2022年度 大学院を修了した学位取得学生からのメッセージ

JAXAでは、大学等の行う教育への協力として、国内外の学生をJAXAの現場に受け入れて、研究や実習の指導を行っています。
中でもISASでは、具体的に進む宇宙科学分野のプロジェクトや将来のミッション検討につながる基礎研究をテーマにすることもできます。企画・立案からプロジェクトの終了まで何十年もかかる大規模なものや、大学院時代にすべての工程を体験できる数年単位のものなど、その規模はさまざまです。また、学生としての研究だけでなく、JAXA任期制職員であるリサーチアシスタントに採用され、はやぶさ2などの宇宙機運用に関わる人もいます。こうした、他では得難い経験をしたISAS受入学生は、宇宙科学分野の研究職だけでなく、他分野含めた民間企業に就職するなど、さまざまな分野で活躍しています。

2022年度、多くのISAS受入学生が大学院を修了し、学位(博士または修士号)を取得しました。学位取得者一覧と合わせ、学生からのコメントを紹介します!

2022年度修了生と宇宙科学研究所 國中均所長(2023.3.9)
2022年度修了生と宇宙科学研究所 國中均所長(2023.3.9)

髙久 諒太

髙久 諒太 2023年3月 東京大学大学院理学系研究科修了 博士(理学)
山崎典子研究室

学生生活のほとんどを柏と本郷で過ごしました。それでも、どういう形であれ”一つ世に貢献した”とISASの一員としても胸を張って卒業できるのは嬉しいことです。ISASから離れて研究することを快く受け入れてくださり、多角的な視点で研究を助けてくださった満田先生・山崎先生に感謝しております。

髙木 公貴

髙木 公貴 2023年3月 東京大学大学院工学系研究科修了 修士(工学)
西山和孝研究室

日本で宇宙工学の研究をする上で最高の環境を経験させていただいたことに心から感謝します。ここで出会えた素晴らしい人たちがこの2年間の最も大きな資産です。同じ温度で内に燃やす情熱を共有できたことが本当に嬉しかったです。私の研究テーマである革新推進機であるエレクトロスプレースラスタは、これからの時代を作るエンジンであると信じています。博士課程で謙虚に精進します。

坂岡 恵美 2023年3月 総合研究大学院大学物理科学研究科 博士(工学)
森田泰弘研究室

5年間を宇宙研で過ごし、様々なことを経験しました。特に修士1年の時に参加したイプシロンロケット4号機の打上げ実習が1番の思い出です。自分が普段研究対象としているロケットが実際に運用され、打ち上げられていく様を自分の五感で感じることができた経験はその後の研究生活においても非常に役立つものでした。

YANG Jingxuan

YANG Jingxuan 2023年3月 東京大学大学院理学系研究科 修士(理学)
篠原育研究室

Hello everyone who will be studying at the ISAS/JAXA. Due to my interest in Japanese culture, I graduated from the Department of Oceanography at Xiamen University in China and switched majors to pursue my interest in plasma physics before applying to Tokyo University. In the global environment of the COVID-19 pandemic, I overcame the challenge of studying plasma physics as a non-major and eventually was able to independently analyze satellite data and write my master's thesis. At the ISAS/JAXA, there are many diverse research projects and topics to explore. What I would like to say is that no matter how the external environment changes, we must not forget our original intentions and complete what only we can do at our own pace and style, continuously developing our ability to identify and solve problems along the way.

猪 裕太

猪 裕太 2023年3月 関西学院大学大学院理工学研究科(連携大学院) 修士(理学)
岩田隆浩研究室

私が行った、はやぶさ2リターンサンプルを用いた物性測定の研究は、今後のリターンサンプルを取り扱う上でも役立つのではないかと思っています。指導教官の岩田先生と田中先生、研究を行う中で宇宙研内外の様々な方にご協力いただきました。感謝申し上げます。研究生活以外では、きみっしょん、特別公開に参加し、横の繋がり、上下の繋がりを持つことができ、楽しい学生生活を送ることができました。宇宙研で学ぶ皆様には、宇宙研ならではの環境を存分に楽しんで欲しいです。

御堂岡 拓哉

御堂岡 拓哉 2023年3月 東京大学大学院理学系研究科修了 博士(理学)
海老沢研 研究室

宇宙研で過ごした5年間は人生で最も濃く充実した期間でした。
海老沢さん・辻本さんをはじめとした海老沢研メンバー、お世話になった皆様には大変感謝しております。
ここで得たものを活かし全世界で活躍するスーパーマンになってみせます!

村山 裕輝

村山 裕輝 2023年3月 総合研究大学院大学物理科学研究科 博士(工学)
船木一幸研究室

JAXAという宇宙開発の最前線で研究を行うという貴重な機会を得られました。私は先端宇宙推進技術の基礎研究を行ってきたので、直接フライトモデルに関わる経験はありませんでしたが、実際の開発プロジェクトに関わる研究者の方や多くのアカデミアの方と交流する機会も多かったです。様々な問題を乗り越えて博士号取得まで研究をやり遂げられたのは、周囲の皆さんから助けを得られる環境だったからと思っています。



2022年度 受入学生の進路