• 前のページに戻る

「ひてん」の月面到達

「ひてん/MUSES-A」が月面到達直前に撮像した月面の画像

「ひてん/MUSES-A」が月面到達直前に撮像した月面の画像

1992年2月15日の第11回目の月最接近時に、「ひてん」は搭載ガスジェット装置を約10分作動させることによって月周回軌道に投入された。そして、やがて月の向こう側に落下することが予想されたため、搭載残燃料を用い、落下点を月の表側にするための軌道修正を行った。1993年4月11日3時3分38秒、「ひてん」は3年と2ヵ月余りの長旅を終え、「豊かの海」のステヴィヌス・クレータ近傍に衝突してその生涯を閉じた。

──胆の冷えるような難関を乗り越え、第1回月スウィングバイ以降は順風満帆、合計10回のスウィングバイ、2回のエアロブレーキ、ラグランジュ点周回、そして1992年2月15日以来の月周回と、文字どおり天空を駆け巡ってきた「ひてん」ですが、今後月を見上げればいつもそこには「ひてん」があり、何年(何十年?)か後には必ずや誰かが地球に持ち帰ってくれることでしょう。──(上杉邦憲)

カテゴリーメニュー