美笹深宇宙探査用地上局(MDSS)


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開発・製造現場



2019年2月21日:X帯固体電力増幅装置(SSPA:Solid State Power Amplifier)の採用

美笹深宇宙探査用地上局で使用する送信機が決定しました。2017年度まで試作研究を実施していた半導体を用いた送信機を採用します。
臼田64mでは、これまで海外製のクライストロン(マイクロ波用真空管の一種)を用いた送信機を使用していましたが、保守性や安定性等を高めるため、国産によるGaN(窒化ガリウム)を用いた半導体増幅装置を日本電気株式会社の協力を得て開発しました。
写真は試作研究により試作した30kW級のX-SSPA(X-band Solid State Power Amplifier;固体電力増幅装置)です。本装置は、GaNデバイスを内蔵した384本のPA(Power Amplifier、1本あたり125W出力)を多段合成して最終的に30kW出力を得るものです。X帯で30kW級の大出力が得られる送信機の導入は世界初となります。
今後、信頼性を向上させた製品版の設計・製造に入ります。


↑試作したSSPA電力増幅部の外観です。試作品の寸法は2.35mの立方体の大きさであり、1つのラックに192本のPAが組み込まれ、水を循環させて冷却します。2つのラックで30kW出力を実現します。




2018年3月29日:KaバンドLNA(低雑音受信増幅)装置の開発状況

はやぶさ2には、より多くのミッションデータを送信できるように従来のXバンド通信系に加えてKaバンド通信系が搭載されています。
美笹深宇宙探査用地上局では、はやぶさ2からのKaバンド信号を受信するために、Kaバンド受信機能を具備します。
今回、このKaバンド受信機能のうち、微弱な電波を増幅するKaバンドLNA(低雑音受信増幅)装置をGREATのプロジェクトメンバーである坪井教授自ら製作しました。写真は製作途中のKaバンドLNAと坪井教授です。


↑筒状の中にKaバンドLNAが収められおり、これを極低温まで冷却して使用します。これによりアンテナから取得した極めて弱く、不確かな信号を所定のレベルまで増幅します。




2018年3月28日:Az(アジマス)駆動機構の現物確認

アンテナの開発を担当される三菱電機殿とともに、Az駆動機構を保管している「フクトク」の超大型工場を訪問させて頂きました。
以下の写真はアンテナを水平回転させるためのAz(アジマス)駆動機構です。横幅が約5m程度あり、大別して駆動用モータとホイールから構成されています。
アンテナは6つのホイールで支えますが、そのうち4つに駆動モータが付いています。


Az駆動部におけるホイール及び駆動用モータの取付概要




2018年3月7日:日立造船 堺工場 Az(アジマス)回転構造部の仮組み確認

アンテナの開発を担当される三菱電機殿とともに、その主要構造部を製造される「日立造船」堺工場を訪問させて頂きました。
以下の写真はアンテナを水平回転させるためのAz(アジマス)回転構造部の仮組状況です。
今後、これらを解体して錆びを落とし、塗装を行った後に順次現地に輸送します。


アンテナ全体の外観図とAz回転構造部の範囲


正面斜め左から見た外観写真(高さは地上から約27m程度です。更にこの上にEl(エレベーション)駆動部が乗ります)


左から見た外観写真


上部拡大写真、中央にある穴がマスターコリメータの貫通孔になります。


写真は、「日立造船」堺工場の関係者及び三菱電機関係者との集合写真です。大きいとは判っていながらも近くで見るとその大きさに圧倒されました。




2017年10月3日:姫島金属興業所(アンテナリブ製造担当)、三栄建設(仮置き場提供)

アンテナの開発を担当される三菱電機殿とともに、主鏡を支える「リブ」を製造される「姫島金属興業所」尼崎工場と製造後のリブの仮置きと塗装等を行うために場所を提供頂いている「三栄建設」大正工場を訪問しました。
写真は「姫島金属興業所」さんで実際に作業に携わっておられる方々との集合写真です。
厚さ5mm程度の鋼管を次から次へと正確に、しかも手作業で溶接される姿に感動しました。
また、「三栄建設」さんでは仕上がったリブの仮置き場と塗装等を行う場所を見せて頂きました。広大な敷地に圧倒されました。


姫島金属興業所 尼崎工場の皆さんとの集合写真









2016年7月28日:日立造船堺工場

アンテナの開発を担当される三菱電機殿とともに、その主要構造部を製造される「日立造船」堺工場を訪問させて頂きました。写真はアンテナを水平回転させるために中心部分(右下の赤い部分)に据えられる構造部材です。


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