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小惑星探査機 はやぶさ

今週のはやぶさ君

2009年12月

2009年12月31日[更新] ※12月28日掲載

今週も、はやぶさ君は元気に地球へのたびを続けています。
はやぶさ君の運用は、12月31日から1月1日の年越しを除いて年末年始も続いていますが、JAXAとしては明日から休みに入りますので、本号は繰り上げ掲載です。

はやぶさ君の弟、小型ソーラ電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」君が、2010年度に種子島宇宙センターから、金星探査機「あかつきくん(PLANET-C)」と一緒に打ち上げられる予定です。イカロス君は、一辺約14.1mの大きな帆を拡げてヨットのように太陽の光を受け、ソーラーセイルによる航行試験などを行う予定です。
イカロス君へのメッセージを募集していますので、太陽系の大海原をセーリングしたい方は、ぜひこの機会にご応募ください。

皆さま、今年も、はやぶさを応援してくださって、本当にありがとうございました。
良いお年をお迎えくださいませ。

2009年12月31日00時00分(日本時間では、12月31日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離74,867,810km、赤経9h43m58s、赤緯16.16度にいます。

2009年12月24日[更新]

はやぶさ君は今日も元気にイオンエンジンを使った加速を続けています。
軌道設計のグループでは、さまざまなケースを想定しては、イオンエンジンを使う時期や必要な加速の量や方向を検討し続けています。はやぶさ君は太陽の周りを廻りながら地球に近づいてきますので、どのタイミングで、どの方向に、どれくらいの出力を出すかが非常に重要です。選んだ変数によって通信状況が変わったり、イオンエンジンの総仕事量が変化しますので、各担当者とも協議を重ねます。

はやぶさ君が地球に戻ってくるためにはイオンエンジンが頼みの綱です。川口プロジェクトマネージャーがポ ケットマネーで戴いてきたお札たちも、運用を見守ります。この神社さんのお名前は、「中和神社」と書いて「ちゅうかじんじゃ」と読むそうです。イオンエンジンの中和器に、いかにもご利益がありそうです。

2009年12月24日00時00分(日本時間では、12月24日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離83,957,780km、赤経9h39m10s、赤緯16.16度にいます。

2009年12月17日[更新]

今日も、はやぶさ君は順調に航行を続けています。
はやぶさ君と地球との距離が1億kmを切りました。はやぶさ君は今のところ、一日約150万kmずつ地球に近づいてきます。通信のための電波が、地球からはやぶさ君まで行ってまた帰ってくるまでの時間も10分台に載りました。これを機に、「軌道情報」を充実させることになりましたので、ぜひご覧ください。
小惑星探査機「はやぶさ」情報 > 軌道情報

日本からはやぶさ君と通信ができる時間帯は、現在のところ22時ごろから9時ごろまでで、日を追うごとに早い時間帯になってきています。この通信可能な時間帯の中から、プロジェクト側の希望や他の衛星の希望運用時間との調整、アンテナ側のスタッフの交通事情や勤務事情などを考えに入れながら、はやぶさ君の運用時間が決まっていきます。

現在はうすださんがメンテナンス中ですので、はやぶさ君の運用には鹿児島県内之浦にある直径が34mのアンテナを使っています。この34mのアンテナと隣にある20mのアンテナを使っていろいろな衛星を運用しています。

ちなみに、「暑い場所には近寄りたくない&熱いものを見たくない」あかりちゃんと「太陽を見つめていたい」ひので君は、両名とも地球の明暗境界線上を一周1時間半ほどで廻っています。したがって、この2台の衛星の運用を行うのは、「明け方」と「夕暮れ」です。この、アンテナが忙しい時間帯を避けるために、はやぶさ君の運用は基本的に夜中になります。

2009年12月17日00時00分(日本時間では、12月17日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離93,638,110km、赤経9h32m36s、赤緯16.28度にいます。

2009年12月10日[更新]

本日も、はやぶさ君は地球に向けて帰還のための運用を続けています。
小惑星イトカワに滞在している間、はやぶさ君はイトカワをいろいろな波長で観測しました。2009年10月22日の回で紹介した近赤外線での観測に加えて、イトカワ表面の岩石に含まれている元素を知るために、蛍光X線の観測も行いました。

蛍光X線とは、太陽からのX線が岩石の中の一つの原子に当たったのをきっかけにして、その原子から出てくるX線を言います。各原子から出てくるX線の波長は、原子の種類によって決まっています。ですから、太陽にまんべんなく照らされたイトカワ表面からどのような波長のX線が観測されるかで、イトカワ表面にどのような原子がどの程度の割合で含まれているかを知ることができます。この蛍光X線による観測から、イトカワは普通コンドライトと似た元素からできていると考えられます。この結果は、近赤外線による観測結果と矛盾していませんね。

蛍光X線観測については、加藤研究室のサイトをご覧ください。
新しいウィンドウが開きます 宇宙研 加藤學研究室 > 蛍光X線観測とは

イトカワの観測の成果については、以下をご覧ください。
トピックス:2006年6月10日【「はやぶさ」によるイトカワの科学観測成果、科学雑誌「サイエンス」が特集!】
ISASニュースNo.330:宇宙科学の最前線【小惑星イトカワを探る その後の進展】

2009年12月10日00時00分(日本時間では、12月10日の9時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離103,826,090km、赤経9h24m34s、赤緯16.57度にいます。

2009年12月3日[更新]

今週も、はやぶさ君はコツコツとイオンエンジンを用いた加速を続けています。

先週に引き続き、たくさんの応援ありがとうございます。
皆様の声援は、運用室前の廊下に掲示され、地上スタッフの士気を高めるのに貢献してくれています。

管制室廊下1

管制室廊下2

また、先日は、はやぶさスタッフ宛に面白い差し入れがありました。A,B,C,Dの名前の付くドリンク剤のカートンを集めてイオンエンジンを表し、そのAとBの間をダイオードでつないでいる芸の細かさに注目です。(画像クリックで拡大画像が開きます)

来年、「あかつきくん(PLANET-C)」が金星に向けて出発します。あかつきくんは、さきがけ君、すいせい君、のぞみちゃん、はやぶさ君に続いて、月よりも遠くに向かう探査機です。皆さんも、金星探査機あかつきくんと一緒に、金星への旅に行きませんか?

2009年12月3日00時00分(日本時間では、12月3日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離114,430,910km、赤経9h15m14s、赤緯16.99度にいます。

2009年11月

2009年11月26日[更新]

はやぶさ君のイオンエンジンが不調になった時には、たくさんの心配と励ましのメッセージをいただきました。そして、先週、帰還運用の再開を発表した際には、先にも増してたくさんのお祝いと激励のメッセージをいただきました。本当に、本当に、ありがとうございました。
皆さまのおかげで、はやぶさ君も、スタッフ一同も、大いに力づけられました。皆さまから、メールで、手紙で、そして掲示板上で寄せられるたくさんの声が、はやぶさ君を帰還運用の再開へと駆り立てたのだと思います。心より感謝いたしております。

今週も、はやぶさ君はいろいろと工夫を凝らして頑張っています。そんなはやぶさ君を地上スタッフがほぼ毎晩運用しています。そして、大勢の皆さまが、はやぶさ君を見守ってくださっています。

11月12日の日本時間で3時12分頃、はやぶさ君は火星を撮影しました。はやぶさ君が星を見ながら自分の向きを知るための装置、スタートラッカのカメラで撮った写真です。火星と はやぶさ君との距離は0.13auで、露光時間33msecでの作品です。元の写真が左側で、これに星の名前を書き加えたものが右側です。中央上の明るい星が火星で、その周りにしし座の星があります。火星の上下に見られる白い縦線はスミアという現象で、CCDカメラで他の星より飛びぬけて明るい火星を撮ったため表れたものです。右側の図でMARと書かれたものが火星、LEOとかかれたものがしし座の星たちです。LEOの前の文字はギリシア語のアルファベットを現していて、その星座で最も明るい星から順にアルファ(ALP)、ベータ(BET)、ガンマ(GAM)と名づけられています。ALP-LEOはしし座で一番明るい星、レグルスですね。

[画像クリックで拡大画像]

[画像クリックで拡大画像]

2005年の11月25日、はやぶさ君は再びイトカワへの着陸を行いました。88万人の署名が入ったターゲットマーカを発見し、イトカワにタッチダウンをし、順調に上昇したのですが、姿勢制御をしようとしたときにトラブルが発生したのでした。当時の様子はリンクをご覧ください。

ちなみに、あの日に使ったホワイトボードはそのまま、はやぶさ運用室に置かれています。

2009年11月26日00時00分(日本時間では、11月26日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離125,379,350km、赤経9h4m55s、赤緯17.50度にいます。

2009年11月20日[更新]

はやぶさ君1日遅れの更新となりましたが、ご心配をおかけいたしておりますはやぶさ君は、イオンエンジンBのイオン源とイオンエンジンAの中和器を同時に使用することにより、地球帰還に向けての加速を加速を開始しました。詳しくはプレスリリースをご覧ください。

イオンエンジンは、プラスに帯電したキセノンイオンを電気の力で加速し放出するためのイオン源と、負電荷を持つ電子を放出してキセノンイオンを中和するための中和器から成り立っています。
ですので、中和器が働かなくなってしまうと、プラスに帯電した粒子だけを放出するはやぶさ君本体がマイナスに帯電してしまうのです。はやぶさ君本体がマイナスに帯電してしまうと、せっかく加速してイオン源から放出したキセノンイオンが、静電気の力ではやぶさ君に戻ってきてしまいます。プラスに帯電したキセノンイオンがマイナスに帯電したはやぶさ君にひきつけられてしまうのですね。ですので、中和器が使えない状態では、はやぶさ君はイオンエンジンを使って加速することができません。

今のところ、はやぶさ君が持っているのは、既に中和器が劣化して使えなくなってしまったイオンエンジンB, Dと、イオン源の調子が悪いイオンエンジンAと、まだ使えるが中和器がやや劣化し無理をさせられないイオンエンジンCです。
そこで、イオンエンジンのイオン源と中和器とを分けて考えることにいたしました。
イオンエンジンAはイオン源の動作が不安定なためにほとんど使用しておりませんので、その中和器は「新品同然」です。
一方、イオンエンジンBとDは中和器が劣化しておりますが、イオン源のほうは動作しております。
そこで、イオンエンジンBのイオン源とイオンエンジンAの中和機を組み合わせたところ、順調に動作し、はやぶさ君が加速する様子も確認されました。

はやぶさのイオンエンジンチームは、打ち上げ前に中和器にバイパスのダイオードを組み込む工夫をしていて、それは地上試験は行ったことは無かったのですが、今回、軌道上で試験をして機能を確認しました。
このバイパス回路によって、別々のエンジンのイオン源と中和機を組み合わせて運転をすることができたのです。

まだまだ、安定な運転には経験を積まなくてはなりませんが、ともかく再起動して地球に向かいはじめました。
未来のことを述べるのに確定はありえませんが、はやぶさ君が来年の6月に地球に帰れる確率を少しでも高めるために、日々精進しております。

2009年11月19日00時00分(日本時間では、11月19日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離136,612,320km、赤経8h53m43s、赤緯18.06度にいます。

2009年11月12日[更新]

はやぶさ君はエンジンのトラブルに見舞われましたが、何とかしようと懸命にがんばっているところです。
11月4日に、はやぶさ君のイオンエンジンの一基が自動停止しました。はやぶさ君がイオンエンジン用の中和器にかかる電圧が上がりすぎたことに気づいたからです。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。

ただいま、地上チームも、はやぶさ君の現状を把握し地球に帰還させるべく、全力を挙げています。
イトカワに滞在していた頃と比べると地球と はやぶさ君との距離が近くなったとはいえ、まだ、1.5億キロも離れています。電波が往復するのにも時間がかかりますし、ダウンロードできる速度も限られているのです。それでも、何とか、良い方法を見つけようとがんばっています。

2009年11月5日[更新]

4年前の2005年11月4日、イトカワからの距離約7kmのホームポジションから一通りの観測を済ませたはやぶさ君は、イトカワへの着陸のリハーサルを行いました。
11月4日に行われた一回目のリハーサル降下試験では、イトカワの表面が予想もしないほどでこぼこしていたため、はやぶさ君のデータ処理が追いつきませんでした。そこで、イトカワから約700mの地点で一旦降下を中止しました。

2003年に はやぶさ君が地球を出発するときには、イトカワの表面がこんなに起伏に富んでいるとはほとんど誰も思っていませんでした。むしろ、イトカワ上に目印となる点がないことを心配して、ターゲットマーカを開発したくらいなのです。

一回目のリハーサル降下試験で得られたデータを詳細に分析して、リハーサル降下再試験の計画が立てられました。下の二つめのリンクの題名は「再試験」ですが、一回目の降下試験の結果についての詳細な分析が載っています。こうやって、はやぶさ君は、未知の領域に少しずつ、少しずつ足を踏み入れていったのですね。

2009年11月5日00時00分(日本時間では、11月5日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離159,636,050km、赤経8h29m2s、赤緯19.28度にいます。

2009年10月

2009年10月29日[更新]

今日も、はやぶさ君は地球に向かって順調に航海を続けています。
2005年に行われた、はやぶさ君の観測で明らかになったものの一つに、小惑星イトカワの密度があります。

まず、はやぶさ君はイトカワの形を精密に計測しました。これでイトカワの体積がわかります。
イトカワの質量は次のようにして求めました。まずはイトカワに寄り添うはやぶさ君の軌道を細かく観察して、化学エンジンを吹いていないときのはやぶさ君の加速度を測定します。化学エンジンを吹いていないときには、はやぶさ君に加わる力のうち、太陽や惑星の重力分、太陽光に押される分(太陽輻射圧)を取り除いたものが、イトカワが はやぶさ君を引っ張る力、つまり、イトカワの重力分です。
つまり、はやぶさ君に加わる加速度のうち、イトカワの重力により得られた分を推定することができれば、イトカワの質量がわかるのです。

はやぶさ君の観測から求められたイトカワの密度は1.9g/cm3で、近赤外分光器の観測結果から予想されるイトカワの原材料、LLコンドライトの平均的な密度3.2g/cm3と較べるとずいぶんちいさいです。このことから、小惑星イトカワは、たくさんの隙間がある「がれきの積み重なり」であると考えられました。
また、イトカワ表面からの脱出速度は秒速数十cmしかないにもかかわらず、はやぶさがタッチダウンを行った「ミューゼスの海(正式名称はMUSES-C Regio)」は直径が数mmから数cmの細かい石に覆われていました。秒速数kmの隕石の衝突によって発生する破片の速度は、細かいものほど速いと考えられています。ですから、こんなに細かい石がイトカワ表面に存在するなんて思いもよらなかったことなのです。

こういう細かいことは、やはり実際に近づいて見ないとわかりません。
はやぶさの観測により、多くのなぞが明らかになり、新たななぞがたくさん生まれました。

2009年10月29日00時00分(日本時間では、10月29日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離171,281,440km、赤経8h15m48s、赤緯19.89度にいます。

2009年10月22日[更新]

今週も、はやぶさ君はこつこつと軌道変更に励んでいます。
4年前の2005年、はやぶさ君は小惑星イトカワの観測に励んでいました。人間の目に見える波長の光(可視光線)だけではなく、近赤外線や、X線による観測も行っていました。

はやぶさ君に積まれている近赤外線分光器は、800nm〜2100nm程度の波長の近赤外線を観測することができます。
地上の実験から、隕石に多く含まれている輝石やカンラン石などの粉が、どの波長の赤外線をどの程度吸収するかがだいたいわかっています。
その実験結果と、はやぶさ君が観測したイトカワ表面のデータを比較したところ、イトカワの表面の石は普通コンドライトのなかのLLコンドライトと呼ばれる隕石に近いことがわかりました。

2009年10月22日00時00分(日本時間では、10月22日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離182,945,870km、赤経8h2m2s、赤緯20.47度にいます。

2009年10月15日[更新]

今週もはやぶさ君は順調に地球への道を歩んでいます。
相模原にある、はやぶさ君の運用をする部屋には、臼田で受信した「はやぶさ君からの電波の強度」を刻々と表示するモニタがあります。これは、臼田局にある受信状況の表示をウェブカメラで撮って転送したものなのです。

運用が終了すると、このモニタには臼田のアンテナが映ります。その中で、うすださんの向きが、今まで通信を行っていたはやぶさ君のいる方向から、真上を向いた定位置へと動いていきます。うすださんの直径は64mもあるので、もちろん一部しか画面に入りません。同じ画面に映っている車などと比較すると、その大きさに圧倒されます。

その日の運用が終わるたびに、雄大な自然の中にこれまた悠然とたたずむうすださんを見ながら、「ああ、今日も無事に運用が終わった。うすださんも、お疲れ様」と思います。

2009年10月15日00時00分(日本時間では、10月15日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離194,569,620 km、赤経7h47m48s、赤緯21.01度にいます。

2009年10月8日[更新]

はやぶさ君は9月26日未明にイオンエンジンの再点火に成功しました。
そして本日も、イオンエンジンを使って順調に軌道変換を実施しています。

臼田さんからはやぶさ君が見える時間帯が、ずいぶん早くなりました。日本時間で深夜0時からお昼の12時までです。
イオンエンジンを吹いている間は特に、できるだけ長い時間はやぶさ君を見守っていたいものです。しかしながら、臼田さんは山の中腹にありますので、夜の間の交通手段がありません。朝になってから運用を始めたのでは、ほんの数時間しか、はやぶさ君を見守ることができません。

そこで、はやぶさ君の運用を行う時間が深夜0時からになりました。はやぶさ君を見守るスタッフも、替わり番こに夜行性になります。運用時間も長くなり、はやぶさ君も回転をやめたので、今までよりもたくさんのデータを下ろすことができます。

2009年10月8日00時00分(日本時間では、10月8日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離206,082,350 km、赤経7h33m7s、赤緯21.50度にいます。

2009年10月1日[更新]

本日も、はやぶさ君は順調に帰還の途についています。
遠日点にいた8月中旬と比べると、作れる電気の量が少しは増えましたが、まだまだ油断はできません。例えて言うと、常夜灯の5Wの豆球をつけるかつけないかを真剣に悩むくらいです。

そんな厳しい旅を続けるはやぶさ君は、MLIと呼ばれる金色の断熱材に包まれています。ちょうど周りは真空ですので、魔法瓶に入っているような状態だともいえます。

日常生活からは想像もつかないような環境にいる宇宙機の温度環境を調べる研究や、断熱材MLIの材料の研究には次のようなものがあります。

この断熱材の技術は、銀色に輝くプラスチック製の「毛布」となって、アウトドア用品や防災用品にも使われていますよ。

2009年10月1日00時00分(日本時間では、10月1日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離 217,429,900km、赤経7h18m7s、赤緯21.93度にいます。

2009年9月

2009年9月24日[更新]

今日も、はやぶさ君は元気な様子を報告してくれています。
2005年の今頃、はやぶさ君はひたすらイトカワの写真を撮って送ってきてくれていました。ひたすら、と言っても、3億キロの彼方にいるはやぶさ君との通信速度は、はやぶさ君のハイゲインアンテナを地球にぴったりと向けても、最大8kbpsですので、月周回衛星のかぐやちゃんや、地球周回衛星のあかりちゃんたちと比べると、どうしても撮った写真の数が少なくなります。
しかも、その8kbpsの回線で、はやぶさ君の健康状態のデータや、写真以外の観測機器からのデータも入れなければいけないので、できるだけ無駄なく通信回線を使う努力が繰り広げられたのはいうまでもありません。

その頃撮った写真は「はやぶさ」サイエンスデータアーカイブ(英語)をご覧ください。

2009年9月24日00時00分(日本時間では、9月24日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離 228,573,060km、赤経7h2m46s、赤緯22.29度にいます。

2009年9月17日[更新]

はやぶさ君は今日も元気に航行中です。
2005年の今頃は、はやぶさが撮影したイトカワの画像が次々と送られてきていました。その目新しい画像に驚きながら、プリントアウトしては運用室の壁に張り、それを見ながら議論を繰り返しました。

運用室の壁のイトカワ

2009年9月17日00時00分(日本時間では、9月17日9時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離239,461,750km、赤経6h47m7s、赤緯22.57度にいます。

2009年9月10日[更新]

本日もはやぶさ君は、慎重かつ確実に地球に近付きつつあります。地球からはやぶさ君に呼びかけて、その答えが地球に届くまでの時間も、日に日に短くなってきています。
実際には、はやぶさ君も地球もそれぞれのペースで太陽の周りを廻りながらですので、帰還の道はそう単純ではありませんが、今年の5月あたりから地球帰還までの期間は、はやぶさ君と地球との距離が単調に減少し続けます。

4年前の2005年9月12日、はやぶさはイトカワに到着しました。
当日のトピックス記事に詳細が載っています。また、それに先立つ数日間のページには、遠くから見た解像度の低いイトカワの画像が、はやぶさが近づくにつれ高解像度になる様子が見られます。(はやぶさ関連情報一覧:トピックス(2005年)に記事一覧があります)
これらの画像を続けてみると、はやぶさが、だんだんイトカワに近づいて行く様子が想像でき、わくわくしますね。

祝イトカワ到着!

---イベント情報---
新しいウィンドウが開きます 宇宙科学技術連合講演会: 宇宙を楽しむ市民シンポジウム:小惑星探査機「はやぶさ」の物語
日時:9月13日 午前10時〜12時
場所:京都市青少年科学センター
入場無料!参加申込受付中(当日席に余裕があれば、申込がなくても参加できます)

2009年9月10日00時00分(日本時間では、9月10日9時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離250,036,340km、赤経6h31m12s、赤緯22.76度にいます。

2009年9月3日[更新]

今週もはやぶさ君は帰還に向けて、鋭意航行中です。
臼田さんから命令を送ってはやぶさ君の答えが聞こえるまでの往復伝播時間も、30分くらいと、ずいぶん短くなりました。

今週は、相模原キャンパスの怪談もどき第三弾、「エキチが足りない?!」です。
実験室では時折、「エキチが足りないね。そろそろ汲みに行ってくるか」という怪しいやり取りがなされています。専用の魔法瓶を用意して、鍵を借りて、やってきたのは屋外にある液体窒素のタンクの前です。

液体窒素の沸点は大気圧の下では−196度であり、低温での実験を行う際に使われます。宇宙空間で低温や高温にさらされる探査機やその部品を想定しうる様々な温度環境下において、その性能や耐久性を調べることは、探査機を設計する上で非常に重要です。そんな時、低温での実験を支えているのが、エキチこと液体窒素なのです。

低温での実験は、探査機の設計の際に必要なだけではなく、太陽系の歴史や物理を考える上でも非常に重要です。
木星よりも太陽から遠い領域ではとても寒いので、いろいろな氷が存在します。皆さんがかき氷にして食べる普通のH2Oの氷だけでなく、ドライアイスことCO2の氷や、メタンの氷などなどです。
これらの氷の性質を調べることによって、氷衛星の表面がどんな歴史をたどって現在のようになったかを考える研究もあります。

低温実験に関しては、ほんの一例ですが、以下をご覧ください。

---イベント情報---
新しいウィンドウが開きます 宇宙科学技術連合講演会: 宇宙を楽しむ市民シンポジウム:小惑星探査機「はやぶさ」の物語
日時:9月13日 午前10時〜12時
場所:京都市青少年科学センター
入場無料!参加申込受付中(当日席に余裕があれば、申込がなくても参加できます)

2009年9月3日00時00分(日本時間では、9月3日09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離260,253,820km、赤経6h15m5s、赤緯22.85度にいます。

2009年8月

2009年8月27日[更新]

はやぶさ君 はやぶさ君は今日も元気に航行を続けています。

8/13に、はやぶさ君がセーフホールドモードに入っているのが発見されました。現在までに、原因究明と復旧作業が終わり、大過なく「遠日点に伴うイオンエンジン停止期間」に入っています。地球帰還への影響はありません。

セーフホールドモードとは、探査機自身が何らかの異常を感じた時に、もっとも安全だと思われる退避姿勢を取りながら、地球からの指示を待つことです。「地震のときには机の下に隠れる」みたいなものですね。
はやぶさ君の場合は、イオンエンジンとリアクションホイールを止めて、太陽電池パネルとハイゲインアンテナを太陽に向けたまま、ゆっくりと回転することになっています。そうして、太陽電池で発電する電力を確保しながら、地球との通信を試みるのです。

今、はやぶさ君が使っているアンテナは、ミディアムゲインアンテナで、電波の強さも、指向性も中くらいのアンテナです。ローゲインアンテナでは、電波が弱いので地球と十分な通信できませんし、ハイゲインアンテナは、指向性が強いので、向きがぴったりと合わないと通信できないため、今のはやぶさ君には使いにくいのです。

8/13の朝8時30分、はやぶさ君からの電波の強度が周期的に変化することから、運用スタッフ一同は、はやぶさ君がセーフホールドモードに入って、回転していることに気づきました。はやぶさ君からの電波が受信できるのは、廻っている はやぶさ君のアンテナが地球の方向を向いている間だけだからです。
はやぶさ君からの電波は、だいたい30分ちょっとでやってきます。つまり、はやぶさ君は、30分ちょっとで一回転しているのです。

例えば、メリーゴーランドに子供が乗っていて、お母さんがさくの外側にいるとします。子供がお母さんと、顔を見ながらお話できるのは、子供の乗っている乗り物がお母さんの方向にやってきたときだけです。
このメリーゴーランドが廻っているはやぶさ君、子供がはやぶさ君のミディアムゲインアンテナと考えていただくと良いでしょう。

まずは情報収集と原因究明です。
廻っているはやぶさ君からの電波が受信できるタイミングを見計らって、はやぶさ君のデータレコーダにあるデータをダウンロードします。
幸い、臼田さんが強力ですので、臼田さんからはやぶさ君への通信は、いつでもできます。
上の例えで言うと、お母さんはマイクを持っているので、いつでも子供に指示を出せるのです。
しかし、はやぶさ君から臼田さんへの通信は、30分に一回しかできませんので、それぞれのチャンスに狙いを定めて、根気強くデータをおろしながら、「はやぶさ君に何が起こったか?」の議論を繰り返しました。

これらのデータを良く調べたところ、はやぶさ君の姿勢を監視している機器にシングル・エラー・アップセット(SEU)が起こり、間違った情報を出し、これを異常だと判断したはやぶさ君がセーフホールドモードに移行したようです。
SEUとは、宇宙放射線などの荷電粒子がメモリの素子に当たることにより、その素子に書き込まれていた情報が、反転してしまう、一時的なエラーです。
そのメモリを、もう一度書き直してやれば、このエラー自体は、すぐに解決できます。
間違った姿勢情報を貰ったはやぶさ君は、これに対して冷静に対処しました。イオンエンジン、リアクションホイールを止め、セーフホールドに入ったのです。

例えてみると、はやぶさ君は、「揺れた!」と勘違いして、机の下にもぐりこみ、算数のテストの時間を無駄にしてしまったような感じです。
そして、はやぶさ君が「揺れた!」と勘違いした原因は、いたずらっ子の飛ばしていた消しゴム(宇宙放射線)のうちの一つが、運悪く、はやぶさ君の座っている椅子(姿勢監視装置)に当たったからという感じでしょうか。
はやぶさ君は、勘違いはしたものの、冷静に机の下にもぐるという正しい対応をしたのです。

そして、忙しさを極めたのが、軌道計画のグループです。
このグループは、はやぶさ君がどのタイミングで、どの向きに、どの程度イオンエンジンを吹けば地球に戻ってこられるかを計算しているのですが、はやぶさ君が勝手にイオンエンジンを止めてしまったため、今後の軌道を計算しなおさなくてはいけないことになりました。
お盆の後半から一週間、検討に検討を重ねた結果、はやぶさ君の新しい軌道計画が作られました。幸いにして、はやぶさ君は、予定通り地球に帰ってこられるはずです。

今は、はやぶさ君が遠日点付近にいることもあり、発電量にゆとりがありません。また、バッテリも使えなくなっておりますので、消費電力が発電量を一瞬でも上回ると、はやぶさ君のブレーカーが落ちてしまいます。
万が一、はやぶさ君のブレーカーが落ちてしまったら、はやぶさ君は死んでしまいます。けれども、イオンエンジンを再点火する時には、どうしても、つけっぱなしにしておく時よりも少し余計に電気がいるのです。

そこで、しばらくは、イオンエンジンを止めたまま、太陽電池パネルを太陽に向けて回転しながら時期を待つことにしました。9月下旬になって、はやぶさ君がもう少し太陽に近づいて、電力事情が改善されたら、イオンエンジンの再点火を行う予定です。

この騒動でお盆や土日を返上したスタッフたちは、今、ようやく胸をなでおろしています。
はやぶさ君が地球に帰還できるように、今日もみんなでがんばっています。

---イベント情報---
新しいウィンドウが開きます 宇宙科学技術連合講演会: 宇宙を楽しむ市民シンポジウム
小惑星探査機「はやぶさ」の物語
日時:9月13日 午前10時〜12時
場所:京都市青少年科学センター
入場無料!

2009年8月26日4時35分(日本時間では、8月26日13時35分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離271,133,840km、赤経5h56m53s、赤緯22.86度にいます。

2009年8月20日[更新]

今週も、はやぶさ君は遠日点近傍の寒さに負けず航行中です。

今回は、相模原キャンパスの怪談もどき第二弾、「相模原キャンパスにはポルターガイストが棲み着いている?!」です。

相模原キャンパスの西門付近には、普通の家より大きくて丸いタンクがあります。
この付近で時折、「ゴーーーーーーーッ」という大きな音が聞こえます。
風音の様でもありますが、あまりにも唐突で、大きな音です。

その正体は、「風洞実験の排気音」です。
風洞というのは人工的に狙った速度で風を吹かせる実験設備で、航空機や車の設計はもとより、ロケットの設計にも使われています。こういうところで何回も実験を重ね、万全を期するのですね。

風洞に関して、詳しくは以下をご覧ください。

2009年8月15日9時24分(日本時間では、8月15日18時24分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離285,393,240 km、赤経5h31m22s、赤緯22.63度にいます。
(10日単位で計算を行っているため、今週は先週のデータの再掲になります)

2009年8月13日[更新]

今日も、はやぶさ君は地球に帰るための軌道変更を行っています。

夏ですので、相模原キャンパスの怪談もどきをいたしましょう。題して、「はやぶさ君は、去年の夏、オカルト実験に参加していた?!」です。
オカルト実験と言っても、テレパシーでコマンドを送ったりしていたわけではなく、探査機を使った太陽大気のオカルテーション観測のことです。日本語では掩蔽(えんぺい)といいます。覆い隠すという意味ですね。

探査機・太陽・地球が、今挙げた順番でほぼ一直線上に並ぶとき、地球から見ると、太陽によって探査機が隠され(あるいは隠されかけ)ます。
このとき、探査機から地球に送られる電波は太陽のごく近くを通ります。太陽からは電気を帯びた粒子が飛び出していて、探査機から出された電波は、太陽の近くを通るときにかき乱されてしまいます。この太陽大気によってかき乱された探査機からの電波を地上で観測することによって、太陽大気を観測しようという手法がオカルテーション観測なのです。
歴代の探査機によるオカルテーション観測に関する記述は以下のとおりです。

2009年8月15日9時24分(日本時間では、8月15日18時24分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離285,393,240 km、赤経5h31m22s、赤緯22.63度にいます。

2009年8月6日[更新]

遠日点に近づき火星軌道のあたりにいるはやぶさ君は、今日も寒さに負けず、イオンエンジンを吹き続けています。

夏休みの宿題と同じように、はやぶさ君のイオンエンジンを使った加速は短期間で終わらせることはできません。毎日こつこつと勉強することで学力が付くのと同様、毎日イオンエンジンを吹き続けることによって、はやぶさ君は、遠いところにある小惑星イトカワまで行って、さらには帰ってくることができるのです。
「夏休みの宿題」がある皆さん、はやぶさ君と一緒に頑張りましょう。

一方で、大学の講義がお休みになる「夏休み」は、実は学術会議(学会)の多いシーズンです。はやぶさ君を運用しているスタッフも、かなりの人数が学会に出かけます。
また、講義のないこの時期に実験をやろうという先生方も多く、宇宙研の共同利用実験設備も大賑わいです。意外と「夏休み」は忙しいんですよ。学会発表や会議や広報活動の日程とはやぶさ君の運用日程が重ならないように、みんなでいろいろと予定調整しています。

2009年8月4日14時12分(日本時間では、8月5日の23時12分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離298,494,770km、赤経5h5m34s、赤緯22.14度にいます。
(10日単位で計算を行っているため、今週は先週のデータの再掲になります)

2009年7月

2009年7月30日[更新]

今日もはやぶさ君は、いつもの通りイオンエンジンを吹き続けています。
一方で、はやぶさ君を運用する相模原キャンパスは、今週も賑やかです。高校生向けの4泊5日の体験プログラム『君が作る宇宙ミッション(通称「きみっしょん」)』が行われているからです。
はやぶさ君に続く未来の探査機として、高校生のみんなはどんなミッションを考えてくれているのかな?

2009年8月4日14時12分(日本時間では、8月5日の23時12分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離298,494,770km、赤経5h5m34s、赤緯22.14度にいます。

2009年7月23日[更新]

今日もはやぶさ君はあせらず、一歩一歩、着実に、地球に向かって軌道を変更中です。
一方で、JAXA相模原キャンパスのなかでは、ここ数日の間というもの、ちょっぴりあわてた人々が激しく行きかっています。相模原キャンパスの一般公開が明日、明後日に迫っているからです。

いつもは研究室や実験室にこもって仕事をしている人たちも、この時期は一般公開の準備のために廊下を歩きまわっていますからね。大きなポスター専用の印刷機の前にも順番待ちの列ができています。

2009年7月24日19時01分(日本時間では、7月25日4時01分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離310,361,780km、赤経4h39m36s、赤緯21.39度にいます。

2009年7月16日[更新]

本日も、イオンエンジンはじめ、はやぶさ君の諸機関は順調に働いています。
7月22日に日食がありますが、はやぶさ君は今回の日食を見ることができません。“「日食」とは、月が太陽の前を横切るために、月によって太陽の一部(または全部)が隠される現象”(国立天文台のサイトより引用)ですので、地球や月から、はるか遠くにいるはやぶさ君には関係のない話なのです。
でも、はやぶさ君にとってはそのほうが好都合なのです。バッテリーが使えない今、日陰に入ってしまうことは、はやぶさ君にとって命取りになりかねませんからね。

日食の見える地域にいる皆さんは、国立天文台の皆既日食の情報や、JAXA教育センターのサイトなどを参考に、日食を楽しんでくださいね。

2009年7月13日23時50分(日本時間では、7月14日の8時50分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離320,891,740 km、赤経4h13m31s、赤緯20.37度にいます。
(10日単位で計算を行っているため、今週は先週のデータの再掲になります)

2009年7月9日[更新]

今日もはやぶさ君は元気に航行中です。
このところ、はやぶさ君との通信回線がほんの少しだけ太くなりました。
はやぶさ君の場合には、「地球とはやぶさ君との距離」「通信回線の太さ」「はやぶさ君が見える時間帯」「はやぶさ君と太陽との距離」「イオンエンジンを吹くタイミングや向き」などの条件が、ゆっくりと、しかし大きく変化していきます。刻々と変化する状況に合わせて、はやぶさ君の運用の様子も変化しています。

2009年7月13日23時50分(日本時間では、7月14日の8時50分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離320,891,740 km、赤経4h13m31s、赤緯20.37度にいます。

2009年7月2日[更新]

今日もはやぶさ君は寒さに負けず航行中です。
はやぶさ君と太陽との距離はもう1.6AUを越えました。これは火星の遠日点距離1.67AUには及ばないものの、火星の近日点距離1.38AUより遠いところです。太陽光を受ける面積が同じならば、太陽から遠くなる分、受けとれるエネルギーも少なくなります。
1.6AUの距離では、地球近辺での発電量の1 / ( 1.6 )2 =0.4倍くらいしか発電できないのです。それでも、イオンエンジンを吹き続けながら、はやぶさ君は航行を続けています。

2009年7月3日4時38分(日本時間では、7月3日の13時38分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離330,005,470 km、赤経3h47m24s、赤緯19.09度にいます。