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八艘跳び

瓜本の八艘跳び

レーダーがもう少しロケットが大きくなってからだったが、瓜本信二(明星電気)の有名な「義経の八艘飛び」という話がある。地上のレーダーアンテナは、飛んでいるロケットに搭載したレーダー発信器が発信する電波に追従しなければならない。地上のレーダーアンテナが正常に作動するかどうかをチェックするため、発信器を移動してテストをした。そのころは瓜本が発信器を抱えて走って、それをレーダーアンテナが追いかけたのである。地上の砂浜だけではなく、次は海の上はどうか、ということで海の上を船で移動し、それを追いかけるということもやった。身軽な瓜本が、船から船へレーダーを抱えて跳び移って走る。まさしく「義経の八艘跳び」である。

意外性に溢れ、情熱に満ち、一つ一つの出来事への感激がとてつもなく大きかった日本のロケットの草分けの頃である。

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