JAXA 宇宙科学研究所 海老沢・辻本研究室へようこそ
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2025年度

第8回 XRISM Science Meeting@Leiden+α(2025年7月7日-11日)


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ここからD2望月です。ライデンでの研究会では、自分のポスター発表を行いました。 自分は研究議論とSRONについて書こうと思います。 対面の研究会では、発表するだけではなく、参加者と雑談や研究の議論をすることがよくあります。これにより今後の研究への道筋をつけたり、研究上の問題を解決したりするわけです。 私は、研究会に行く前に議論したい人とアポイントメントをとり、実際に4人の方と研究の議論をしてきました。 たとえば、私は、光と物質との相互作用を計算する輻射輸送を計算するコードを用いた研究を行っていたのですが、コードが想定通りに動かないことがしばしばあります。この場合、コードのマニュアルを当然読むのですが、それでも解決できないことがよくあります。そこで、コードの開発者たちに直接聞くことで、解決の糸口を見つけることができました。
この議論の際に、立ち寄ったのが、オランダの宇宙機関であるSRONです。 SRONの中はとても綺麗で、コーヒーマシンが各階にあり、自由に飲むことができます。 さらに、コーヒータイムの時間があり、集まって雑談をしたりしました。 こうした時間は、他の研究機関でもあるそうですが、ISASにはないので羨ましかったです。 私は、実験ではなくパソコン一つあれば研究ができるのですが、研究環境をたまには変えることも刺激に繋がり、良いなと思いました。 観光については厚地くんが紹介するはずです! (もち)
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ここからD3栗原です。ライデンでの研究会では、自分のポスター発表と系内コンパクト天体カテゴリの恒星観測成果のレビューを行いました。 (注:XRISMではサイエンスカテゴリとして4つのグループがあり、I.銀河系内か系外か、II.およそ点源か広がった天体か、によって分類されます。 他のカテゴリの天体例をあげると、例えば超新星残骸は系内広がった天体、活動銀河核は系外コンパクト天体、銀河・銀河団は系外広がった天体、といった具合ですね。)
研究会の詳細はすでにいろいろ書いてくれているので、自分は欧州宇宙機関ESAのESTEC(European Space Research and Technology Centre)訪問について少し書こうと思います。 ESAはヨーロッパ各地に拠点を持っていて、ESTECはその一つ。ライデンからバスで30分ほどのノールトウェイクに位置し、主に宇宙プロジェクトの設計・開発・試験を担っているとのことでした。 太陽研究者でお友達のAndyの紹介で、太陽グループ+ゲストの人たちと議論させていただきました。またOGの富永さんを初め、研究室メンバーと共同研究しているBert(こちらの日誌参照)とも初めましてをしました。 何より衝撃的だったのは研究機関の中にバーがあること(!)。ミーティング中、人々がしきりに「○○時にエスケープする(逃げる)」という表現を使うので、ここではみんな遅くまで残って仕事するのが標準なのかな~なんて思っていたのですが、なんとESCAPEという名前のバーに行くという意味でした!(写真1:ESTECとかけているのかも)  軽食をつまみながら和気藹々と議論が盛り上がり、楽しかったです(写真2)。ともあれ、自然に恵まれ、うるさすぎず過疎過ぎずのオランダの街は、研究するにはもってこいな環境に映りました。(みき)
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ここから辻本です。ライデンはオランダ最古の大学を擁し、教科書に出てくる多くの有名人がいます。天文学(写真1枚目は旧天文台)では、Oort, van de Hulst (中性水素21cm線の発見)、Hertzsprung (HR 図の H の人) 、de Sitter、物理学では Lorentz、Kamerlingh Onnes (超電導の発見)、Ehrenfest、Uhlenbeck と Goudsmit (電子スピンの発見) などなど。我々は、超流動ヘリウムを使った XRISM 衛星の分光器で、天体からのスペクトルの spin-orbit coupling の微細構造線を分離する研究をしているわけですが、その科学的系譜の水源のいくつかがこの街にあるわけです。
研究会の次の日は、電車でベルギーのリエージュへ。午前中は、共同研究者の Naze さん、Rauw 教授と1年ぶりの再会です。お二人と別の共同研究をしている石田研D3の宮本さんも同行してくれました(2枚目)。僕は、出国直前に XRISM で観測されたデータを当日ギリギリでまとめ、結果を共有しました。約50年来の謎を解決する決定的な結果になっていそうで、急いで論文にしないといけません。宮本さんもお二人とじっくり議論できたようでよかったです。午後は、欧州最大の衛星試験施設である CSL へ。今回は LiteBIRD 衛星の地上性能検証試験の相談に行きました。約10年先になりますが、ここでの試験がプロジェクト最大の山場になるので、現地の豊富な経験をできるだけ取り込むように議論しました。写真3枚目は、我々の LiteBIRD 衛星の先代にあたる欧州 Planck 衛星の熱真空試験をしたチャンバー。隣にいるのは、我々の XRISM 衛星の後代にあたる Athena 衛星のゲートバルブの主任技術者である Terrasa さん。
天体物理学研究でも、衛星開発でも、国や世代をまたいで知見を継いでいくことに貢献しているという実感が強く得られた出張になりました。おまけ。写真4枚目は、我々の研究でもよく使う欧州 XMM-Newton 衛星のX線望遠鏡の鏡の一部。CSL で宮本さんとお土産にもらって手荷物で持ち帰ったところ、空港X線検査も税関申告も問題なく、無事持ち帰りに成功しました!(つ)
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Hinode 16 / IRIS 13 meeting (2025年6月23日-27日)

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先の日誌で知らぬ間に後輩たちから幸薄い認定されてました,,,D3栗原です。 そんなことはさておき、英国ロンドンにて開催されたHinode 18 / IRIS 16 meetingに参加してきました(写真1は受付でもらったクッキー)。 新潟でのHinode 16 / IRIS 13(こちらの日誌参照)以来、2年ぶりに参加した太陽コミュニティの学会です。 今回はXRISMで初めて観測した恒星フレア解析結果をお披露目しました(写真2)。ただでさえ太陽観測装置使ってないうえに、 最終日・最後のtalkだったので、聴衆が残ってくれているかは少し心配でした。でも事前の宣伝の効果もあり(?)、 質問もたくさん出て一安心です。特に、論文で名前だけは知っていたような有名人からお褒めいただけたときは、大学院生冥利につきますね。 自分の発表以外でも、進んだ太陽研究に関してChatGPTの補助をもらいながら講演を聞いたり、共同研究者の人と最近の成果を見せあったり、 毎晩新しい人たちとご飯に行って人脈を広げたり、楽しかったなぁ。この学会は会期中朝9時から夕方17時過ぎまでみっちりtalkや poster sessionが組まれていて、一週間を終えて疲労もいっぱいですが、小規模国際学会いいなって改めて思いました。 また、学会出張の楽しみ比重が修士のころに比べて、「おまけの観光」から「幅広い人との研究議論」に移っているのも、 成長(と加齢)を感じられて少し嬉しいところであります。

観光面での個人的ハイライトはBig Benかな(写真3)。そして学会後は、Harry Potterシリーズの9と4分の3番線で有名な King's Cross駅からeurostarに乗ってオランダへ(写真4)。SRONにて、再来週やってくる他のメンバーたちを待とうと思います。 (みき)
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栗原さん論文受理&内々定お祝い会(2025年6月13日)

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栗原さんのお祝い会を行いました! 日頃から高い徳を積み続けている栗原さんですが、なぜかそうやって積み上げた徳を自分から壊してしまうことも多いんだとか(?)。 変な人ですね。今回はしっかり積み上げた徳が成就して嬉しい限りです! タイトルにもある通り、論文受理&内々定のダブルお祝いでした。 自分も現在論文執筆や就活の大変さを味わっており、二つともしっかり完遂させた栗原さんは本当にすごいなと思います。 お疲れ様でした!
場所はOh God、ピザがとても美味しかったです。 厚地さんが頼もうとしたチキンが海老沢さんにリジェクトされてましたが、チキンもとても美味しかったですよ! また行きましょう!
また、今回は社会人の富永さんと柏崎さんが来てくれました。 お二人とも変わらず元気そうで何よりです。またいつでも研究室飲み会に顔出して欲しいですね。
次回の飲み会は、大型新人鳥海さんが幹事ということでとても楽しみですね! それではまた!
(さめ)
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鮫島さん入学、鳥海さん配属 (2024年4月1日)

東京大学から鮫島さん (新M1) が修士課程学生として進学しました。まだ芝浦工業大学から鳥海さん (新M2) がJAXA受託指導学生として研究室に入りました。(K.E.)


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