018という会議に出席してきました。 私の専門のX線天文学に関する会議じゃなくて、JAXAでのお仕事、データアーカイブに関する会議です。 JAXA(日本)からの参加者は、私と、同じく科学衛星運用データ利用ユニット(C-SODA)に所属する若手のOさんの二人だけ。 高専を卒業して間もないOさん(私の娘に間違えられました!)は、パスポートを取るのも海外に行くのも初めて、という珍道中でした。

ヒースロー空港でレンタカーを借りて、西に約1時間のドライブ。ハーウェルという田園地帯の田舎町にRALはありました。とても有名な研究所で、名前だけは大学院生の頃から知ってましたけど。「ぎんが」衛星のデータを使った共同研究で、もう30年くらい前にRALの研究者とやりとりしたのを覚えてます。 RALは、宇宙も素粒子も(写真中)、放射光(写真右)もやっていて、日本で言うところのJAXAとKEKとRIKENを合わせたような、立派な研究所でした。世界的にも、これらの「ビッグサイエンス」を同じ場所でやっているのは珍しいと思います。その背景には、なにかイギリス独特の考えがあるのか、ないのか…。

研究会では、"Data Policy of Institute of Space and Astronautical Science(ISAS) at JAXA"という題で発表してきました。 こちらの収録のp.61です。願わくは、人類が協力して宇宙の真理を探究し、科学的知識(データ)を共有することで、 宇宙と地球と人間の尊さに一層目覚めることを。それが、国や民族同士の争いを妨げ、より平和な世界の構築に少しでも役立つことを。という目標は 2005年にISASに就職したときから変わってないけど、ちょっとは進展があったかな?(K.E.)
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御堂岡さん入学 (2018年4月1日)

京都大学から御堂岡さんが修士課程学生として進学しました。(K.E.)


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