第3章 ラムダの苦悩と栄光

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バーから実験場へ直行

鹿児島宇宙空間観測所の初のビッグ・イベントは、まずもってL-3型ロケットによる高度1,000kmのクリアであった。本来1964年3月に飛ばすはずになっていたL-3型1号機が、ガスの発生による天候不順によって大幅に延期され、7月になった。観測上の要請によって未明に打ち上げるので、3月には連日午前3時出勤を繰り返したが、ついに天は味方せず、延期になったものである。

内之浦に当時「ロケット」という名前のバーがあり、そこで気炎を上げてそのまま実験場へ直行という猛者が2、3人いた。さしさわりはないと思うが、名前はここでは言わない。

この1号機は高度857kmだったが、2号機はついに高度1,000kmに達し、日没直後の空に向けて上昇するにつれて、機体を中心に大きく上空に青白い光の輪がひろがって行った。その神秘的な光景がいつまでもこの実験に参加した人々の眼に焼き付く鮮やかな実験であった。

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