GREATプロジェクトでは、2020年10月5日 19:30〜22:30(日本時間)にかけて、小惑星探査機「はやぶさ2」に対するX帯(電波の周波数帯域の一つ:7GHz帯)による指令信号の送信に成功しました。
今回の「はやぶさ2」への指令信号の送信により、美笹局の開発で掲げている目標を全て達成できました。 引続き、はやぶさ2を用いた試行運用を行い、2021年4月からの本格稼働に向けた準備を行います。
なお、X帯の指令信号を増幅する大電力増幅装置として、深宇宙用7GHz帯としては世界初※の固体電力増幅装置(SSPA)を新規開発し美笹深宇宙探査用地上局に導入しました。
※ 深宇宙用の局は国内外に存在しますが、いずれも米国製クライストロン(マイクロ波用真空管の一種)を用いた送信機を使用しています。
| 「はやぶさ2」の見え始める方向(この日は北を0度として時計回りに30度程度回転させた方向)にアンテナを指向させたときの動画です。高速再生していますので早く見えますが、実際には1秒間に1度の速度で動いています。
以下は54mアンテナによる「はやぶさ2」の追尾中の写真です。観測時間帯はあいにく霧が濃い状態でした。アンテナには注意を促す警報ランプが2つ付いており、赤色はアンテナ駆動中、黄色は電波発射中を意味しています。下の写真からどのような状態であるかお判りになるでしょうか?

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| 以下は「はやぶさ2」の追尾終了間際の映像です。この時は霧も無くなっていました。(高速再生しています)
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